武庫川女子大学 建築学科・大学院建築学専攻
 大学院建築学専攻 建築設計実務I トルコ・バフチェシヒル大学における海外実習 

Inter Cultural Studies of Architecture in Istanbul
2010

2010年9月23日(木)〜10月9日(土)

 建築学科は「6年制の欧米型建築家教育」を実践し、6年一貫の大学院JABEEや「世界建築家教育基準」に適合する教育を実施しています。これによって世界の多様な生活や文化などに深い洞察のある人格を養い、グローバルで国際的な活躍ができる建築家を育成します。この教育の一環として、2008年12月に締結したトルコ・バフチェシヒル大学との間の一般交流協定に基づき、2010年9月23日(木)〜10月9日(土)の17日間、修士1年生11名が建築設計実務Iの授業の一環としてトルコ・バフチェシヒル大学を訪れ、バフチェシヒル大学の企画の下で保存修復関連の実務訓練を行いました。10月29日は実習の報告会を西ホールで実施しました。

  引率教員:柳沢准教授、森本助手

>>9月23日〜9月30日
トルコ海外実習報告会
2010年10月29日(金)17:00〜18:30
トルコ海外実習報告会 学生の発表の様子
 2010年9月23日(木)〜10月9日(土)の17日間に渡って行われた、建築設計実務 Iトルコ海外実習(ICSA in Istanbul 2010)の報告会が開催されました。会場には、参加した修士1年生の学生たちによるトルコの建築や風景のスケッチ、毎日の実習日誌、さらにはその実習日誌の一部を拡大したパネルやその日の出来事を写した写真が展示されました。そして17日間の出来事を綴ったパワーポイントのスライドを使って、一人一人順番に海外実習の日々の様子や感想を発表しました。学生たちの真剣に実習に取り組んだ様子や、異文化に触れた新鮮な驚きや楽しさ、言葉の壁を越えようと必死に試行錯誤した様子などがよくわかりました。その後、参加した学生たちが全員前に出て、会場と質疑応答が交わされました。「トルコの文化と日本の文化の共通すると思うところがあれば教えて下さい」「トルコの文化で日本に取り入れたいところはどこですか」「トルコならではの空間の特徴はどこですか」など多くの質問が会場から寄せられ、報告会は盛況のうちに終了いたしました。
会場 
パネル展示
学生が作成した実習の内容を紹介するパネル
参加した学生たちが会場と質疑応答を交わす
参加した学生たちが会場と質疑応答を交わす
トルコ海外実習15日目
「ICSA in Istanbul 2010 スケッチ展」
2010年10月8日(金)
スケッチ展の準備の様子 
会場は、大学内にある古い貯水槽を改修したカフェ
日本文化研究センターの展示替え
皆で協力し合って行う
学部長代理のオゼン先生のご招待でレストランで昼食 学生代表が、今回の海外実習の感想と御礼を英語で述べる
バフチェシヒル大学 建築学部長のアフメット先生の挨拶で、スケッチ展がスタート
柳沢准教授が、本学科のカリキュラムとICSA in Istanbulでの実習内容について説明
学生代表のスピーチの様子
スケッチ展を見に来ていただいたバフチェシヒル大学の方々にトルコの印象や実習の印象を英語で発表
学生代表が、今回の海外実習でお世話になったムラト先生、シネム先生にお礼を述べ、プレゼントを渡す
 いよいよ本日はトルコ海外実習最終日です。まず午前中は、午後に行うスケッチ展の会場準備を行うとともに、6月にオープンした日本文化研究センターの展示品の入れ替え作業を行いました。お昼には、学部長代理のオゼン先生とともに昼食会を行いました。学生の代表者が、今回の海外実習に対して英語で御礼の挨拶をしました。午後はスケッチ展を開催しました。今回の海外実習では、土・日を中心としてトルコの数多くの歴史的建築物を見学してきました。そこで描いてきたスケッチを、多くのバフチェシヒル大学の方々に見ていただきました。あわせて学生の代表者が、トルコの印象や実習の印象を英語で発表しました。はじめてトルコを訪れた学生たちが新鮮な印象で描くスケッチは、トルコの方々にかなり好評でした。ICSA in Japanに参加したトルコの学生8名も駆けつけてくれ、この貴重な一時を楽しむとともに、お互いに別れを惜しみました。本当に充実した海外実習となりました。スケッチ展終了後、すぐに空港に向かい帰国の途につきました。
トルコ海外実習14日目
「ゼイレック地区他の木造住宅見学、オスマン帝国文化史講義」
2010年10月7日(木)
ゼイレック地区の見学 
この辺りには老朽化した伝統的木造住宅が残っており、クデッブによる保存修復計画が進められる
ゼイレック地区という名の由来となったゼイレックジャーミィ
