武庫川女子大学東京センター主催の講演会シリーズ『わが国の近代建築の保存と再生』の第11回目の講演会「東京の近代建築」が、11月15日（土）に東京丸の内の日本工業倶楽部会館で行われました。今回は法政大学教授の陣内秀信氏、東京工業大学大学院教授の藤岡洋保氏のお二人をお招きしてご講演をいただきました。

　陣内秀信氏からは「水の側から見た東京の都市空間の変遷と近代建築」というタイトルでご講演をいただきました。海外には水際にすばらしい建築が立ち並ぶ都市が数多く存在しますが、日本の水際の西洋建築のほとんどはバブルの頃に消えてしまいました。水辺空間の重要性が見直されてきているいま、豊かな水の都市であった明治期の東京に学ぶ必要があると示されました。築地にあった外国人居留地をはじめ、水と遊びの空間との関係や、かつて水際に建っていた近代建築について説明いただきました。

　 藤岡洋保氏からは「近代の建築を通して見る東京の歴史」というタイトルでご講演をいただきました。時代背景と政策、建物との関係について、幕末から1960年代（東京オリンピック）までの間を、時代を追って説明いただきました。東京は、明治に首都になり、その後、関東大震災と戦災の2度の大災害にみまわれるという3つの不連続な局面がありながらも発展してきました。難しい課題に直面しながら、それを技術の進歩とアイデアやデザインによって乗り越えてきた近代東京の建築の歴史について、詳細にお話いただきました。

　今回も多くの方々にご来場いただき、誠にありがとうございました。今回から、日本各地の近代建築の紹介を企画し、東京の次は京都、続いて横浜と、日本全国を巡る予定です。次回は2015年2月7日（土）に「京都の近代建築」と題しまして、石田潤一郎氏（京都工芸繊維大学大学院教授）と中川理氏（京都工芸繊維大学大学院教授）をお招きします。どうぞご期待ください。  

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