武庫川女子大学 建築学科・大学院建築学専攻
 ■海外研修旅行 2009年 8/25(土)〜9/7(月)  
武庫川女子大学 建築学科 スペイン・フランス研修 14日間の旅
 建築学科では2年生以上の夏休みの二週間を利用して海外研修旅行を実施しています。今年はイタリアコースおよびスペイン・フランスの2コースを実施します。学生たちは1年生の前期に日本建築史、後期に世界建築史、2年生の前期に近代建築史を履修し、それに加えて出発前に見学を予定している都市や建築について各自で調査した上で研修にのぞみました。
 ここでは、スペイン・フランスコースの様子をお伝えします。建築学科の2年生〜4年生の合計36名が、8月25日(火)〜9月 7日(金)の14日間、バルセロナからパリまで飛行機とバスで移動しながら、歴史と芸術あふれる都市を巡り、自分の眼で見て、肌で体験してきました。

  引率者:大井史江准教授、杉浦徳利講師、JTB添乗員

>>イタリア研修

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学生のスケッチ
学生のスケッチ
学生のスケッチ
学生のスケッチ
学生のスケッチ
学生のスケッチ
スペイン・フランス研修 13,14日目 「パリから関西空港へ」
2009年9月6日(日)
シャルル・ドゴール空港
トンネル状の長い通路を抜けて搭乗口へ向かう
関西空港に無事到着
 いよいよ2週間の研修旅行も終わりです。9/6の午前中にシャルル・ドゴール空港を出発し、フランクフルト空港を経由して9/7の朝に関西空港に到着しました。
スペイン・フランス研修 12日目
「パリ郊外の建築見学」
2009年9月5日(土)
 研修旅行も大詰めとなりました。フランスでの研修最終日の今日は、パリ市内で自由行動としました。ルーブルやオルセーなどの美術館やオペラ・ガルニエ(オペラ座)、エッフェル塔、凱旋門などの見学、そしてショッピングなど、各自が残されたパリでの時間を満喫しました。明日はいよいよ帰路につきます。
スペイン・フランス研修 11日目 「パリ郊外の建築見学」
2009年9月4日(金)
ノートルダム・デュ・ランシー教会
ノートルダム・デュ・ランシー教会 内部
サン・ドニのバジリカ聖堂 サン・ドニのバジリカ聖堂 内部
サヴォア邸
サヴォア邸 屋上庭園
ヴェルサイユ宮殿
ヴェルサイユ宮殿 鏡の間
 パリを拠点にした研修の2日目は、イル・ド・フランス地方と呼ばれるパリ周辺の街を巡りました。今日も時折小雨の降る中での研修となりました。
 まず、パリ北方郊外の街ランシーで、鉄筋コンクリート造の父と呼ばれるオーギュスト・ペレ設計のノートルダム・デュ・ランシー教会を見学しました。世界発の鉄筋コンクリート造打ち放し仕上の教会です。これまでに見学した石造りの壮麗なゴシック教会建築とはまた異なる幻想的な空間を体験できました。
 次に、パリ北方郊外のサン・ドニでは、歴代フランス国王が葬られており、最初期のゴシック建築といわれる、バジリカ聖堂を見学。 また、パリ北西郊外の街ポワシーでは、最も有名な近代住宅建築といえる、ル・コルビュジエのサヴォア邸を見学しました。20世紀の三大建築家の一人に数えられる巨匠の精神に触れようと、皆食い入るように観察・スケッチに取り組みました。
 さらに、パリ南西のヴェルサイユへ。豪華な装飾の粋を結集したヴェルサイユ宮殿とルイ14世が生涯をかけて造営を指揮したという広大な庭園を見学しました。
スペイン・フランス研修 10日目
「パリ市内の建築見学」
2009年9月3日(木)
スイス学生会館
スイス学生会館 内部
サント・シャペル 下堂
サント・シャペル 上堂
ノートルダム大聖堂
ノートルダム大聖堂 内部
救世軍難民院 ジャン・ヌレ+ラロッシュ邸
(ル・コルビュジェ財団事務所)
カステル・ベランジェ
特徴的なメタルワークの門扉や窓の手すり
カステル・ベランジェ 中庭
ギマール邸
