武庫川女子大学 建築学科・大学院建築学専攻
 大学院建築学専攻 建築設計実務I トルコ・バフチェシヒル大学における海外実習 

Inter Cultural Studies of Architecture in Istanbul
2011

2011年9月26日(月)〜10月12日(水)

 建築学科は「6年制の欧米型建築家教育」を実践し、6年一貫の大学院JABEEや「世界建築家教育基準」に適合する教育を実施しています。これによって世界の多様な生活や文化などに深い洞察のある人格を養い、グローバルで国際的な活躍ができる建築家を育成します。この教育の一環として、2008年12月に締結したトルコ・バフチェシヒル大学との間の一般交流協定に基づき、昨年度は17日間、修士1年生11名が建築設計実務Iの授業の一環としてトルコ・バフチェシヒル大学を訪れ、バフチェシヒル大学の企画の下で保存修復関連の実務訓練を行いました。
 今年度も、それに引き続き、2011年9月26日(月)から10月12日(水)の17日間、修士1年生7名が建築設計実務Iの授業の一環として同様の実習を行いました。

 引率教員:大井准教授、天畠講師

>>2010年度
トルコ海外実習16日目「スケッチ展」 17日目「帰国」
2011年10月11日(月)
グランドバザールの見学
スケッチ展の準備 スケッチ展の準備
スケッチ展開始前にスケッチを見るバフチェシヒル大学の学生たち
10/3のガラスの実習でつくった作品も展示 スケッチを写真に撮影する学生も
ムラト先生の挨拶でスケッチ展開始 
最初に天畠講師がトルコ語で挨拶
続いて天畠講師が武庫川女子大学、建築学科、トルコでの実習の概要を英語で発表 発表後、会場から拍手を会場からいただく
学生が設計作品を英語で発表 学生が設計作品を英語で発表
会場の様子
学生の発表後、学生代表がトルコ語であいさつ 会場から拍手をいただく
最後に大井准教授がトルコ語であいさつ
今回の実習で大変お世話になったムラト先生へプレゼントを贈呈 今回の実習で大変お世話になったシネム先生へプレゼントを贈呈
スケッチ展終了後、記念撮影
空港に到着後、今回の実習でお世話になったバスの運転手さんにお土産をプレゼント
アタトゥルク空港を出発する前
 本日は午前中にグランドバザールの見学、午後にスケッチ展をバフチェシヒル大学で行いました。スケッチ展には、オゼン准教授、シネム助手、べリンダ助手、10/13から来日予定のセジン准教授、ICSA in Japan に参加したトルコの学生5名(2009年度のドゥイゴさん、2010年度のアユシュギュルさん、ベレンさん、ナズルさん、ギョズデさん)の他、多数のバフチェシヒル大学の教員および学生に参加していただきました。
 スケッチ展では、ムラト副学部長の挨拶のあと、まず最初に天畠講師がトルコ語で挨拶、英語で武庫川女子大学および建築学科、今回の実習の概要を説明しました。続いて、学生が1人ずつ順番に自分のこれまでの設計作品を英語で発表しました。学生が全員発表後、学生代表としてトルコ語で挨拶、最後に教員代表として大井准教授がトルコ語で挨拶し、会場から拍手をいただき、スケッチ展は盛況でした。
 スケッチ展終了後、すぐに帰国の途につき、ドバイ国際空港を経て関西国際空港に到着しました。充実した海外実習を実施することができました。
 なお、海外実習の報告会を10/20の夕方に実施する予定です。報告会ではスケッチ展に展示したスケッチの他、実習中のレポート、写真の展示、参加した学生による実習内容の発表を予定しています。
トルコ海外実習15日目「スケッチ展の準備」
2011年10月10日(月)
バフチェシヒル大学に到着
スケッチ展の準備 展示するスケッチを検討
スケッチ展の準備 スケッチをボードにレイアウト
ミーマル・シナン大学のレストランで昼食
ブルーノ・タウトの生涯に関する講演を聴講
日本文化研究センターを訪問
日本文化研究センターでの展示が完了した羽子板
大学の近くのレストランで夕食
 本日は明日予定しているスケッチ展の準備をしました。準備の合間に、ミーマル・シナン大学を訪れ、ブルーノ・タウトに関する講演を聴講しました。また夕方には、日本文化研究センターを訪問し、今回センターに寄贈した羽子板を展示しました。
 明日は、いよいよ最終日です。バフチェシヒル大学でスケッチ展と学生の作品発表を行います。
トルコ海外実習14日目
