イスファハーンは日本の京都のようなイランの古都、そこにあるイスファハーン大学工学部土木工学科のメハダット・ヘジャーズィー准教授が7月27日、本建築学科を訪れました。ヘジャーズィー先生は昨年9月に本キャンパスにお越しになり、今夏、日本の五重塔とイランのミナレットの比較研究のために、再来日されています。
午前中は、本学科の田川准教授が、五重塔とミナレットの構造について情報交換しました。日本の五重塔は、これまでの大地震で倒壊した例がありませんが、理由の1つとして心柱による制振効果が挙げられています。実際の五重塔の心柱は構造材ではありませんが、東京スカイツリーのように心柱による制振効果にヒントを得て設計された現代建築もあります。今後、五重塔とミナレットの構造に関して、共同して研究を進めていくことで合意しました。
午後から、大学院2年生の設計演習「折版構造による空間構築」と同1年生の「膜とスペースフレームによる空間構成」の講評会に参加して頂きました。同2年生の講評では、「デザインの核は‘折り紙’のコンセプトですが、最初のコンセプトから最終設計・制作まで学生たちは多大な労力を費やしてきたことがたくさんのスタディモデルを見れば分かります。最終成果物は素晴らしく、軽くて強く、短い時間で展開できる構造となっています。建築と構造がうまく融合しています。」との講評を頂きました。同1年生の講評会では、「スペースフレームと屋根膜から構成される子供のための空間という一つのコンセプトから、多様な設計案が生み出されたことに驚きました。建築と構造が良く調和した作品が多かった反面、力の釣合いについてより留意すべき作品も一部ありました。」との講評を頂きました。
学生が熱心に設計課題に取り組んでいるとともに、講評会に多数の教員が参加し、有意義な講評をしていることに興味を持って頂きました。改めて、本学科とイスファハーン大学との教員や学生の交流を強く希望されました。 |