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ゼミの風景J
〜多田容子さんを迎えて〜
大情 3回生 別所優良
大学からそう遠くない香枦園駅から歩いて10分ほどのところに、西宮市大谷美術館があります。4月16日、その和室、緑爽庵をゼミで借り切って、尼崎にお住まいの作家、多田容子さんをゲストに迎え、「阪神間の文化資源をふまえて、この地域をもっと文化的に魅力のある地域にするにはどうすればよいか」というテーマで話し合いました。

緑爽庵は二間つづきの和室で縁側もあり、池や和風庭園も見渡せる、とても落ち着いた雰囲気のところでした。こんなにも身近に、いつもの教室とはまったく違った空間があるんだと、とても驚きました。季節を感じさせてくれる桜の紅茶とツマガリのクッキーをいただきながら、くつろいだ場で話し合いがはじまりました。
多田さんは尼崎在住の時代小説作家で、手裏剣や剣道など古武術の手だれでもあります。99年に剣士の活躍と才能を内面に踏み込んで描いた剣豪小説『双眼』でデビューし、その後長編『柳影』では色里と武家を舞台に男女の影が織り成す物語、つづく『やみとり屋』ではダウンタウンのトークや作品、松本人志氏の著作を参考にした会話主体の作品展開と主人公の独白で綴る娯楽小説、『秘剣の黙示』では兵法の理と心の理を一体として描いたチャンバラ小説と、次々に時代小説の新しい局面を追求して来られました。
最新刊では、女性作家初の本格的忍者小説にして、その忍者の内面に踏み込んだ<精神の物語>でもある『甘水岩』で、オリジナリティーを遺憾なく発揮しておられます。また、『武術の創造力―技と術理から道具まで』という、古武術家・甲野善紀氏とのユニークな対談本では、時代劇や時代小説、古武術をめぐって、興味深いエピソードや多田さんのホンネが、自由な切り口で語られています。
緑爽庵ゼミでは、和服姿の多田さんが、古武術の型や昔の女性の着物姿での歩き方などを実際に見せてくださいました。昔の女性は今とは違った歩き方をしていて、同じ側の手と足を同時に出して歩いていたそうです。この歩き方をすることで、着物の着崩れを防ぎ、音を立てずに歩けると教えていただき、実際に見せていただくと、とても自然に歩いているように見え、納得させられました。
ほかにも多田さんの今までのご経験や、そこから学んだことなどを話していただき、今後の私たちについても色々とアドバイスをして下さいました。
時間も限られており、今回はテーマに沿った話し合いはできなかったけれど、これからも多田さんのような作家や才能のある人が増えていけば、阪神間も活気づき、魅力のある地域になっていくだろうと思いました。
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