「エユップ、スルタン・アフメット地区の地下宮殿 見学」
2011年10月9日(日)
イスタンブールの金閣湾へ移動するフェリーに乗り込む
エユップのバザール 
エユップはムスリムの聖地であり、お店にはコーランやコーランの文章がかかれたものが並ぶ
エユップのバザールで売られている数珠
エユップ・スルタン・ジャーミィの外観
エユップ・スルタン・ジャーミィの内観 
大きなドームの周りに小さな半ドームが8つあり空間を構成
エユップのロカンタで昼食
スルタン・アフメット地区の地下宮殿の入り口
地下宮殿の内部 
4C.〜6C.頃の東ローマ帝国時代に貯水池として使用するためにつくられた。
水は近くの森から、水道橋を使って運ばれていた。
宮殿の一番奥にあるメドゥーサの顔 
メドゥーサの力を弱めるために反対向きにされているといわれる
 本日はイスタンブールのアジア側の旧市街エユップ、スルタン・アフメット地区にある地下宮殿を見学しました。バフチェシヒル大学のムラト副学部長、シネム助手、べリンダ助手に引率していただきました。
 午前中は、フェリーでイスタンブールの金閣湾に面する旧市街エユップに移動し、ムスリムにとって重要な聖地となっているエユップ・スルタン・ジャーミィを見学、スケッチしました。昼食後、スルタン・アフメット地区に移動し、東ローマ帝国時代の4C.〜6C.頃につくられた貯水池であった地下宮殿を見学しました。その後、ホテルに帰着し、各自の部屋で明日のスケッチ展の準備や明後日の発表の準備作業を行いました。
 明日は、バフチェシヒル大学でスケッチ展の準備を行います。
トルコ海外実習13日目「カッパドキア見学 2日目」
2011年10月8日(土)
ウルギュップ 3姉妹のキノコ岩を見学
ムスタファパシャの街並みを高台から一望
ムスタファパシャの街並みを高台から見学する
ムスタファパシャのハンの前で記念撮影 現在は観光ガイドを養成する学校であるとのこと
ムスタファパシャ オスマントルコ時代の住宅を見学
ムスタファパシャ オスマントルコ時代の住宅には特徴的な装飾がある
ムスタファパシャ コンスタンティヌ・エレニ教会 カッパドキアで最も新しい教会(1729完成)
カイマクル地下都市 教会を見学
カイマクル地下都市 石の扉 カイマクル地下都市 トイレを見学
ギョレの街並みの景観
ネヴシェヒルの旧市街の景観
洞窟住居の入り口
洞窟住居の内部を見学 現在も居住中
ギョレメパノラマからの風景
カッパドキアで最も標高が高いウチヒサール 
1970年代に一部が崩壊したため、現在は人は住んでいない
ウチヒサールを間近に見る 倒壊の危険性があるため、内部は見学せず
ピジョンバレー 谷間に鳩の巣が並ぶ 50万羽の鳩がいたといわれる。
お世話になったガイドのアリ氏に学生からお土産を手渡す お世話になった運転手さんに学生からお土産を手渡す
ネヴシェヒル空港でイスタンブール行きの飛行機に搭乗
 本日も昨日に引き続きカッパドキアの見学を行いました。バフチェシヒル大学のムラト副学部長とシネム助手に終日引率していただきました。見学の解説は、現地ガイドのアリ氏にしていただきました。
 午前中は、3姉妹のキノコ岩で有名なウルギュップ、昔はギリシア人の街であり、現在はローマ時代、オスマントルコ時代、現代の住居が混在するムスタファパシャの街、地下都市の中でも最大規模を誇るカイマクル地下都市、斜面地に建つギョレ、ネヴシェヒルの旧市街の景観を見学しました。昼食後、ギョレメ・パノラマ、現在も実際に人が住んでいる洞窟住居、カッパドキアの中では最大規模の洞窟の城であるウチヒサール、50万匹の鳩の巣があるピジョン・バレーを見学しました。見学終了後、飛行機でイスタンブールに戻りました。
トルコ海外実習12日目「カッパドキア見学 1日目」
2011年10月7日(金)
早朝 アタテュルク空港に到着 空港でシネム先生の手作りの軽食をいただく
ギョレメ国立公園
ギョレメ国立公園 ギョレメ国立公園内で有名なラクダ岩
ギョレメ国立公園 パジャパーの見学 キノコ岩が立ち並ぶ
アヴァノスの焼き物の工房で陶器の技法について説明を受ける アヴァノスの焼き物の工房のサンプル 
素焼き、線画、施釉、上薬塗布、焼成後の段階がわかりやすく表現されている
洞窟レストランで昼食 カッパドキア名物の壺焼きケバブ 
ツボから蒸し焼きにされたケバブを大皿に取り出す様子