ビザンツ時代に修道院として建立されたが、モスクに改修されている。現在、修復中
ゼイレックハーネを見学
12世紀にできたゼイレックジャーミィの僧坊だったところで、1998年に改修されてレストランになっている。
ゼイレックハーネの内部をスケッチする様子
シュレイマニエ・ジャーミィ横の建築家シナンのお墓を見学 シナン自身の設計
シュレイマニエ地区のクデップが保存改修した住宅群を見学する
シュレイマニエ地区にも老朽化した伝統的な木造住宅が数多く点在する。現在も人が住んでいる シュレイマニエ・ジャーミー
現在、修復中のため、内部は見学できなかった
大学横でイスタンブール名物の鯖サンドを昼食に食べる
スケッチ展の準備の様子 
今回の海外実習では、トルコの歴史的な建築物も数多く見学しました。そのスケッチを明日、バフチェシヒル大学の方々に見ていただきます。バフチェシヒル大学のスタジオの一部を貸していただきました。
スケッチ展の準備の様子 スケッチ展の準備の様子
バフチェシヒル大学の非常勤講師で美術史・建築史を専門としておられるジラルデッリ青木美由紀先生に、
オスマン帝国の西洋化のプロセスに関わる文化史講義をいただく
大学のテラスにて、青木先生を囲んでチャイを飲みながらお話を聞く。先生のトルコでの生活の様子やトルコ語を勉強するときのコツなどを教えていただく 大学のカフェで夕食
 本日はまず昨日のクデッブにおける実習をうけ、保存修復の重点地区であるゼイレック地区とシュレイマニエ地区の伝統的木造住宅建築を見学しました。昨日は修復中の現場と修復完了後の建物を見ましたので、本日は、人々がまだ生活している修復前の建物を中心に見て回りました。途中、ゼイレックハーネという名のレストランで休憩をとりました。そこは12世紀にできたゼイレックジャーミィの僧坊だったところで、1998年に改修されてレストランになっています。そこでスケッチをしました。午後は大学に戻り、明日のスケッチ展の準備をしました。その後、バフチェシヒル大学の非常勤講師で美術史・建築史を専門としておられるジラルデッリ青木美由紀先生に、オスマン帝国の西洋化のプロセスに関わる文化史講義をいただきました。「建築」や「美術」という言葉のトルコ語における語源、19世紀の万国博覧会に対するオスマン帝国の対応、18世紀以降におけるオスマン帝国とヨーロッパの間の文化の相互影響の様子、ミマール・シナン時代における建築の職人組織と西洋化におけるその変化の様子、同時代の日本の状況、特に伊東忠太の世界建築観などについて説明をいただきました。最後に「今回皆さんがトルコで経験したことが、大きな世界の枠組みの中でどこに位置しているのかということを、時々で結構ですので考えていただけたらと思います」という言葉をいただきました。その後、大学屋上のテラスでチャイを飲みながら、青木先生を囲んでの茶話会を行いました。先生のトルコでの生活の様子やトルコ語を勉強するときのコツなどの話題で盛り上がり、学生たちは大いに刺激を受けていました。
トルコ海外実習13日目
「クデッブにおける保存修復実習」
2010年10月6日(水)
木造住宅やジャーミィ、橋、城壁など主として宮殿以外の建築の保存修復を手掛けるクデッブを訪問 クデッブの活動内容についての説明を受ける
工房での実習の様子 経験豊かな大工さんに指導を受ける
約180年前の玄関扉の修復
腐食を食い止める工程の一つとして、表面塗装をドライヤーで熱してヘラではがす作業を見せていただく
ドライヤーとヘラを使って表面塗装をはがす作業を体験
約200年前の玄関扉の修復の説明を受ける。
この玄関扉はユネスコから修復するように申し入れがあったものとのこと
トルコにおける基本的な継ぎ手の一つの加工模型。日本の蟻継ぎと同じ形。
クデッブが保存修復を手掛けた木造建築には、
玄関横に金色のプレートが貼られている
昼食の様子
クデッブが修復を手掛けた木造住宅を見学 鶯色の住宅がクデッブによる修復事例の一つ
トルコの伝統的な住宅は、上階部分が前に張り出す。この部分をジュンバと呼ぶ。
工房に戻る
扉と同種の木材を削り、ボンドをつけ、虫食い穴に叩き込む。ボンドが硬化した段階で、余分な木材を切り取る
約200年前の玄関扉の虫食い穴を、楊枝のような木材で埋める作業を体験。写真は穴にあわせて木材を削っている
現在修復中の窓枠の説明を受ける トルコでの鉋の使い方を見せていただく。トルコでは鉋を押して使用する。日本では鉋を引いて使用する。
実際に鉋で木を削る体験
クデッブの工房で保存修復技術を学ぶ専門学校の学生に、お手本を見せていただく トルコ独特の大工道具の使い方を見せていただく。写真はR面を削るための鉋
保存修復技術を学ぶ専門学校の学生たちとも
仲良くなりました
