武庫川女子大学 建築学科・大学院建築学専攻
 ■2014年度 特別公開講演会 入場無料・事前申込不要

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京町家と京都の都市景観
−京町家大工と伝統的都市景観の保存・再生の視点から―

講演者

荒木正亘 先生
(株式会社アラキ工務店取締役会長)

福島貞道 先生
(景観・都市政策研究所/福島建築法令事務所主宰)

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会場の様子
 

 京町家大工の荒木正亘先生(株式会社アラキ工務店取締役会長)、京都市において新景観政策の策定に携わられた福島貞道先生(景観・都市政策研究所/福島建築法令事務所主宰)を講師としてお招きし、「京町家と京都の都市景観−京町家大工と伝統的都市景観の保存・再生の視点から−」というタイトルで、11月29日(土)と12月13日(土)の2回に渡って講演会を開催しました。

 11月29日(土)には、荒木先生による講演「大工が語る京町家の魅力」、福島先生による講演「京都の伝統的景観の形成と現代都市の問題」が行われました。荒木先生からは、京町家の空間構成や木造技術、その背後にある生活の考え方等をご教示いただきました。京町家の外観や平面、仕口や継手などの特徴を解説いただくとともに、部屋はいつも片付ける、瓦は素人でも差替えできるなど、町家を介した様々な伝統的な生活様式の知識も教えていただきました。福島先生からは、京都の新景観政策ができるまでの背景をご教示いただきました。景観と、伝統・文化・歴史・安全等との関係についてお話いただくとともに、早くから景観を切り口とした街づくりを考えてきた京都の、これまでの取り組みを解説していただきました。そして産寧坂などの伝統的建造物群保存地区、町家などの伝統的木造建築や近代洋風建築など京都の歴史的魅力を教えていただくとともに、その町並みが変容し歴史的魅力が消失していく現代都市に対して、ご自身が携わられた条例などをご紹介いただきました。

  12月3日(土)には、荒木先生による講演「京町家大工の仕事と伝統構法」、福島先生による講演「京都の新景観政策による保存と再生」が行われました。荒木先生からは、まず京町家大工の仕事の内容を教えていただきました。ご自身の体験を踏まえながら、京町家に関わる大工の様々な知恵をお話いただくとともに、現代の大工の問題点もご指摘いただきました。また京町家の納まり等も具体的に教えていただきました。福島先生からは、京都の新景観政策についてご教示いただきました。高さ規制の見直し、デザイン基準の見直し、眺望景観・借景の保全、屋外広告物対策の強化、歴史的建造物の保全・再生といった5つの柱に関わる、具体的な考え方や取組み事例について解説していただきました。さらには新景観政策ができてからの京都の都市景観の現状と課題をご教示いただきました。

 京都の建築や都市を理解するための、様々なスケールや観点からのお話を2日間に渡ってお伺いすることができ、非常に貴重な機会となりました。  

 
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荒木先生 ご講演の様子
 
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福島先生 ご講演の様子
 
日時
第1回 2014/11/29(土) 13:00〜16:30
第2回 2014/12/13(土) 13:00〜16:30

 

会場
上甲子園キャンパス 建築スタジオ 講評室
西宮市戸崎町1-13 <JR「甲子園口」駅下車徒歩7分> >>上甲子園キャンパスへのアクセス
■参加対象者事前申込不要・入場無料 (学外の一般の方も参加可能です)
講演者
荒木正亘(あらき まさのぶ)先生
プロフィール
株式会社アラキ工務店取締役会長。元武庫川女子大学非常勤講師。昭和8年生まれ。昭和22年から大工の修行を始める。昭和30年父の経営する工務店(現アラキ工務店)後継者として入社。昭和48年法人化とともに代表取締役に就任。平成15年取締役会長、現在に至る。全京都建設協同組合顧問、京町家作事組副理事長、古材文化の会顧問、京都府現代の名工。
 
福島貞道(ふくしま さだみち)先生
プロフィール
景観・都市政策研究所/福島建築法令事務所主宰。武庫川女子大学非常勤講師。龍谷大学非常勤講師。1947年生まれ。1971年京都市に奉職。京都市において各行政分野に携わり、建築指導部長、都市景観部長、景観創生監を歴任。2008年3月に京都市を退職、公益財団法人京都市景観・まちづくりセンター専務理事(事務局長)を経て現在に至る。京都市において現在の京都の新景観政策の策定に携わる。

 

■問い合わせ先  
武庫川女子大学建築学科 TEL:0798-67-4501
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