ギョレメ屋外博物館の見学 ギョレメ屋外博物館 洞窟教会内部の見学
洞窟ホテルの外観
洞窟ホテルのスイートルーム 洞窟ホテルのスイートルーム
洞窟ホテルのスタンダードルーム 洞窟ホテル内のレストラン
チャウシンの大規模な洞窟住居 半分が崩れ落ちて断面が見える状態になっている。
カッパドキアで宿泊しているホテル 外観 ホテルの吹き抜け
ホテルのレストラン ホテルの客室
 本日はカッパドキアのギョレメ国立公園の見学を行いました。バフチェシヒル大学のムラト副学部長とシネム助手に終日引率していただきました。
 早朝の飛行機でイスタンブールからネヴシェヒルまで移動し、午前9時半頃にはギョレメ国立公園に到着。午前中は、有名なラクダ岩や、3本のキノコ岩のあるパジャパー、陶芸で有名な街アヴァノスで焼き物の工房を見学しました。昼食は、岩をくり抜いてつくった洞窟レストランでカッパドキア名物の壺焼きケバブをいただきました。
 午後は、最初にギョレメ野外博物館のエルマル・キルセ(りんごの教会)やユランル・キルセ(へびの教会)などの洞窟教会、博物館の入り口近くにあるカッパドキア最大の洞窟教会トカル・キルセを見学しました。その後、洞窟住居をホテルに改装した洞窟ホテルでスイートルームとスタンダードルームの客室や、レストランを見学。最後には、チャウシンを訪れ、大規模な洞窟住居の見学およびスケッチを行いました。学生達はこれまで体験したことのない、別世界のような空間を肌で体験し感動していました。
 カッパドキアの見学は明日も予定しており、地下都市などを見学します。
トルコ海外実習11日目「クデップでの保存修復実習」
2011年10月6日(木)
クデッブの概要や改修事例について、コーディネーターのデメット氏よりスライドで解説をいただく。
工房の見学 
約200年前の住宅の木製扉 建物は火事で全焼したが扉だけが残ったとのこと。
厚みが60mmほどの無垢で、かなり分厚い。
工房での実習 トルコの鉋で木を削る作業を体験
工房での実習 約200年前の扉の虫食い穴の修復作業を体験
工房での実習後、お世話になったコーディネーターのデメット氏と大工さんにお礼のお土産を贈呈、
トルコ語で感謝の気持ちを伝える
スレイマニエ・ジャーミィ近くのロカンタで昼食
KUDEBのプログラムで現在ドイツ人留学生が修復作業に参加している木造建築
修復中の木造建築の現場 外観の見学
修復中の木造建築の現場 
2階の壁の下地の見学 
これまでの見学先でもたびたび見てきたトルコでは一般的な壁の作り方を再確認
修復中の木造建築の現場 3階ホール
天井の装飾 
当時は三階が一番重要な部屋だったとのこと
お世話になったクデッブの方ヶ、修復の研修中のドイツ人留学生と記念撮影
修復現場を案内してくださった担当者の方に学生からお土産を手渡す
スレイマニエ・ジャーミィ 外観 
建築家シナンの設計 16C.中頃完成
スレイマニエ・ジャーミィ 内部
 本日はイスタンブールの市の組織で、木造住宅やジャーミィ、橋、城壁など主として宮殿以外の建築の保存修復を手掛けるクデッブKUDEBにて実習を行いました。クデッブは2006年に設立されました。その活動内容は、できるだけオリジナルの部材やデザインを大切にするという方針のもと、(1)世界遺産であるイスタンブール歴史地区に属するシュレイマニエ地区やゼイレック地区などに存在する伝統的木造住宅の保存修復(設計から現場監理まで。民間業者の指導等も行う。)、(2)研究室における歴史的建造物の材料の特徴分析および報告書の発行、(3)ゼイレック地区などに住む住人(特に子どもたち)、保存修復関連の専門学校の学生、保存修復を手掛けるプロの大工などを対象とした教育活動などがあり、非常に多くの側面から総合的にイスタンブールの歴史的建造物の保存修復活動に取り組んでいます。まずはクデッブの概要についてDVDおよびスライド説明を受けました。その後工房へ行き、木製建具の修復の見学と体験を行いました。大工さんの指導のもと、トルコの鉋で木を削る作業、約200年前の玄関扉の虫食い穴を埋める作業を体験しました。また現在進行中の修復現場も担当建築家の方のご案内で見学しました。それは19世紀に建てられた店舗付き木造住宅で、改修後は図書館として利用されるとのことです。
 その後、ミーマル・シナンの設計によるスレイマニエ・ジャーミィを見学、スケッチしました。
トルコ海外実習10日目
