武庫川女子大学 建築学科・大学院建築学専攻
■武庫川女子大学 建築学科・建築学専攻ニュース 
佐賀県東明館高校での建築学ガイダンス
「アートとしての建築学」新着

2010年3月23日(火)
 東明館高等学校は緑豊かな佐賀県基山町に位置し、昭和62年に設立された県内屈指の進学校です。社会有用の実践的人物の育成に力を注ぐ教育の一環として、21年度の授業最終日に建築学科長の岡?教授による進路選択のためのガイダンスが行われました。生徒達の意識啓発、自分の将来像発見とその実現に向けた積極的・挑戦的姿勢を身に付けることが目的で、当日は高校1年生と2年生の96名や保護者が参加しました。

  岡崎教授からは「建築は強・用・美の3つの要素からなり、人間の理性(強・用)に繋がる理系の科目と共に、感性(美)に繋がる芸術や歴史を学ぶことが必要です。美は個人の内面の表出です。建築は強く安全であり使いやすく快適な上に、美があって、はじめて建築となります。」「科学が非個性的で法則化されるほど普遍的であるのに対して、芸術は、内面の表出が個性的であるほどすばらしい芸術作品となり、個性的であるほど普遍的になります。」「皆さんが将来、国際人となるためには、日本、九州、佐賀や福岡について多く知っていることが海外の友人を作るためにも必要なことです。」などの建築や都市の本質に関わる話や、授業の事例、教員の研究活動など説明がなされました。 ガイダンスの最後に生徒と岡崎教授の間で活発な質疑応答が行われ、多くの生徒が建築に対して興味を持ち、理解を深めてくれました。

建築学科3年生 建築材料実験
会場の様子 多数の生徒が真剣に聴講
建築学科3年生 建築材料実験
ガイダンスの最後に生徒たちから様々な質問が寄せられました

ガイダンス終了後に生徒の皆さんが書いた、レベルの高いアンケートを以下に紹介します。

◆今の私たちの生活基準を維持するには、地球が2.5個必要であり、現在地球には大変な負担がかかっていて、未来の子どもたちが暮らせる状態ではなくなってきている。「もったいない」という日本独特の価値観をもっと大切にし、昔の生活に巻き戻すのではなく、環境問題と向き合いながら技術を進歩させるのが大切だと感じた。大学は勉強した人ではなく、勉強する人が来る場所で、はやく勉強したい事柄を決めて、勉強しに行きたい。                        

◆講演で質問させていただいた透視図の原理は非常に興味深かったです。ベルサイユ宮殿が良い例だと思いました。私が行ったときは斜めから見ていたので、ばらばらに配置されていたように感じたのですが、正面からの写真を見るとすばらしく調和が取れており感動したことを思い出しました。                        

◆中でも印象に残っているのは「強・用・美」についてです。「“強・用”だけでは施設に過ぎない」という言葉がすごく心に残っています。私は自然・周囲と調和している建築物にとても関心があります。ガイダンスの“京都の街並”の話には興味がもてました。

◆ピカソの絵など絵画から立体の造形が作られたと聞いて驚きました。今まで建築というのはとても難しいという印象が強くて、あまり興味が持てなかったけれど、興味が湧きました。                             

◆群集歩行や避難に建築が関わってくることに改めて気づいた。 強・用・美を考え建物を作るためには、計算力だけでなく美の意識も大切なのだと思った。感性(美)、聖、歴史なども必要だと理解した。(途中省略)…善という倫理の問題も大切だと思う。

◆日本の美はどんなものか、外国の美はどんなものか、とても関心深い問題点を説明していただきました。(途中省略)…個人的には建築(ART)はここの心の現われだと思っているので、もし建築学科に進学したら自分の心の現われを大切にしていきたいです。

◆建築は理系でないとダメだと思っていましたが、文系(の能力)も必要なのだと知りました。                              

◆過去と現在と未来の3つを見越していかないと建築学は成立しないことがわかった。

◆建築が実用面だけでは成立しないということがとても印象深かったです。美というものも地球環境のような人類の問題もはらんでいると思います。

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