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今までに開催された言語文化セミナーの概要です

第26回:春季 「英語と日本語の違いの根本的原因としての注意の集中度の差」 平成28年度(2016年度)
西光義弘氏(神戸大学名誉教授)
講演要旨:(西光先生より)
 まず第1の具体的な例として、英語話者はよほどの場合以外にはひとりごとを言わないが、日本語話者はひとりごとをかなり許容することを観察する。その裏にある要因として発達心理学でいわれる3項関係および共同注意さらにはミラーニュウロンなどの発見によって、コミュニケーションの基盤となる注意の配分に関する知見が控えていると考えられる。第2の具体的な例として志賀直哉の「城崎にて」の一節の英訳8種(英語母語訳者5種と日本語母語訳者3種)を比較する。英語母語訳者は原文の2種類の蜂のグループに均等に注意した英訳ができず、日本語母語訳者は原文の通りに均等に注意を配分した英訳を行っている。また原文では蜂の移動の途中で目をそらして庭に咲いている八つ手に視線を移した後で、その八つ手に群がっている蜂に視線を戻した描写になっているが、英語母語訳者の内で極端に直訳の傾向がある2人だけが、原文通りの流れになっている。英語らしくする傾向のある3人は蜂が飛び立ち、空中を飛んで、八つ手に到着するのを視線をそらさず、追っている描写になっている。アメリカの文化心理学者が日本人とアメリカ人の被験者を対象として行った実験では同時に2つのことを行うことがアメリカ人学生より日本人学生の方が少しできやすいという結果も得られている。言語学者はともすれば、文字で表現されたある意味でメモ的な文を対象として分析するが、実際の言語行動は口調、ジェスチャーなどを伴う。注意の配分も言語活動を支える目に見えない必要不可欠なコンポーネントと考えることができる。注意の配分の方策の違いにより、日本語と英語の違いについてさらに追及できる諸現象を取り上げていく。

第25回 「庶民の暮らしとことわざ」 平成28年度(2016年度)
「ことわざフォーラム2016」として、ことわざ学会と共催
言語文化セミナーの拡大版として、ことわざ学会と共催しました。
午前:ことわざ学会員による研究発表
午後 ことわざフォーラム2016
講師:北村孝一氏(学習院大学非常勤講師) テーマ:「ことわざの現在」
シンポジウム 「庶民の暮らしとことわざ」
パネリスト:佐竹秀雄氏(武庫川女子大学言語文化研究所研究員)
森田登代子氏(NPO法人ピースポット・ワンフォー副理事長)
永野恒雄氏(明治大学兼任講師)

第24回 「落語を楽しみ、寄席の言葉を知る」 平成27年度(2015年度)
恩田雅和さん(天満天神繁昌亭支配人)、笑福亭三喬さん(落語家、松竹芸能)
ふだん聞けない寄席独特の言葉や、寄席の仕組みなどについて、恩田氏が解説してくださいました。ことばを専門とする当研究所にとっても、非常に興味深いお話でした。
笑福亭三喬さんの演目は「月に群雲」。三喬さんの十八番である盗人噺の一つです。参加者からは大きな笑い声が出ていました。
その後の質疑応答では、寄席と言葉に関する質問が相次ぎ、まさに「言語」と「文化」とのかかわりについて思いをめぐらせる時間となりました。

第23回 「若者言葉の変遷と死語予想」 平成26年度(2014年度)
加藤 主税 氏(椙山女学園大学教授)
大学教授であると同時に、占いやマジックの専門家である加藤先生は、テレビやラジオなどのメディアでも大変ご活躍の先生です。時代によって変わる若者言葉について、多くの例を挙げながら若者言葉が市民権を得る傾向が増大していることを解説してくださいました。また、予想される死語として「薄型テレビ」「電子辞書」などの、他と区別する必要がなくなる語を示されました。これらは、単に「テレビ」「辞書」となるだろうということです。50名近くの参加者との質疑応答も活発に行われました。

関連:LCりぽーと40号

第22回 「将来の書きことばスタイル」 平成25年度(2013年度)
佐竹 秀雄(本学教授 言語文化研究所長)
【開催にあたって】
30年以上も前、若者たちの書きことばの中に話しことばの要素が流入しはじめました。その影響を受けた書きことばの文体は、かなりの変化をとげました。その変化のようすを概観するとともに、その理由や意味を探ります。そして、将来の書きことばのスタイルはどうあるべきなのかを考えたいと思います。
   佐竹 秀雄
関連:LCりぽーと38号

