理事長あいさつ
武庫川学院の全人教育にご支援を
 武庫川学院は1939年2月、武庫川高等女学校として清らかな武庫川の河畔に創設されました。「高い知性、善美な情操、高雅な徳性を備えた有為な女性の育成」を立学の精神として船出し、歴史を重ね、2009年には創立70周年を迎えました。
 この間、戦災で校舎焼失、阪神淡路大震災の被災など幾多の困難に遭遇しましたが、教職員、保護者の方々の懸命な努力により乗り越えてまいりました。おかげをもちまして、一貫教育の理念のもと、今日では武庫川女子大学を核として幼稚園から中学、高等学校、短期大学部、大学院を有し、13,000人の園児、生徒、学生が学ぶ全国有数の女子総合学園に成長しました。学園を巣立っていった同窓生は17万人を数え、同窓会の支部は海外にも広がっています。卒業生は、その豊かな知識と能力に加え、誠実・努力・謙虚さを尊ぶ姿勢が高く評価され、企業、官公庁、学校、研究機関など幅広い分野で活躍しています。こうした卒業生の活躍によって今日の武庫川学院があると言っても過言ではありません。これもひとえに各界の皆さま方のご理解とご支援の賜物と、心より感謝いたしております。
 創立以来、一貫して「教育研究の充実」と「教育環境の整備」に努めてまいりました。現在は男女共同参画の時代であり、女性の活躍の場と果たすべき役割がさらに増えることは必至であると考えています。大学におきましては、文学部、音楽学部に加えて薬学部、生活環境学部など理系の教育・研究にも力を注ぎ、2006年には全国の女子大では初めて建築学科を、2011年には健康スポーツ科学部を新設し、注目を集めています。また近年、大きな問題となっております生活習慣病の病因解析や予防法の研究プロジェクトで優れた成果をあげています。こうした成果を通じて社会との連携を深めている点や、新聞社、出版社による各種の学生満足度調査でも高い評価を得ています。
 武庫川学院は創立70周年を機に、あらためて21世紀の女性にふさわしい知性豊かで、志の高い人材を育成し、社会の要請に応えていきたいと決意しています。このために「教育改革と研究の高度化」「園児・生徒・学生の学園生活の充実」「地球環境に配慮した施設設備の整備」などを柱とする記念事業を計画しております。これらは本学院の未来を担うものであり、新たな基盤の確立を目指すものです。
 皆さまにおかれましては、本学院の教育と創立70周年記念事業の趣旨にご理解をいただき、格別のご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
学校法人 武庫川学院
理事長
 大河原 量
学長あいさつ
武庫川学院が目指すもの
 現代は男女が同じフィールドに立つ時代です。少子化、高齢化というかつて経験したことのない問題に直面しているわが国では、女性としてのアイデンティティーをしっかりと示せる人材が求められ、社会の中で果たす女子大の役割は一層大きくなっています。
 女子大では学習・研究の場ではもちろん、学友会やクラブ活動においても、企画や交渉ごとから力仕事に至るまで、すべて女性たちの手で成し遂げなければなりません。女性同士であればこそ通じ合う気持ちや友情をはぐくむことは、学生間の連携をより高めます。また本来、共同作業やコミュニケーション能力の高い女性が結びつくことで、将来的にも強いネットワークを財産として残すことができると考えています。このグループとしてのつながりは、社会を牽引する原動力となります。さらに、それぞれの学びを生かした草の根的な活動を展開することにより、地域の発展にも大きく貢献できるでしょう。
 本学では、こうした課外活動も積極的に支援しながら、一人ひとりの個性と能力に合った教育を行い、人間として学ばなければならないことを教え、自主、自立の気構えを持った人材の育成に努めています。
 ヒラリー・クリントン米国国務長官やサッチャー元英首相などは、女子教育を受けて世界のトップリーダーになりました。女子教育72年の経験を持つ武庫川学院でも、これからは未来を担い、国際的にも活躍するリーダーの育成に尽力しなければなりません。伝統に支えられた武庫川学院は、まさに”知の宝庫”であり、担う使命と役割は無限の可能性を秘めています。17万人にも及ぶ卒業生が築いてくれた揺るぎない歴史があるからこそ今、自信をもって羽ばたいていける。私たちは、そう確信しています。
武庫川女子大学・武庫川女子大学短期大学部
学長
 糸魚川 直祐
附属中学校・高等学校あいさつ
中高大院一貫の大きな可能性
 「女性の社会進出」というフレーズが当然のようにとらえられる昨今の状況は、男女共同参画社会が浸透してきた証かも知れません。
 とは言え、「良妻賢母」として家庭を守るのが女性の務めであるという、日本固有の考え方がまだあることは確かです。その一方で、家庭にとどまらず“世界”という大きな枠組みの中で、自分の生き方=大きな夢を見つけ、それを実現していこうという女性が増えてきています。宇宙飛行士や研究者、ジャーナリストやアーティストなど、世界を舞台に多くの日本人女性が活躍していることは周知の事実です。
 家庭での生活や出産・育児もこなした上で、自分の夢にチャレンジする――このように女性として、また一人の人間として自立した生き方を実現しようとする、聡明な女性を育てていくことが本校の教育の理念です。「あたたかさ」「やさしさ」「きめ細やかさ」を内に秘めて行動ができる女性。男女共同参画社会の中にあって、女性の創造力、価値観、感性など男性に抑え込まれる事なく、のびのびと中高生の時代に豊かに学ぶ喜びを体感し、自己実現を果すべく真理を探究する女性。このような女性を育てていくことが最大のテーマであります。3コース制も着実に整備されてきました。80周年に向けて、教育の質的充実に教職員が一致協力して推進して参ります。
武庫川女子大学附属中学校・高等学校
校長
 上田 武久