クデッブ内にある研究室の一つ。
材料の腐敗理由を調査して、修復対象建物の診断を行う。
クデッブが手掛けている現在進行中の修復現場を見学
現場見学の様子
この木造建築は19世紀末のもので、店舗付き住宅として使用されていた。改修後は図書館となる
設計を担当されている建築家の方から、修復のポイントについての説明を受ける。
クデッブが手掛けた修復事例を見学
この建物は現在、市のオフィスとして使用されている
修復が完了し、現在は市のオフィスとして使用されている木造建築の内部を見学
建築家の方から、この木造建築の修復プロセスの説明を受ける
お世話になったクデッブの方に、御礼のくすだまを手渡す
ホテル近くのイスティクラル通り。多くの店が立ち並び、常に歩行者天国となっている。夕食へと向かう
夕食の様子
 本日はイスタンブールの市の組織で、木造住宅やジャーミィ、橋、城壁など主として宮殿以外の建築の保存修復を手掛けるクデッブKUDEBにて実習を行いました。クデッブは2006年に設立されました。その活動内容は、できるだけオリジナルの部材やデザインを大切にするという方針のもと、1.世界遺産であるイスタンブール歴史地区に属するシュレイマニエ地区やゼイレック地区などに存在する伝統的木造住宅の保存修復(設計から現場監理まで。民間業者の指導等も行う。)、2.研究室における歴史的建造物の材料の特徴分析および報告書の発行、3.ゼイレック地区などに住む住人(特に子どもたち)、保存修復関連の専門学校の学生、保存修復を手掛けるプロの大工などを対象とした教育活動などがあり、非常に多くの側面から総合的にイスタンブールの歴史的建造物の保存修復活動に取り組んでいます。まずはクデッブの概要について説明を受けました。その後工房へ行き、木製建具の修復の見学と体験を行いました。大工さんの指導のもと、約180年前の玄関扉の表面塗装をドライヤーではがす作業、約200年前の玄関扉の虫食い穴を埋める作業、トルコの鉋で木を削る作業を体験しました。また現在進行中の修復現場も見学しました。それは19世紀に建てられた店舗付き木造住宅で、改修後は図書館として利用されるとのことです。担当建築家の方に説明をいただきました。改修が完了した建物もあわせて見せていただき、改修中と改修後の比較もできました。
トルコ海外実習12日目
「ソロズの歴史的木造住宅建築の見学」
2010年10月5日(火)
お世話になったイズニックタイルの工房の方にお礼を述べ記念撮影 プレゼントを交換
イズニック財団のゲストハウスにおける朝食の様子 バス移動の途中で、イズニック湖の湖畔にて休憩を取る
イズニック湖の南岸にあるソロズという小さな町の歴史的木造住宅建築
ソロズはオリーブ畑で囲まれており、もうすぐ収穫期を迎えるとのこと。頻繁にトラクターが行き来していた。
この木造住宅建築について説明を受ける。
ジュマールクズクでも見られたようなトルコの伝統的な住宅建築の構成だが、4階建てという大規模のものは非常に珍しい。少なくとも築150年以上と言われ、木造軸組みを基本としているが、下部は自然石の組石構造を組合せ、上部は煉瓦を積み上げて壁を構成している。
当初は養蚕のための建物として作られた。
第一次世界大戦時にはギリシャ軍の病院として接収されたため戦火を免れ、戦後、住宅として使われるようになった。家主さんのご厚意で、内部に入れていただく。
木造住宅の内部の見学。写真は1階の玄関部分
吹き抜けとなっており2階の床も見える。1、2階と4階は今は使用されていないが、3階は今でも人が住んでいる。階段や床がゆがんでおり、今にも崩れそうな感じだったが、1999年のイズミット地震の時も大丈夫だったとのこと。
木造住宅の2階部分
かつて使用していた家具がそのまま置かれている
木造住宅の2階部分
左側には玄関の吹き抜けが見える
木造住宅の4階部分 小屋組が見える。柱から放射状に方杖が出て、棟木や登り梁を支える。
木造住宅の所有者の方から説明を受ける。
この住宅は昔、子どもたちに相続されたため、現在でも親戚による共同所有とのこと。
木造住宅をスケッチ
スケッチの様子
バスの運転手さんも学生のスケッチをのぞく。
住宅下層部の自然石を積み上げた壁
住宅上層部の煉瓦積みの壁
エントランスは二つある。側部分は娘に相続された。今は人は住んでいない。左側部分は息子たちに相続された。現在でも3階には人が住んでいる。
木造住宅裏側 裏側には庭があり、写真下部には塀の屋根が見える。ここでオリーブの収穫のために出稼ぎにきた労働者が20人ほど、約1カ月間共同生活を送る。
■木造住宅見学後のコメント
森本助手のコメント
「継ぎ手や仕口がなく木部材は鉄釘で接合されており、壁がすべて煉瓦や石でできている。とにかく驚きました。」