「イズニックタイル工房での実習、ソロズの木造建築見学」
2011年10月5日(水)
イズニック財団 タイル工房 材料の解説 タイル工房 窯の見学
タイル工房の窯 タイル工房 下地の製作場の見学
タイル工房での実習 図版を転写
タイル工房での実習 輪郭を縁取り
タイル工房の室内の様子
タイル工房での実習 色付け
絵付けが完了したタイル
絵付けしたタイルを持って記念撮影
お世話になったイズニック財団の方々と記念撮影
イズニック市内で昼食 イズニックで有名なキョフテをいただく
ソロズの木造建築
ソロズの木造建築の前で記念撮影
高台からソロズの町を一望する
ソロズの木造建築 スケッチ
ソロズの木造建築 スケッチ
美しいイズニック湖と山の風景
イスタンブールへ戻る途中のフェリー 美しい夕景
 本日はイズニック財団 Iznik Foundation Tiles の工房にて実習、ソロズという町にある木造住宅の見学を実施しました。バフチェシヒル大学のムラト副学部長とシネム助手に終日引率していただきました。
午前中はイズニック財団の工房にて実習を行いました。トプカプ宮殿や様々なジャーミィを飾るイズニックタイルはオスマン帝国時代の16世紀に最盛期を迎え、その後、その歴史や技術は絶えてしまいました。イズニック財団は、そうしたイズニックの復興を目的として1993年に設立されました。現在は、工房で世界各地から届く注文品を製作するとともに、教育プログラムなどを実施しています。まず最初に窯や工房の見学を行い、石英を使ったイズニックのタイルや陶磁器の製作過程の概要を学びました。その後工房にて、12cm角のタイルの絵付けの実習を行いました。木炭を使ってオスマン帝国時代の象徴花であるチューリップの柄などの図案をタイルに転写した後、筆を使って黒色顔料でその転写の線をなぞります。その後、青、赤、緑などイズニック特有の色つけを行います。工房の方々に指導をいただきながら、作品を完成させました。
午後は、ソロズという小さな町を訪れ、4階建ての木造建築を見学およびスケッチしました。この建物は少なくとも築150年以上と言われ、木造軸組みを基本としていますが、下部は自然石の組石構造を組合せ、上部は煉瓦を積み上げて壁を構成しています。昨日見学したジュマルクズクでも見られたようなトルコの伝統的な住宅建築の構成ですが、4階建てという大規模のものは非常に珍しく、建築関係者から注目されている建物です。当初は住宅ではなく養蚕用の建物だったそうですが、その後の第一次世界大戦中はギリシャ軍の病院として使用されました。そのためギリシャ軍が撤退する時に、周辺の多くの建物は焼かれてしまいましたが、この建物は被害を免れたそうです。戦後、この建物所有のご家族が戻ってこられ、戦争で家が無くなってしまったためこの建物を住宅として使用し始め、現在に至っています。
ソロズ見学後、マイクロバスとフェリーで1泊2日の旅程を終えてイスタンブールに戻りました。
トルコ海外実習9日目「ブルサ」見学
2011年10月4日(火)
イスタンブールからブルサへ 途中でマルマラ海をフェリーで渡る
ジュマルクズクの町並みの説明を受ける。
ジュマルクズクの町並み 
集落内の住宅は中庭を持ち、自然石の組石構造の壁の上は、木造で土壁で覆われた居住スペースという構成になっている。土壁の下地には煉瓦などが使われている。
ジュマルクズクの町並み 
建物の上階が張り出しているのは、外に出ることの出来なかったイスラムの女性たちが、通りの様子を眺めやすいように工夫されたためである。
ジュマルクズクの町並み スケッチ
ジュマルクズクの町並み スケッチ
ジュマルクズクの町並み スケッチ
ジュマルクズクの町並み スケッチ
ウル・ジャーミィの外観
ウル・ジャーミィの内部 
20個ものドームを持つセルジューク様式のモスク14Cの後半に建築された。
当時は別の用途として建てられたため、従来のモスクと異なるところが多くある。
ウル・ジャーミィ内部の清めの泉亭 
通常モスクに入る前にあるべきものだが、ここではモスク内にある
ウル・ジャーミィ スケッチ
コザ・ハンの2階 
1490年に建てられた隊商宿で、かつて繭の取引が盛んだったことから、
トルコ語で繭を意味するコザの名が付いている。現在もシルクを扱った商店が並ぶ
コザ・ハンの中庭と中央のモスク
イェシル・テュルベ 
「緑のお墓」という意味で、メフメット1世とその家族が眠る廟