第21回 「話しことばの日本語」 平成24年度(2012年度)
沢 昭子氏(NPO法人日本話しことば協会理事長)
同協会は、日本で初めて、「話しことば」を扱った検定試験に取り組んだ団体で、現在、「話しことば検定」を実施しています。この検定を立ち上げる際には、さまざまな苦労があったそうで、当初、とある日本語の専門家である大学の先生に相談したところ、そのような検定試験をやるのは無理だろう、と言われたこともあったそうです。
沢氏は、テレビやラジオで活躍されていた元アナウンサーで、有名なテレビCMのナレーションもされています。その声の美しさを披露されつつ、発声練習や腹式呼吸の方法なども教えてくださいました。
学内外からの参加者は30名を超え、質疑応答も活発に行われました。

関連:LCりぽーと36号

第20回 「現代日本の漢字文化」 平成23年度(2011年度)
阿辻 哲次氏(京都大学大学院教授)
講演要旨(阿辻氏よりいただいた内容)
日本では戦後の「当用漢字」による漢字制限がおこなわれてきたが、コンピュータや携帯電話を使って日本語を書くことがいたるところでおこなわれるようになった結果、漢字制限論の論拠だった「漢字は機械で処理できない」という前提がくずれ、また「憂鬱」や「矍鑠」という難しい漢字も簡単に書けるようになって、人々の漢字に対する敷居が格段に低くなった。 電子機器の発達と普及によって、良くも悪しくも漢字に対する空前の変化がいまおきている。かつて「遅れた文字」とされてきた漢字はいま完全に復権をとげ、漢字に対する認識が確実に変化しつつある。このような時代に漢字とどのようにつきあうべきかを考えてみたい。
阿辻氏は、漢字の特徴として、次のようなことを説明された。
・表意文字であること(漢字は一字だけで意味をもっている)。
・使用人口、使用面積が多い(中国と日本)。
・文化的な遺産が多い。
・縦書き、横書きが自由である。
・好きな漢字、嫌いな漢字のある場合があり、それに理由が伴っている(たとえばローマ字や平仮名などに好き嫌いがあることは考えにくい)。
また、日本語は、このような漢字のほかに、平仮名、片仮名、ローマ字を使い分けており、世界の中でも表記が特異であると指摘された。
 2010年に告示された改訂常用漢字表や人名漢字表については、研究者と法律家との間には、漢字を扱う態度に大きな違いがあると話された。その例として、人名漢字の候補に挙がった「糞」が取り上げられた。
法律家の主張は、漢字選定のための調査結果によって、人名漢字表の範囲に入った漢字であるならば、たとえそれがどんな漢字であっても例外を作らずに入れるべきだ、というもので、それに対して、研究者たちの意見は、人名に用いるとは到底考えられない漢字を入れることはおかしい、はずすべきだ、というものである。
漢字1字であっても、立場が異なればとらえ方が全く違うという現場のやり取りを披露された(最終的には人名漢字表に入らなかった)。
学内外から40名以上の参加があり、質疑応答でも活発なやり取りが行われ、時間を少しオーバーするほどの意見交換が行われた。
ひとつ興味深いことに、例年、言語文化セミナーには、女性の参加者が多いのだが、今回は、なぜか男性の方が多く、現代においても、やはり、漢字は「男手」なのだろうか、という感想をいだいた研究所である。

関連:LCりぽーと34号

第19回 「ケータイメール−ハイブリッドなことばたち−」 平成22年度(2010年度)
三宅 和子氏(東洋大学教授)
まず、若者が実際にどのようなメールをやり取りしているのか、その表現や表記の紹介がありました。若者のメールに絵文字や顔文字、記号など、規範から逸脱した文字が多用されているのは、規範をはずすことにあくなき情熱をもち、それによって自己主張をするとともに、仲間と何かを共有したがっているからだとの指摘でした。 また、女子大学生同士でやり取りされた実際のメールの解説では、相手の内容に対して応答があったりあいづちが打たれたりと、まるで対面の会話をしているような速さとリズムがあるとのことでした。このように、若者のメールは、書きことばでありながら「メール会話」であり、書きことばの常識を破っている、さらには、話しことばをも超えているとして「超言文一致体」と名づけられました。  中高年齢層がケータイメールをおもに連絡の手段として使っているのとは違い、若者たちにとっては、他人と関係を築き親しくなるためのツールだとされました。物理的には離れているけれど、バーチャルに対話をしている若者は、心地よいケータイメールでの会話に慣れてしまうことによって、直接的なコミュニケーションが苦手になっていくのではないかと危惧されていました。  LC倶楽部会員の方や大学院生など32名のご参加があり、質疑応答も活発なやり取りがなされました。
関連:LCりぽーと31号