学生のコメント
「木造という建物に対して私がもつイメージとはかけ離れており、巨大で圧倒されました。」
「中を見せて頂いた時、階段や床が曲がっていましたが、現在も住まわれている人がいることに驚きました。」

バフチェシヒル大学ムラト先生のコメント
「日本人の学生たちがたくさん来たことで、町の人たちが喜んでいました。」

山の上からソロズの町並みを望む。向こうにイズニック湖があり、周辺はオリーブ畑で囲まれる。町の中心にはジャーミィがある。写真の左に見学した木造住宅が見える。
イスタンブールへ戻る途中で昼食を取る マルマラ海をフェリーで渡る 
フェリーは24時間就航している
ホテルへ向かう途中、トルコのスーパーマーケットに寄る
 本日はイズニックからイスタンブールへ戻る途中、イズニック湖の南岸にあるソロズという小さな町の木造住宅建築を見学しました。この建物は少なくとも築150年以上と言われ、木造軸組みを基本としていますが、下部は自然石の組石構造を組合せ、上部は煉瓦を積み上げて壁を構成しています。2日に見学したジュマールクズクでも見られたようなトルコの伝統的な住宅建築の構成ですが、4階建てという大規模のものは非常に珍しく、建築関係者から注目されている建物です。当初は住宅ではなく養蚕用の建物だったそうですが、その後の第一次世界大戦中はギリシャ軍の病院として使用されました。そのためギリシャ軍が撤退する時に、周辺の多くの建物は焼かれてしまいましたが、この建物は被害を免れたそうです。戦後、この建物所有のご家族が戻ってこられ、戦争で家が無くなってしまったためこの建物を住宅として使用し始め、現在に至っています。家主さんのご厚意で、住宅内部も見学させていただきました。階段や床がゆがんでおり、いまにも崩れそうな感じでしたが、1999年のイズミット地震の時も大丈夫だった、とのことでした。外観をスケッチしたり、部材の大きさを実測したりしながら、この歴史的な木造住宅建築の構成を学びました。
トルコ海外実習11日目
「イズニックタイルの実習」
2010年10月4日(月)
田園風景のパノラマの中、イズニックまでバスで移動する
イズニックの街中で昼食をとる
街外れにあるイズニック財団の工房に到着 工房の方に挨拶をし、施設内の見学とイズニックのタイルや陶磁器の製作過程を説明していただく
タイルや陶磁器を焼くための伝統的な窯
燃料に大量の薪を使用するため、現在は使われていない。下部に焚口があり、成形した粘土を上部のオーブンに入れ、1週間かけて焼き上げる。左側は釉薬用の窯。
タイルを成形する工程の見学。粘土を型に入れ、上から叩きながら空気を抜いて成型する。
成型したタイルを1週間乾燥させたものを、焼き上がりのサイズの23.5cm角になるように研磨する
絵付けの元となる図案
この紙には絵の線に沿って細かく孔が開いている
木炭の粉を使って図案を器に転写する
図案を転写した器 転写した線の上を、小筆を使って黒色顔料で丁寧になぞっていく
着色の工程を見学
12cm角のイズニックタイルの絵付けを体験 筆を使って、転写した図案を黒色顔料でなぞる方法を工房の方に見せていただく。工房の方が描く生き生きとした線に、学生たちは驚く。
下絵が仕上がった後、工房の方に着色の方法を教えていただく
学生の着色の様子 イズニックの赤を塗る
学生たちの作品