 パリでの研修1日目です。パリの天候は不安定で時折、小雨の降る中での研修となりました。 まず、パリ南端部、国際大学都市内にある、ル・コルビュジェ設計のスイス学生会館を見学しました。5日目に見学したフィルミニのユニテ・ダビタシオンと共通するデザインの特徴を持つため、比較しながら見ることとができました。 次にパリの中心付近、セーヌ川の中州の一つであるシテ島にある2つのゴシック建築、サント・シャペルとノートルダム大聖堂を見学。サント・シャペルの壁面を埋め尽くすステンドグラスは圧巻で、息を飲む鮮やかさでした。ノートルダム大聖堂はサント・シャペルの鮮やかさや軽やかさとは対象的に厳格で荘厳な空気で満たされていました。
 その後、再びパリ南部にあるル・コルビュジェ設計の救世軍難民院を外部から見学。さらにパリ西部に移動し、現在ル・コルビュジェ財団事務所として使われているジャン・ヌレ+ラロッシュ邸、エクトル・ギマール設計のアールヌーボー様式の住宅建築、カステル・ベランジェおよびギマール邸を見学しました。いずれも外観のみの見学の予定でしたが、カステル・ベランジェでは住人の方のご厚意で思いがけず玄関ホールと中庭も見学させていただきました。特徴的な有機的な形態やメタルワークの装飾をじっくり観察できました。
スペイン・フランス研修 9日目
「ルーアンからオンフルール、モンサンミッシェル、パリへ」
2009年9月2日(水)
オンフルールの旧港
フランス最大の木造教会 サント・カトリーヌ教会
モン・サン・ミッシェル名物のオムレツに舌鼓 モン・サン・ミッシェル 全景をバックに記念撮影
モン・サン・ミッシェル
モン・サン・ミッシェル 城壁と外部に広がる干潟
モン・サン・ミッシェル 大修道院教会 モン・サン・ミッシェル 回廊
 前日の宿泊地ルーアンからバスで90kmほど走り、セーヌ川の左岸にある古い港町オンフルールを散策しました。ブーダンやモネなど多くの印象派の画家を魅きつけた美しい街並みを見学し、水辺の空間を考える上で良い参考になりました。珍しい木造のニ身廊形式のサント・カトリーヌ教会も見学しました。
 その後、南西に190kmほど移動し、サン・マロ湾に浮かぶカトリックの巡礼地で世界遺産のモン・サン・ミッシェル修道院を見学しました。 モン・サン・ミッシェルの見学前の昼食では、名物のオムレツとアップルシードルを美味しくいただきました。 見学後は、一気に370km移動して、パリに入りました。研修旅行終了までパリで4泊します。
スペイン・フランス研修 8日目
「ラン、アミアン、ルーアンのゴシック聖堂巡り」
2009年9月1日(火)
ラン大聖堂 ラン大聖堂 内部
アミアン大聖堂 アミアン大聖堂 内部
フランボワイヤンゴシック教会の傑作サン・マクルー教会堂
サン・マクルー教会の旧納骨堂 現在は美術学校として使用
ルーアン大聖堂 ルーアン大聖堂 内部
ジャンヌ・ダルクの処刑場跡に建つジャンヌ・ダルク教会
 ランス北部のピカルディー地方およびノルマンディー地方にあるゴシック様式の聖堂を見学して回りました。
 あいにくの雨降りの中、先日の宿泊地ランスから北西へ約60kmにあるピカルディー地方の街ランに移動。小高い丘の上にあるラン大聖堂を訪れ、初期ゴシック様式の重厚な空間を体験しました。
 続いて、ピカルディー地方の首都アミアンに移動し、フランス最大のゴシック様式の大聖堂であるアミアン大聖堂を見学しました。上へ上へと天を目指して伸びる柱により支えられた高さ42mにも達する内部空間たたずむと、当時の人々の精神に触れられるようでした。
 雨も上がり、次は南西に120kmほど移動して、ノルマンディー地方の街ルーアンへ。ルーアンはローマ時代からの歴史を持ち、ノルマンディー公国の首府として栄えた古都です。燃え上がる炎の姿を連想させるフランボワイヤンゴシック様式のサン・マクルー教会堂や、印象派の画家モネの作品のモデルにもなったことやジャンヌ・ダルクが処刑されたことでも知られるルーアン大聖堂を見学しました。また木骨組みの家屋が並ぶ旧市街を散策し、サン・マクルー教会の旧納骨堂や現代建築の教会であるジャンヌ・ダルク教会にも立ち寄りました。
 各聖堂を巡りながら、教会建築の歴史的変遷についてガイドの方から解説を頂きました。
スペイン・フランス研修 7日目
「ディジョンからランスへ」
2009年8月31日(月)
フォントネー修道院
フォントネー修道院 礼拝堂
フォントネー修道院 回廊 伝統的な木造家屋が残るトロワの街並
ノートルダム大聖堂(ランス大聖堂) ノートルダム大聖堂(ランス大聖堂) 内部