第18回 「ことわざの多様性」 平成21年度(2009年度)
      「第21回ことわざフォーラム」として、ことわざ学会と共催
武田 勝昭氏(和歌山大学教授)
「肉」といえば「牛肉」?「豚肉」?。「豚まん」と言うの?「肉まん」という? 縁日で売っているのは「綿菓子」?「綿あめ」?などなど、食べ物のことばには、東日本と西日本とでその呼び名が異なるものがいくつかあります。さまざまな調査結果をもとに、食べ物のことばにはどのような地域差・年代差があるのか、また、なぜそのような差がうまれたのかのなぞに迫ってお話しくださいました。学外からは約40名の参加者がありました。
関連:LCりぽーと28号

第17回 「ことばの地域差・年代差―「食べ物」のことばを中心に―」 平成20年度(2008年度)
塩田 雄大 氏(NHK放送文化研究所 専任研究員)
「肉」といえば「牛肉」?「豚肉」?。「豚まん」と言うの?「肉まん」という? 縁日で売っているのは「綿菓子」?「綿あめ」?などなど、食べ物のことばには、東日本と西日本とでその呼び名が異なるものがいくつかあります。さまざまな調査結果をもとに、食べ物のことばにはどのような地域差・年代差があるのか、また、なぜそのような差がうまれたのかのなぞに迫ってお話しくださいました。学外からは約40名の参加者がありました。
関連:LCりぽーと28号

第16回 「J-POPと日本語〜歌はことばにつれ」 平成19年度(2007年度)
沢木 幹栄 氏(信州大学教授)
J-POPを歌うサザンの桑田佳祐、小柳ゆき、小田和正やジュディマリのYUKIを題材に、実際に曲をかけながら、歌詞の発音について二つの視点からお話しくださいました。 一つは、日本語と英語が混在する歌詞では、日本語の発音が英語っぽくなることについて。これは、日本語の発音を英語に近づけると、日本語と英語とのつなぎ具合に不自然さが減るためではないか、という解釈でした。 もう一つは、最近の曲は50年前とは逆で、歌詞のリズム構造にメロディーのリズム構造が従属している点について。リズム構造を変えないために、発音の方法が変えられていることを、歌詞を示しながら解説してくださいました。 学外からは約50名の参加者があり、みなさんアンケートに感想をビッシリ書いてくださいました。

第15回 「気になりますか、この言葉?」 平成18年度(2006年度)
小矢野 哲夫 氏(大阪外国語大学(現 大阪大学)教授)
最近の気になる日本語、「よろしかったでしょうか」「〜のほう」「大丈夫ですか?」「〜しづらい」「スルーする」「〜のが」などを取り上げて、なぜ使われるのか?、これからどうなっていくのか?といった点について分析をしてくださいました。学外からは、約50名の参加者があり、教室はほぼ満席。小矢野先生の熱の入ったお話は、“小矢野ワールド”と呼ぶにふさわしいもので、日本語の面白さを堪能した時間となりました。

第14回 「関西伝説 ことばの七不思議」 平成17年度(2005年度)
河合 真美江 氏(朝日新聞大阪本社 生活文化部記者)
あめちゃん、蚊にかまれる、マルペケ、まんまんちゃんあん、ウンコちゃん、ぼんさんがへをこいた、あーややこややせんせいにゆうたろ、(相手のことを)自分…などなど。
関西で生まれ育った人間にとっては当たり前のことば。しかし、関西以外の人にとっては「??」なことばを取り上げ、参加者の皆さんを巻き込んでの大論争になりました。
関連:LCりぽーと21号

第13回 「外来語とどう付き合うか」 平成16年度(2004年度)
    「第23回ことばフォーラム」として、国立国語研究所と共催。    
相澤 正夫 氏(国立国語研究所研究員,外来語委員会委員)/陣内 正敬 氏(関西学院大学教授,外来語委員会委員)
激しい勢いで日本語に入ってくる外来語。現代に生きる上で外来語とどう付き合っていけばよいのか、身近な話題から行政の問題まで幅広く取り上げ、外来語委員会委員の立場からお話しくださいました。
関連:LCりぽーと19号