以下、学生たちの感想です。
「一つ一つの作業が細かく、一つのタイルを作るのに非常に長い時間がかかるので、(ジャーミィなどの)壁一面を埋めているタイルは、とても大変な作業なのだとわかりました。」
「細かい作業が多く、タイル作りの大変さを実感しました。」
「筆の使い方が難しく、黒で線画を描く時が一番難しく感じました。色付けの時と焼いた後の色は異なるので楽しみです。」
「木炭の点を筆でなぞり、線画を描いていくのが予想以上に難しかったです。太くなったり、玉になったり、上手くすべらなかったりと、四苦八苦でした。たった12cm角なのに、かなり時間がかかり、一本一本神経を集中させて書かないとすぐにおかしくなるので大変でした。〜少しですが、イズニックタイルを学ぶことができ、とても楽しかったです。」
「(工房の方に指導をいただき)言葉ははっきりとはわからないけれども、フェイストゥーフェイスでジェスチャーで伝えていただきました。1枚1枚作っていく作業の大変さ、でもだからこそでる美しさを少し知ることができた気がします。」
イズニック財団のゲストハウスにおける夕食の様子
 本日はバスでイズニックへと移動し、イズニック財団で実習を行いました。トプカプ宮殿や様々なジャーミィを飾るイズニックタイルはオスマン帝国時代の16世紀に最盛期を迎え、その後、その歴史や技術は絶えてしまいました。イズニック財団は、そうしたイズニックの復興を目的として1993年に設立されました。トルコのトゥビタクと呼ばれる研究機関やアメリカ・プリンストン大学などとの共同研究により、イズニックタイルの16世紀の技術が復元されました。現在は、工房で世界各地から届く注文品を製作するとともに、教育プログラムなどを実施しています。まずは窯や工房の見学を行い、石英を使ったイズニックのタイルや陶磁器の製作過程の概要を学びました。そして工房にて、12cm角のタイルの絵付けを行いました。木炭を使って図案をタイルに転写した後、筆を使って黒色顔料でその転写の線をなぞります。その後、青、赤、緑などイズニック特有の色つけを行います。工房の方々に指導をいただきながら、作品を完成させました。この日はそのまま、イズニック財団のゲストハウスに泊まりました。
トルコ海外実習10日目
「イスタンブール見学」
2010年10月3日(日)
ミヒリマッハ・スルタン・ジャーミィを見学する。
ミマール・シナン設計でシュレイマン大帝の娘ミヒリマッハのために作られた。
ミヒリマッハ・スルタン・ジャーミィ内部。プロポーションや模様が女性的と言われる
ヴァレンス水道橋を見学。ビザンツ帝国時代の4世紀に建設された。今はアーチの下を幹線道路が通っている。
エユップ・スルタン・ジャーミィの中庭で説明を受ける。預言者ムハンマドの弟子エユップが祀られており、イスラム教徒にとって重要な聖地である。多くの巡礼者が訪れる。
ロープウェイにのってピエール・ロティへ向かう ピエール・ロティの展望台
ピエール・ロティのカフェからの眺め
イスタンブールをこよなく愛した19世紀末のフランス人作家ピエール・ロティにちなんだ名前
ピエール・ロティのカフェにて昼食 ラハミム・コチュ博物館
かつて造船所だった建物を博物館に改修しており、トルコにおける建物改修の好例として知られる。
イェニジャーミィ イェニジャーミィ内部
「新しいジャーミィ」という意味で17世紀に完成
エジプシャンバザール
この市場がエジプトからの貢物を集めて設営されたことからエジプシャンバザールと呼ばれている。別名、スパイスバザールとも呼ばれる。
リュステム・パシャ・ジャーミィ入口
リュステム・パシャ・ジャーミィは多くの人々が集う市場に面して入口があり、階段をのぼった2階に造られている。
リュステム・パシャ・ジャーミィ前庭 市場の喧騒が嘘のような、別世界が用意されている。
リュステム・パシャ・ジャーミィ内部。
リュステム・パシャはシュレイマン大帝の宰相で、午前中に見たミヒリマッハの夫。この建物はミマール・シナンの設計で、礼拝の方向を示すミフラーブには「いのちの木」のデザインのイズニックタイルが使われている。