目の覚めるような美しいターコイズブルーの外装タイルに覆われた外観を持つ
イェシル・テュルベの内部
イェヒル・テュルベ スケッチ
イェヒル・テュルベ スケッチ
イズニック財団のゲストハウスの食堂で夕食 昨年の学生からプレゼントしたくす玉が飾られていた
イズニック財団のゲストハウスの外観 イズニック財団のゲストハウスの部屋
 本日はオスマン帝国最初の首都であるブルサを見学しました。最初に約700年の歴史を持つ伝統集落のジュマルクズクを見学しました。この集落は最近10年ほどの間に注目されるようになり、今では建物の保存修復も多く行われています。2階や3階部分が道に対して跳ね出している「ジュンバ」という部分を持つ住宅によって構成される迷路のような街路を散策し、スケッチしました。その後、ブルサの中心市街へと移動し、エディルネのエスキジャーミィと同時代のもので「聖なる」という意味を持つウル・ジャーミィ、中庭のカフェに多くの人々が集うコザ・ハン、「緑のお墓」という意味を持ちメフメット1世が眠るイェシル・テュルベを見学しました。
 ブルサの見学終了後、イズニックへと移動し、本日はイズニック財団のゲストハウスに宿泊しました。
トルコ海外実習8日目「ガラス工房での実習」
2011年10月3日(月)
ガラス工房の見学
吹きガラスの制作工程の見学
吹きガラスの制作工程の見学 トルコの伝統的なガラスのお守り「ナザール・ボンジュウ」をつくるための窯を見学
セマゼンというメヴレヴィー教団の信者を形取ったガラス細工の製作の様子を見学する
トルコ語でボンジュウと言う、ガラス玉のアクセサリーの制作実習
フュズヨンと呼ばれる技法によるガラス細工の制作実習
学生の作品 学生の作品
トルコの伝統的な吹きガラスのチェシュミ・ビュルビュル
ICSA in Japan 2009に参加したドゥイゴさんとガムゼさんに招かれ、ドゥイゴさんの家で2人の手料理、デザート、チャイなどをごちそうになった。ドゥイゴさんの家で記念撮影
ドゥイゴさんとガムゼさんの手料理
ドゥイゴさんとガムゼさんの手料理をいただく学生たち
トルコの伝統的な踊りのビデオを鑑賞 ドゥイゴさんとガムゼさんからプレゼントをいただく
こちらの学生からも2人にプレゼントを贈呈 プレゼントの一つ、万華鏡をのぞく2人
 本日はイスタンブール郊外のシレという街近くにあるガラス工房 The Glass Furnaceガラス工房での実習を行いました。バフチェシヒル大学のムラト副学部長とシネム助手に終日引率していただきました。午前は、ガラス工房の施設、吹きガラスの制作過程などを見学しました。午後は、まず最初にガラスビーズの制作実習を行いました。次に別の部屋に移動し、フュズヨンと呼ばれる技法によるガラス細工を制作しました。透明ガラスの上に、自由にカットした色ガラスを並べていきます。後日、工房の方で窯に入れてもらい、ガラスが溶けて一体となったオブジェや皿ができあがります。学部1年生の時の空間表現基礎演習で取り組んだモザイクの課題に似た内容で、学生たちは改めて新鮮な気持ちで時間を忘れて取り組んでいました。その後、工房のショールームでトルコの伝統的な吹きガラスであるチェシュミ・ブルブルと呼ばれる花瓶などのガラス製品などを見学しました。
 実習終了後、ICSA in Japan 2009に参加したドゥイゴさん、ガムゼさんに招かれ、ドゥイゴさんの家で2人の手料理やトルコのデザート、チャイなどをごちそうになりました。学生たちもトルコ人の学生たちと楽しい一時を過ごすことができて疲れた体をリフレッシュする良い機会となりました。
トルコ海外実習7日目「エディルネ」見学
2011年10月2日(日)
ICSA in Japan 2010に参加したアイシュギュルさんと学生との交流
学生は今回の研修で覚えたトルコ語を披露するなどしてコミュニケーション
セミリエ・ジャーミィ外観の見学 
オスマンの大建築家ミマール・シナンの設計。
彼はこの建物を自らの最高作と言っている。16C.後半に建築された。
セリミエ・ジャーミィ内部の見学 セリミエ・ジャーミィ内観 セリミエ・ジャーミィは、一つの大きなドームによる一体的な空間が特徴
セミリエ・ジャーミィ スケッチをする学生たち
セリミエ・ジャーミィ外観のスケッチ
セリミエ・ジャーミィ外観のスケッチ
セリミエ・ジャーミィ内観のスケッチ セリミエ・ジャーミィ内観のスケッチ
エスキ・ジャーミィ 内部