第12回 「平成カタカナことば事情」 平成15年度(2003年度)
道浦 俊彦 氏(読売テレビアナウンサー)
私たちの生活の中にあふれている「カタカナことば」。
放送の仕事に携わっていらっしゃる氏のご経験を通して、その問題点や改善すべき点などを、
さまざまな視点からお話しくださいました。
関連:LCりぽーと18号

第11回 「ことわざと比喩」 平成14年度(2002年度)
      「第14回ことわざフォーラム」として、ことわざ研究会と共催
中村 明氏(早稲田大学)他
午前中の研究発表、午後の古典芸能(筑前琵琶)、シンポジウムと盛りだくさん。
発表者・パネラー各氏が、それぞれにことわざの持つ面白さ、奥深さにつてい解説、紹介。
アンケート調査あり、いろはカルタあり、アンデルセンありと、ことわざを様々な角度から切り取って発表。
関連:LCりぽーと15号

第10回 「落語の表現とユーモア」 平成13年度(2001年度)
野村 雅昭氏(早稲田大学)
落語のビデオを使い、その表現を通して、おかしさの仕組みを分析。対象の落語は、古今亭志ん朝が演じる『火焔太鼓』。その話術に潜むユーモアを話体のレトリックとして解説。
関連:LCりぽーと14号

第9回 「心を伝える諺」 平成12年度(2000年度)
武田 勝昭氏(和歌山大学)
ことわざが論理と気持ちの両面を兼ね備えたものとして、私たちの生活の中で生き続けていること、若い人たちにも密接なかかわりを持っていることを指摘。

第8回 「話しことばの将来」 平成11年度(1999年度) 学院創立60周年記念シンポジウム
宮地 裕氏(大阪大学名誉教授) 真田 信治氏(大阪大学)
敬語の使い分けも、方言と標準語の使い分けも、上下関係から水平関係に基づくものへと移っていくだろうという予測が示される。そして話しことばを無自覚にではなく、意識して使っていくことが大切だと指摘。
関連:LCりぽーと11号

第7回 「ことば、女と男のあいだ」 平成10年度(1998年度)
遥 洋子氏(女性学研究者・タレント)
本学の小松満貴子先生や東京大学の上野千鶴子先生のもとでの研究成果を、タレントとしての視点から説明する形式で講演。
関連:LCりぽーと9号

第6回 「敬語はことばだけか?」 平成9年度(1997年度)
杉戸 清樹氏(国立国語研究所)
「言語行動としての待遇表現―敬語はことばだけか?」という題目で講演。敬語の問題が、単にことばだけにとどまらず、より広い言語行動の問題として捉えられると解説。
関連:LCりぽーと7号

第5回 「愛される漢字、嫌われる漢字」 平成8年度(1996年度)
樺島 忠夫氏(神戸学院大学)
「なぜ日本人は漢字を捨てなかったか」という題目で講演。日本人は、漢字によって、意味を伝えるだけでなく、自分の気持ちや言葉のニュアンスまでをも表記に表したいという強い欲求を持っている国民であると指摘。
関連:LCりぽーと6号

第4回 「いまどきの“女らしさ”」 平成7年度(1995年度)
寿岳 章子氏(国語学者)
女らしくありたいと願う女子大生の意識に対して、女らしさの本質をきちんと認識し、自立した女性を目指すことの重要性を、ご自身の体験を踏まえて講演。
関連:LCりぽーと3号・5号

第3回 「女子大生ことば」 平成6年度(1994年度)
小矢野 哲夫氏(大阪外国語大学) 米川 明彦氏(梅花女子大学)
大学生が仲間内で使用している、いわゆる若者ことばの状況について解説。また、なぜそのような表現を用いるのかといった、心理的な背景にも言及。
関連:LCりぽーと2号

第2回 「阪神間における言語の動態」 平成5年度(1993年度)
真田 信治氏(大阪大学)
若者を中心に、方言と標準語がミックスされた「ネオ方言」(新しい方言)が広がっている事実を指摘、解説。例えば「来ない」の場合、関西では、標準語の「コナイ」の影響を受けて「コーヘン」が広まっているなど。

第1回 「話し言葉におけるポーズの役割」 平成4年度(1992年度)
杉藤 美代子氏(大阪樟蔭女子大学)
話し言葉において、ポーズ(間)がどのような役割を担っているかについて講演。ポーズは、話し手にとっては生理的な吸気の時間であり、聞き手にとっては知能処理の時間であることを説明。


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