ガラタ橋 多くの人が魚釣りをしている ガラタ塔 
灯台、監視塔、牢獄、天文台など様々な用途で使用されてきた。高さ67mで新市街のランドマーク
ガラタ塔からイスタンブール歴史地区の夜景を眺める
 本日は9月25日(土)に引き続きイスタンブールを見学しました。まずはミマール・シナン設計でシュレイマン大帝の娘ミヒリマッハのために作られたミヒリマッハ・スルタン・ジャーミィを見学し、そして4世紀に建設されたヴァレンス水道橋を見学した後、金角湾の奥に位置するエユップに行きました。メッカやメディナなどに次ぐイスラム教の聖地であるエユップ・スルタン・ジャーミィを見た後、ロープウェイで移動して、フランスの小説家の名前がつけられているピエール・ロティを訪れました。また、トルコにおける建物改修の好例として、かつては造船所だった建物を博物館に改修したラハミム・コチュ博物館を見学しました。その後エミノニュへ行き、「新しいジャーミィ」という意味を持つイェニジャーミィ、そのイェニ・ジャーミィを維持するために作られたエジプシャンバザール、ミマール・シナン設計で午前中に見たミヒリマッハの夫のリュステム・パシャによるリュステム・パシャ・ジャーミィを見学しました。その後歩いてガラタ橋を渡り、ガラタ塔に登ってそこから見える360度のイスタンブールの夜景を堪能しました。
トルコ海外実習9日目
「ブルサ見学」
2010年10月2日(土)
イスタンブールからブルサへ 
途中でマルマラ海をフェリーで渡る
今夏、来日したトルコの学生の故郷・ブルサへ
一緒に見学にいきます
約700年の歴史を持つ伝統集落のジュマールクズクの説明を受ける
この集落はあるドラマがきっかけで広く一般の人にも知られ、観光客も多く訪れる
集落内の住宅は中庭を持ち、自然石の組石構造の壁の上は、木造で土壁で覆われた居住スペースという構成
土壁の下地には煉瓦などが使われている
建物の上階が張り出しているのは、外に出ることの出来なかったイスラムの女性たちが、通りの様子を眺めやすいように工夫されたためである
ジュマールクズクで昼食 トルコの伝統料理の一つギョズレメ(チーズやひき肉の入ったクレープ)を食べる。
ピリンチ・ハンの説明を受ける ピリンチ・ハンはかつての隊商宿で、現在はカフェテラスなどに使われている。
ウル・ジャーミィの裏手に広がるバザール(カバル・チャルシュ)の見学 古くからある建物は、ベデステンと呼ばれる小さなドームが連続したアーケードで覆われている ウル・ジャーミィの内部をスケッチ
20個ものドームを持つセルジューク様式のモスク
着工から1421年の完成までに40年の歳月を費やした
コザ・ハン
コザ・ハンは1490年に建てられた隊商宿で、かつて繭の取引が盛んだったことから、トルコ語で繭を意味するコザの名が付く。現在もシルクを扱った商店が並ぶ。
イェシル・テュルベ
イェシル・テュルベとは「緑のお墓」という意味
メフメット1世とその家族が眠る廟。美しいターコイズブルーの外装タイルに覆われた外観を持つ。
イェシル・ジャーミィ
イェシル・ジャーミィは「緑のジャーミィ」という意味 1424年に建てられた初期オスマン調の寺院建築の傑作
イェシル・ジャーミィの内部
内部は名前の由来となったライトグリーンのタイルで装飾されている。現在は3年がかりで改修中。
 本日はオスマン帝国最初の首都であるブルサを見学しました。まずはじめに約700年の歴史を持つ伝統集落のジュマールクズクを見学しました。この集落は最近10年ほどの間に注目されるようになり、今では建物の保存修復も多く行われています。迷路のような街路を散策し、ヒューマンスケールでどこか懐かしい感覚を覚えるその空間を味わいました。その後、ブルサの中心市街へと移動し、中庭のカフェに多くの人々が集う隊商宿のピリンチ・ハンやコザ・ハン、多くの店が集まるバザール(カバル・チャルシュ)、エディルネのエスキジャーミィと同時代のもので「大きい」という意味を持つウル・ジャーミィ、「緑のお墓」という意味を持ちメフメット1世が眠るイェシル・トュルベ、「緑のジャーミィ」という意味のイェシル・ジャーミィを見学しました。ICSA in Japanを経験したブルサ出身のトルコの学生に道案内をしていただきました。