  ディジョンから北西へ約70kmにあるマルマーニュに移動し、シトー会最古の修道院で世界遺産である、フォントネー修道院を見学しました。華やかな装飾を一切廃したシンプルな空間、静謐な空気を肌で感じ、心の安らぎを覚える一時でした。
 ブルゴーニュ白ワインで有名なシャブリ村で昼食をとった後、シャンパーニュ地方南部のトロワへ移動。伝統的な木造家屋が残る街並を散策しました。
 さらに、北へ120kmほど移動してランスへ。世界遺産で代々のフランス王が戴冠式を行った、ゴシック様式のノートルダム大聖堂(ランス大聖堂)を見学しました。マルク・シャガール作のステンドグラスも鑑賞しました。
 バスで移動中に、ガイドの方からキリスト教諸会派の特徴と系譜や、中世から近世のフランスにおける社会背景と修道院の興亡の歴史について分かりやすく解説をいただきました。この研修を通して、政治や宗教の歴史的変遷という観点から建築を理解でき、歴史の面白さと重要さを改めて感じることができました。
スペイン・フランス研修 6日目
「ディジョン郊外の建築見学」
2009年8月30日(日)
王立製塩所
ノートルダム・ドュ・オー教会(ロンシャンの教会)
ノートルダム・ドュ・オー教会 内部
オテル・デューの中庭 
鮮やかな幾何学模様の屋根が特徴的
オテル・デュー 内部
 前日の見学後、かつてブルゴーニュ公国の首都であったディジョンに移動しました。ここで2泊します。
 ディジョンから南東へ85kmほどにあるアルケ・スナンに移動し、クロード・ニコラ・ルドゥ設計で世界遺産の王立製塩所を見学しました。この建物は、ルイ 16世の命により計画されたもので、製塩工場の他に、教会や労働者の住宅なども備えたルドゥにとっての理想の都市でした。財政上の理由で計画の半分しか実現しませんでしたが、壮大なプロジェクトの完成系を想像しながら見学しました。
その後、北東へ130km離れたかつて炭鉱の町であったロンシャンに移動し、ル・コルビュジェ後期の傑作、ノートルダム・ドュ・オー教会(ロンシャンの教会)を見学。真青な空と周囲の木々の鮮やかな緑と白い外壁が素晴らしいコントラストで、とても印象深く心に残りました。
 さらに、南西に150km移動し、ワインの名産地ボーヌで、15世紀半ばから1970年まで実際に使われていた医療施設(ホスピス)オテル・デューを見学しました。ブルゴーニュ地方独特の鮮やかな幾何学模様の屋根が新鮮でした。また、サン・ルイの間にあるヴァンデル・ヴァイデン作の細密画「最後の審判」も鑑賞しました。
 ディジョンのホテルに戻る途中、バスの車窓の外は一面のブドウ畑でした。ガイドの方からワイン造りについて興味深い話をきかせていただき、長時間のバスでの移動も楽しく過ごすことができました。
スペイン・フランス研修 5日目
「フランス・リヨン郊外のル・コルビュジェの作品見学」
2009年8月29日(土)
フィルミニのユニテ・ダビタシオン
ユニテ・ダビタシオンの住戸スペース ガイドの方から詳しく解説していただきました ユニテ・ダビタシオン 最上階にある幼稚園の廊下
スタジアムとその向こうにサン・ピエール教会
サン・ピエール教会 サン・ピエール教会内部
ラトゥーレット修道院
 リヨン郊外にあるル・コルビュジェ設計の作品群を見学しました。ル・コルビュジェは、先に見学したバルセロナパビリオンを設計したミース・ファン・デル・ローエ、フランク・ロイド・ライトと並び、20世紀の三大建築家の一人です。
 まず、フィルミニでコルビュジェが手掛けた、集合住宅ユニテ・ダビタシオン、サン・ピエール教会、スタジアム、文化会館を見学。ユニテ・ダビタシオンでは、住戸スペース、最上階にある幼稚園、現在住人にも開放していない屋上広場も見学できました。また、サン・ピエール教会は、コルビュジェが手掛けた3つの宗教建築のうちの最後のものですが、1960年に建設が開始されたものの、諸事情により工事が頓挫したまま20年以上放置された後、2006年にやっと完成したという、話題の建物です。礼拝堂内の見事な光と影が創り出す厳かな世界に浸りました。
 続いて、ラトゥーレットに場所を移し、コルビュジェの2つ目の宗教建築、ラトゥーレット修道院を見学しました。今回は残念ながら建物の中には入れませんでしたが、うつくしい自然に囲まれた傾斜地に時間が止まったかのようにたたずむ修道院に理想郷を感じました。