ユチ・シェレフェリ・ジャーミィ
ユチ・シェレフェリ・ジャーミィ内部
バヤジット2世の医学博物館の中庭を歩く
バヤジット2世の精神病棟内部
中心に噴水があり、ドーム内部には水の音と音楽が流れる。
ドーム足元の小部屋が病室となっている。
オスマン朝時代の医療の様子を人形を使って説明しており、
右奥は当時の音楽療法の楽団が再現されている。
バヤジット2世の精神病棟内部 
オスマン朝時代の音楽療法の楽団の再現 左側では患者さんが音楽を聴いている
 本日はギリシャやブルガリアとの国境近くに位置するエディルネを見学しました。イスタンブールからバスで3時間ほどの距離にあります。バフチェシヒル大学のムラト副学部長とシネム助手に終日引率していただきました。ICSA in Japan 2010を経験した現在はバフチェシヒル大学で助手を務めるアイシュギュルさんと来年のICSA in Japanに引率教員となる予定のべリンダさんも参加しました。
 エディルネは、古代ローマ皇帝ハドリアヌスが町造りをしたのが起源と言われ、かつてはハドリアノポリスやアドリアノープルと呼ばれた街です。オスマン帝国の首都であった時期もありました。オスマンの大建築家シナンの設計で彼自身が最高作と位置付けるセリミエ・ジャーミィ、エディルネの町で一番古いエスキ・ジャーミィ、4つのミナーレが全て異なる形をしているユチ・シェレフェリ・ジャーミィ、音楽療法のための空間が特徴的なバヤジット2世の医学博物館などを見学しました。
トルコ海外実習6日目「イスタンブール歴史地区」見学
2011年10月1日(土)
ハギア・ソフィア 外観
ハギア・ソフィア 2階の回廊で解説
ハギア・ソフィア 内観
ハギア・ソフィア スケッチ
トプカプ宮殿 概要の解説 トプカプ宮殿 ボスポラス海峡が一望できるテラスで記念撮影
トプカプ宮殿 壁面タイルの「いのちの木」のデザイン
スルタン・アフメット・ジャーミィー 外観
スルタン・アフメット・ジャーミィー 内観
スルタン・アフメット・ジャーミィー スケッチ スルタン・アフメット・ジャーミィー スケッチ
バフチェシヒル大学 エンベル理事長を表敬訪問 学生からトルコ語で挨拶してプレゼントを贈呈し、大変喜んでいただいた 新しい日本文化研究センターの展示品として羽子板を贈呈
エンベル理事長らと記念撮影
ボスポラス海峡をクルージング
 イスタンブール歴史地区を見学しました。イスタンブールはアジアの文化とヨーロッパの文化が交じり合う、世界屈指の歴史都市です。バフチェシヒル大学のムラト副学部長とシネム助手に終日引率していただきました。本日は、冷え込んだ昨日の気温とは打って変わり、一昨日までのような暖かい気候の中での見学でした。
 午前中は、まず最初にビザンチン建築の最高峰であるハギア・ソフィアの見学、スケッチをしました。その後、オスマン帝国のスルタンの居城であるトプカプ宮殿の見学を行いました。午後は、ブルーモスクと呼ばれるスルタンアフメット・ジャーミィの見学、スケッチを行いました。
 夕方、バフチェシヒル大学のエンベル理事長に対する表敬訪問を行いました。学生のトルコ語によるあいさつ、新しい日本文化研究センターの展示品である羽子板の贈呈などを行ったところ、大変喜んでいただくことができました。その後、エンベル理事長の計らいでボスポラス海峡をクルージング。夕焼けから夜景への美しい風景を海上から堪能し、素晴らしい体験ができました。
トルコ海外実習5日目「ビュユック島の大規模木造建築、木造住宅の見学」
2011年9月30日(金)
フェリーでビュユック島へ向かう
ビュユック島に到着後、船着場前で記念撮影
グリーク・オルファネージ 概要の説明
グリーク・オルファネージ 空間構成の説明
グリーク・オルファネージ 厨房のあった側の外観 煙突が二つある
グリーク・オルファネージ ホール
グリーク・オルファネージの前で記念撮影
お世話になった管理担当の方にトルコ語でお礼を言いお土産を贈呈
ビュユック島の中心街のレストラン 昼食にサバサンド
ビュユック島の商店が並ぶ通り
アダラー市役所にて副市長と記念撮影
トルコの木造住宅 内部を見学
トルコの木造住宅 庇下の中間領域を見学
トルコの木造住宅 外観
トルコの木造住宅 内部
管理人の方におみやけを贈呈
学生のスケッチ
