15年ほど前だったでしょうか、スタンフォード大学の友人から、「日本の大学ではFDはどうなっているのか」 と聞かれ、何のことかさっぱり分かりませんでした。 「教員(ファカルティ)が啓発(デベロップメント)し合うことだよ」 と教えられましたが、その時はピンときませんでした。

いま、日本の大学・短期大学が直面している困難な状況を考えますと、FDほど大切なものはないと痛感しています。教員が学生一人ひとりを大切にし、 学生の能力を最大限に伸ばす教育を行わなければ、その大学・短期大学は消滅します。FDは、心のこもった質の高い教育を行うためのものです。

FDは、教員が、自分自身で、自分の授業・学生指導のあり方を直視することから始まります。教員が、自らを見て、考え、教員同士そして職員とも話し合い、学生の意見を聞き、 保護者やさまざまな人の見方を視野に入れ、授業改革を実践し、それを繰り返し、大学としてより高い目標に向かって進むのがFDです。

FDは空理空論の論議ではありません。困難な道ですが、情熱を注ぎ、ともに「FDロード」を歩みましょう。