スペイン・フランス研修 4日目「フランス・リヨン見学」
2009年8月28日(金)
バルセロナ・プラット空港からフランスのリヨンに向けて出発
リヨン・サンテグジュペリ空港に到着
リヨン・サンテグジュペリTGV駅
フルヴィエール丘からリヨンの街を一望
フルヴィエール丘の上に建つ、ノートルダム・ド・フルヴィエールバジリカ聖堂
リヨン旧市街 サン・ジャン大司教教会
リヨン旧市街 細い石畳と赤い屋根、黄褐色の外壁が特徴的な中世の街並
 スペイン・バルセロナを離れ、フランスのリヨンに入りました。リヨンは金融や絹織物などで栄えたフランス第2の都市です。美食の街としても有名です。
 午前中に飛行機でバルセロナからリヨンまで移動。リヨン・サンテグジュペリ空港に到着後、空港とつながっているリヨン・サンテグジュペリTGV駅(リヨン・サトラス駅)を見学。この駅は、スペイン出身の構造デザイナー、サンティアゴ・カラトラバの設計です。鉄骨の構造体のダイナミックな構成と鳥が翼を広げたような象徴的なフォルムは圧巻で、学生たちもその迫力に驚きの声をあげていました。
 その後、バスでリヨン市内を見学。フルヴィエール丘に上り、リヨンの街の眺望を満喫し、丘の上に建つ、ノートルダム・ド・フルヴィエールバジリカ聖堂を見学しました。次に丘を下り、世界遺産であるリヨン旧市街を散策。サン・ジャン大司教教会や中世の状態がほぼ完全な形で残る街並、建物の中庭を通って路地と路地を行き来できる抜け道トラブールなどを見学しました。また、ガイドの方から、リヨンの都市形成の歴史についても詳しく説明していただきました。
スペイン・フランス研修 3日目
「バルセロナ市内の建築見学 その2」
2009年8月27日(木)
モンジュイックの丘からバルセロナの街を一望
バルセロナ博ドイツ館((バルセロナ・パヴィリオン)
バルセロナ博ドイツ館((バルセロナ・パヴィリオン) バルセロナ博ドイツ館((バルセロナ・パヴィリオン)
ピカソ美術館 中庭
 スペインでの研修最終日の今日は、バルセロナ市内の建築を見学しました。 まず、万国博覧会やバルセロナオリンピックの舞台となったモンジュイックの丘へ。展望台から山と海に囲まれたバルセロナを一望しました。続けて、バルセロナ博ドイツ館(バルセロナ・パビリオン)を見学。20世紀の3大建築家の一人に数えられるミース・ファン・デル・ローエの設計で、平面の構成、均質空間、ユニバーサルスペースなどの特徴をもつこの建物は、本学科の設計演習において、何度も参考事例としてとりあげられてきました。学生は食い入るように見学・スケッチに取り組みました。 その後、中世に建てられた貴族の館を改装して使われているピカソ美術館を訪れ、パブロ・ピカソの作品を鑑賞しました。
 昼食の後は自由研修としました。グループ毎に、劇場や集合住宅、美術館、ウォーターフロントなどを見学・散策しました。
スペイン・フランス研修 2日目
「モンセラットおよびバルセロナ市内の建築見学 その1」
2009年8月26日(水)
見学先について事前に調べたことを、移動中のバスの中で発表
モンセラット修道院
サグラダ・ファミリア教会
カサ・ミラ
グエル公園
バルセロナ大聖堂
 2日目の午前中は、バスでスペイン・カタルーニャ地方のキリスト教の聖地、モンセラットに移動し、ベネディクト派の修道院を見学しました。
 その後、バスで再びバルセロナに戻り、市内にあるアントニオ・ガウディ設計の世界遺産3ヶ所、集合住宅カサ・ミラ、サグラダ・ファミリア教会、グエル公園、ゴシック様式のバルセロナ大聖堂を見学しました。宗教建築から住宅、公園まで幅広く学んだ盛りだくさんの一日でした。
スペイン・フランス研修 1日目
「関西空港からスペイン・バルセロナへ」
2009年8月25日(火)
関西空港での出発前の様子
約16時間の長旅を経て、バルセロナ・プラット空港に到着
貸し切りバスでホテルに移動。2日目以降、見学先にはこのバスを使って移動します。
2009年の建築学科スペイン・フランス海外研修が始まりました。
初日は関西空港を出発し、スペインのバルセロナのホテルに到着しました。
これから9月7日まで、14日間にわたる旅がスタートします。
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