  本日はイスタンブールの南にフェリーで1時間30分ほどの場所にあるビュユック島の大規模木造建築、木造住宅を見学しました。バフチェヒヒル大学のムラト副学部長とシネム助手に終日引率していただきました。また、同大学のオゼン准教授が本日の全ての見学に、ムラト・サヒン准教授が午後の見学に同行していただきました。早は雨が降ったり止んだりの不安定な天気で昨日に比べて気温も一気に下がり肌寒い1日となりました。
 午前は、トルコの中でも最も大規模な木造建築といわれるグリーク・オルファネージを見学しました。元々、1888年にホテルとして設計された建物でしたが、使用の許可がおりず、1960年ごろまでは孤児院として使用されていたようです。その後、政治的な影響を受け、使用されなくなり、現在では屋根なども崩落しておりかなり傷みが激しい状態となっています。長さが102mを超えるファサードで5階建てのこの建築は木造としては異例の大規模な建築の迫力に圧倒されました。倒壊の危険性があるため、外観の見学を中心として、内部は安全なホール部分のみ見学し、最後にスケッチしました。
 午後は、アダラー市の市長の秘書長の方からの要請によりアダラー市役所を訪れ、副市長との記念撮影および秘書長の方との懇談を行いました。その後、1930年に建てられた日本の影響を受けたと思われる木造住宅を見学し、スケッチを行いました。この建物は一つ屋根の下に部屋が配置されており、庇の下に中間領域をつくることで、日本の縁側のような空間があるのが特徴でしたが、同じ木造でもdetailに大きな違いが見られました。
トルコ海外実習4日目
「ドルマバフチェ宮殿における保存修復工事現場、保存修復工房の見学」
2011年9月29日(木)
ドルマバフチェ宮殿 西側の門をスケッチ
学生のスケッチ
一昨年に来日したバフチェシヒル大学の学生も一緒に実習に参加
ドルマバフチェ宮殿 
昨日実測した木製ジャロジーの建具が使われている建物の外観
ドルマバフチェ宮殿近くのボスフォラス海峡に面するカフェで昼食 
キョフテ(トルコの肉団子)のサンドイッチ
ドルマバフチェ宮殿 石の保存修復工房 ドルマバフチェ宮殿 以前に鉛の屋根の保存修復工房であった場所で鉛の屋根の制作および施工方法について解説をしていただく
鉛の屋根板を制作するために使われた型枠
石の保存修復工事の実例についてスライドで説明をしていただく
ドルマバフチェ宮殿 スタッコの工房
ドルマバフチェ宮殿 金や銀の保存修復工房
ドルマバフチェ宮殿の見学でお世話になった担当者の方に、
教員および学生からお土産を贈呈して感謝の気持ちを伝える
タクシム広場 タクシムの街のレストランで夕食
 本日はドルマバフチェ宮殿の保存修復現場と保存修復工房を見学ました。バフチェシヒル大学のムラト副学部長とシネム助手に終日引率していただきました。午前中は、まず最初にドルマバフチェ宮殿の西側の門をスケッチした後、現在保存修復工事中の博物館の建物(もともとはスルタンの息子の住宅として建てられた建物)の天井や壁の壁画の修復工事を現場担当の方に案内していただきました。また昨日ドルマバフチェ宮殿の工房で見学した建具の枠が実際にどのように建築の一部となっているのかを確認することができました。午後は、宮殿内にある保存修復工房を見学し、鉛の屋根の制作および施工方法、石の装飾の修復方法、大理石のような模様を人工的に作るスタッコの技法、金や銀の部材の保存修復の方法などについて現場の担当の方に解説していただきました。
 実習後は、イスタンブールの中心街であるタクシムのショッピング街を散策し、トラムが走る歩行者天国の活気あふれる商業空間を体験することができました。
トルコ海外実習3日目「ユルドゥズ宮殿における保存修復実習」
2011年9月28日(水)
ユルドゥズ宮殿 家具の布地の保存修復の見学
ユルドゥズ宮殿 家具の保存修復工房の外観 ユルドゥズ宮殿 木製家具の保存修復工房 昨年の実習で学生からプレゼントしたくす玉が飾られていた
ユルドゥズ宮殿 木製家具の保存修復の見学 木製部材の加工を実演していただく
ユルドゥズ宮殿 木製装飾の保存修復工房
ユルドゥズ宮殿 貝装飾の保存修復工房
ユルドゥズ宮殿 木製家具の保存修復工房 半年かけて修復された棚
ユルドゥズ宮殿 絨毯・キリムの保存修復工房
ユルドゥズ宮殿 木製建具の保存修復工房
ユルドゥズ宮殿 木製装飾床の保存修復工房
ドルマバフチェ宮殿の木製建具の実測とスケッチ
実測とスケッチを行った木製建具 右:上げ下げ窓 左:木製ジャロジー