トルコ海外実習8日目
「ガラスアトリエにおける実習その2、ドルマバフチェ宮殿内の展示見学」
新着
2010年10月1日(金)
セマゼンというメヴレヴィー教団の信者を形取ったガラス細工の製作の様子を見学する
スカートをはいた信者が音楽にあわせて、くるくると回転し踊る姿をガラス細工の人形で表現している トルコ語でボンジュウと言う、ガラス玉のアクセサリーの作り方の説明を受ける
ボンジュウの製作実習 ガラスの棒をジェットバーナーを使いながら溶かしていく
ボンジュウの製作実習 
ボンジュウ 学生たちの作品 
チェシュミ・ビュルビュルの花瓶 
チェシュミ・ビュルビュルは宮殿で用いられた模様
チェシュミ・ビュルビュルの製品をスケッチ
トルコの伝統的なお守りであるナザール・ボンジュウ
いろいろな形がある
工房での昼食
ナザール・ボンジュウを作る伝統的な窯を見学
イブリキと呼ばれる伝統的な水差しの製作過程の見学 毎日送り迎えをして下さるバスの運転手さんとの交流
ドルマバフチェ宮殿内の市民ギャラリー 外観
建物はオスマン時代の台所を改修したもの
ドルマバフチェ宮殿内の市民ギャラリー 内部
細密画の見学 ハットゥと呼ばれる書
バフチェシヒル大学 150年前に造られた貯水槽を改修したカフェでスケッチ
 本日も昨日に引き続き、イスタンブールのシレという街にあるガラスアトリエ The Glass Furnace で実習を行いました。まずはトルコの代表的な伝統文化の一つであるメヴレヴィー教団に関わるセマゼン と呼ばれるガラス細工の製作の様子を見学しました。次に工房の方のサポートのもとでジェットバーナーを使い、ボンジュウと呼ばれるガラス玉のアクセサリーを製作する実習を行いました。スチールの棒を回転させながら、そこにガラスを溶かして巻きつけていきます。最近ではこの方法で、トルコの伝統的なガラス細工であるナザール・ボンジュウも製作されます。また、ナザール・ボンジュウを製作する昔ながらの窯や、イブリキと呼ばれる伝統的な水差しの製作の様子も見学しました。
 午後はイスタンブール中心地へ戻り、ドルマバフチェ宮殿内の市民ギャラリーを見学しました。オープンに向けて展示準備中でしたが、特別に見せていただき、そこではユルドゥズ宮殿の工房で描かれた細密画、書、エブルと呼ばれるマーブル模様の絵画などが展示されていました。その後バフチェシヒル大学へ行き、150年前に造られた貯水槽を改修したカフェを見学しスケッチを行いました。
>>9月23日〜9月30日
■滞在したホテル
ホテルの前の通り青い看板がホテル ホテルの客室内
ホテルのロビー 客室からの風景
■スケジュール

9/23

関西国際空港出発

9/24

イスタンブール到着

バフチェシヒル大学訪問

9/25

イスタンブール歴史地区 見学

9/26

エディルネ見学

9/27

ユルドゥズ宮殿の工房における保存修復実習 その1

9/28

ユルドゥズ宮殿の工房における保存修復実習 その2

9/29

ドルマバフチェ宮殿における保存修復現場の見学

9/30

ガラスアトリエにおける実習 その1

10/1

ガラスアトリエにおける実習その2

ドルマバフチェ宮殿内の展示見学

10/2

ブルサ見学
10/3 イスタンブール見学
10/4 イズニックタイルの実習

10/5

ソロズの歴史的木造住宅建築の見学
10/6

クデッブにおける保存修復実習

10/7 ゼイレック地区他の木造住宅見学

オスマン帝国文化史講義

10/8 ICSA in Istanbul 2010 スケッチ展
イスタンブール出発

10/9

関西国際空港到着

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