(5) 合併症
A 以下の多動性−衝動性症状のうち6つ以上が少なくとも6ヶ月以上続いたことがあり、その程度は不適応的で、発達の水準に相応していない。
<多動性>
□ 手足をそわそわと動かしたり、椅子の上でもじもじすることが多い
□ 教室など座ることを要求される場面で席を離れてしまう
□ 不適切な状況で走り回ったり、高い所へ上ったりする
□ 静かに遊んだりすることができない
□ まるで何かつき動かされているようにじっとできない
□ しゃべり過ぎる
<衝動性>
□ 質問が終わる前にだしぬけに答えてしまうことが多い
□ 順番を待つことが困難である
□ 会話などの活動で他人を妨害することが多い
★ 上記の(1)と(2)のうちいずれかを満たす
★ それらの症状による障害が2つ以上の状況において存在する
★ 社会的、学業的、職業的機能において、臨床的に著しい障害が存在する明確な証拠が必要
★ その症状が、広汎性発達障害や統合失調症や他の精神疾患(自閉症)によるものではない
(1) 症状 a) 基本症状 脳機能障害を背景とした行動特性としての問題
注意力障害、多動・衝動性、固執性、感情易変性
b) 二次的問題 社会行動における問題
一定の「決まり」からの 逸脱行動 、集団行動困難
待てない、一方的な対人行動、 対人関係形成困難
一般心理特性としての問題
自我意識・対人意識の問題
自尊心低下 、自信喪失、敏感、 対人緊張
c) 知的能力 多くは境界線(IQ70以上)だが、アンバランスが見られる
(2) 疫学 小児の有病率はおおよそ 3%、ある程度の遺伝性あり。
(3) 病因 直接的な原因は不明。何らかの中枢神経機能障害(神経伝達物質レベル)の可能性
a) 発達・認知面 @発達性言語障害、A発達性協応運動障害、B学習障害(15〜92%)
b) 行動・精神面 @反抗挑戦性障害・行為障害(50〜60%)、A適応障害:不登校など
B不安障害(25〜40%)、C気分障害(15〜75%)
D反社会的行動:薬物嗜癖、反社会性人格障害
c) 身体面 @チック障害(30〜50%)、Aてんかん
(6) 経過 小児期に診断された子どものうち、青年期で6−8割、成人で3−5割が症状残す
★サブメッセージ10.2:LDもADHDも先天性の障害である
メインメッセージをもう一度
発達障害は誰のせいでもない。子どもの自尊心を育てよう
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