学生のスケッチ 木製上げ下げ窓
学生のスケッチ 木製ジャロジー
ユルドゥズ宮殿 木製建具の保存修復工房 塗装はがし
ユルドゥズ宮殿 木製家具および建具の塗装場
お世話になった工房の方々と記念撮影
工房長に学生からお礼を言い、記念品をプレゼント
お返しにいただいたトルコと日本の国旗を重ねたデザインの木板
ベジクタシュの街を散策 ベジクタシュの街で夕食 ピデ(トルコのピザ)
19世紀の建築による町並み かつてはドルマバフチェ宮殿で働いていた人達の宿舎として使われていた
 本日はユルドゥズ宮殿にて保存修復実習を実施しました。バフチェシヒル大学のムラト副学部長とシネム助手に終日引率していただきました。午前中は室内装飾工房の責任者の方の案内の下、家具の木製装飾、貝や亀の甲羅の装飾品、カーテンや家具の布地、絨毯やキリムなどの保存修復工房を見学しました。午後は、木製建具と木製装飾床の保存修復工房を見学した後、ドルマバフチェ宮殿の建具(木製の上げ下げ窓と木製のジャロジー)の実測および図面のスケッチを2班に別れて行いました。最後に、建具の修復のための塗装をはがす工程や塗装の工房を見学しました。トルコの保存修復の最高峰の現場に触れ、大変有意義な実習を行うことができました。
 実習後は、若者で賑わうベジクタシュの街を散策し、イスタンブールの商業空間を体験しました。
トルコ海外実習 1、2日目「バフチェシヒル大学訪問」
2011年9月26日(月)、27日(火)
関西国際空港を出発
イスタンブール・アタチュルク国際空港に到着
ヤルチェン学長(写真 左)とアフメット学部長に対する表敬訪問 
 関西国際空港を26日(金)の夜に出発し、ドバイ国際空港経由でイスタンブール・アタチュルク国際空港に到着しました。空港ではバフチェシヒル大学建築学部のムラト副学部長とシネム助手に出迎えていただきました。その後大学のマイクロバスに乗り込み、まずバフチェシヒル大学へと向かいました。大学到着後、ヤルチェン学長とアフメット学部長に対する表敬訪問を行いました。その後、キャンパス内をムラト副学部長の案内で見学しました。見学終了後、アフメット学部長主催の夕食会にお招きいただき、トルコ料理を振る舞う老舗のレストランで夕食をごちそうになりました。アフメット学部長の奥さんでもあるオゼン教授と、来年来日予定のバフチェシヒル大学の学生2名(2年生と3年生)も同席し、英語や簡単なトルコ語で懇談しました。途中から、ヤルチェン学長も同席していただきました。
 食事会を終え、マイクロバスでホテルへと移動し、チェックインの手続きを行いました。関空出発からかなりの時間を経過していたため、学生たちにも疲れが見えましたが、幸い体調を悪くした学生は1人もおらず、皆元気な様子でした。明日からは実習が本格的に始まります。
>>2010年度
■滞在中のホテル
ホテルの前の通り青い看板がホテル ホテルの客室内
ホテルのロビー 客室からの風景
■スケジュール

9/26

(月) 関西国際空港出発

9/27

(火)

イスタンブール到着

バフチェシヒル大学訪問

9/28

(水)

ユルドゥズ宮殿の工房における保存修復実習

9/29

(木)

ドルマバフチェ宮殿における保存修復現場の見学

9/30

(金)

ビュユック島 見学
 グリーク・オルファネージ、トルコの木造住宅ほか

10/1

(土)

イスタンブール歴史地区 見学
 ハギア・ソフィア、ブルーモスクほか

10/2

(日) エディルネ見学
 セリミエ・モスクほか

10/3

(月) ガラスアトリエにおける実習

10/4

(火)

ブルサ見学 

10/5

(水) イズニックタイル協会でのワークショップ
 ソロズの歴史的木造住宅建築の見学
10/6 (木) クデッブにおける保存修復実習
10/7 (金) カッパドキア見学
 ギョレメ野外博物館ほか

10/8

(土) カッパドキア見学
 カイマクル地下都市ほか
10/9 (日)

イスタンブール見学
 ガラタ塔ほか

10/10 (月) イスタンブール見学
 タクシム広場

スケッチ展の準備

10/11 (火) ICSA in Istanbul 2011 スケッチ展
イスタンブール出発

10/12

(水)

関西国際空港到着

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