武庫川女子大学 建築学科・大学院建築学専攻
 2012年度 武庫川女子大学 トルコ文化研究センター 講演会

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東洋と西洋の架け橋
多様性国家トルコの歴史と繁栄について

講師:大村 幸弘 先生 
(中近東文化センター附属アナトリア考古学研究所長)

会場の様子
 大村幸弘先生(中近東文化センター附属アナトリア考古学研究所長)を講師としてお招きし、「東洋と西洋の架け橋 多様性国家トルコの歴史と繁栄について」というタイトルで講演会を開催しました。本講演会は公益財団法人 関西生産性本部と武庫川女子大学 トルコ文化研究センターとの共催で行われました。大村先生は中近東考古学をご専門とされており、トルコ中央部のカマン・カレホユック遺跡発掘調査等の指揮をとっておられる、日本を代表する考古学者です。

 ご講演ではまず、なぜ日本がトルコの真ん中で発掘調査をするのか、その意義について説明をいただきました。その後、アナトリア全体に脈々と続いている地母神の伝統や、アナトリアとギリシアの文化が融合するエフェソスにおけるアルテミス神の特徴、パウロによるキリスト教の布教の様子、当時のキリスト教徒の生活の様子、国家と宗教との関連、トルコ民族の移動やイスラム化の歴史などの説明をいただきながら、トルコの歴史におけるカッパドキアとアヤソフィアの位置づけやその重要性についてご教示をいただきました。質疑では、トルコ共和国の建国時に関する話題や現代のトルコが抱える問題、そしてトルコ民族の気質に至るまで幅広い内容が議論され、講演会は盛況のうちに終了いたしました。東西の文化や宗教がぶつかりあうダイナミックで壮大な歴史の一端を垣間見させていただいた、大変貴重な機会となりました。

大村幸弘先生 ご講演の様子
大村幸弘先生 ご講演の様子
日時
2013 1/18(金) 15:00〜17:00
会場
上甲子園キャンパス 甲子園会館 西ホール
西宮市戸崎町1-13 <JR「甲子園口」駅下車徒歩7分> >>甲子園会館へのアクセス
■参加対象者事前申込不要・入場無料 (学外の一般の方も参加可能です)
講師: 大村 幸弘 先生 (中近東文化センター附属アナトリア考古学研究所長)
プロフィール
1946年、岩手県盛岡市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。トルコ共和国アンカラ大学言語・歴史・地理学部中近東考古学科博士課程修了。専門は、中近東考古学、特にアナトリア考古学。72年以来、エジプト、トルコの発掘調査に従事。トルコのコルジュテペ、コンヤ・カラホユック、アンジョズ遺跡では、ヒッタイト、アッシリア商人の文化層を調査。85年からトルコ中央部のカマン・カレホユック遺跡発掘調査を指揮。古代中近東世界でこれまで未解明と言われてきた『暗黒時代』、『鉄器時代』の開始時期等をカマンの発掘調査を通して解明の糸口を探っている。2009年からはさらに、ヤッス遺跡、ビュクリュカレ遺跡発掘調査の総指揮を取り、ヒッタイト帝国に最も影響を与えたと言われるアッシリア商人のアナトリアにおける経済活動、『鉄と軽戦車』を駆使してエジプトと対峙したヒッタイト帝国の興亡の背景を探る。現在、(財)中近東文化センター附属アナトリア考古学研究所長。主著に『鉄を生みだした帝国』(日本放送出版協会)(第三回講談社ノンフィクション賞)、『アナトリア発掘記』(日本放送出版協会)(第二回パピルス賞)等がある。
■共催
公益財団法人 関西生産性本部
武庫川女子大学トルコ文化研究センター
■お問い合わせ先  
武庫川女子大学トルコ文化研究センター TEL: :0798-67-4501
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