博士後期課程 教育方針

ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)

本専攻博士後期課程では、本学の定める修業年限以上在学し、次のような能力・資質を備えた上で、10単位以上を修得し、かつ必要な研究指導を受けた上、博士論文の審査および最終試験に合格した者に対し、研究科委員会の意見を聴いて、学長が課程修了を認定します。課程修了が認定された者には、博士(看護学)の学位を授与します。
  1. 知識・理解
    社会の変化に対応した看護を推進するために、経験知から新たな理論知を創生し、看護実践と研究の連続的なスパイラルの中で思考・実践できる研究能力を有する。現任教育や看護学実習教育を担うことのできる教育研究能力を有する。
  2. 技能・表現
    看護学の発展に貢献するために、研究結果を学術集会や社会活動に発信し、それらの成果を実践の場に伝えることができる発信力と教育能力を身につけている。
  3. 思考・判断
    社会の変化に対応した看護を推進するために、経験知から新たな理論知を創生し、看護実践、看護教育と研究の連続的なスパイラルの中で思考に基づいて解決する方法を見出すことができる。
  4. 態度・志向性
    より幅広い視野で見識を深め、統合力・連携力・創造力と看護職のアイデンティティを基盤として、教育研究活動を個人の志向により自立して実践することができる。
  5. 多職種間連携能力
    より幅広い視野で見識を深め、統合力・連携力・創造力と看護職のアイデンティティを基盤として、教育研究活動を個人の志向により自立して実践することができる。

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

本専攻博士後期課程ではディプロマ・ポリシーを達成するために、次のような教育課程の方針に基づき、カリキュラムを編成します。

特別研究、共通教育科目および専門教育科目の3つの科目区分とし、論理的な思考を熟練させ、個々が抱いていた問題や課題を追求してエビデンスや理論を検証し、創生することによって新たな理論知を創り出し、それを社会に発信できる統合力・連携力・創造力を育成することができる教育課程を編成します。「共通教育科目」「専門教育科目」の学びと自らの経験を基に、「特別研究」では、明確化された研究疑問を実際に追究し、結果をまとめ発表することによって、個人の経験知は理論知へと進化し、看護におけるエビデンスや理論を活用・検証できる基礎的な能力を取得できると考えます。その能力は、今後、エビデンスや理論を創造・開発するにあたっての基盤となる能力となります。

  1. 「特別研究」は、必修科目として研究の中核となる科目であり、「特別研究Ⅰ」「特別研究Ⅱ」「特別研究Ⅲ」で編成します。学生は看護実践やフィールドワークを継続しながら、文献検討や調査等を行い、共通教育科目および専門教育科目での学びを統合し、個々の問題意識に基づいた研究疑問を明確にして疑問に応じた研究方法を検討し、研究計画立案にはじまる研究活動を積み重ね博士論文にまとめ上げていくプロセスを踏みます。さらに、それらを社会に発信できるまでの能力の育成を学年積上げ方式によって目指します。
  2. 共通教育科目は、実践に基づいて理論を探求し構築していくという連続的なスパイラルの中での思考を発展させる基盤となる科目で編成します。
    必修科目の「看護エビデンス特論」「看護理論探求特論」は、看護実践の場で理論知に裏付けられた経験知から、新たな理論知の創生への基本的な過程が学べる内容です。選択科目の「看護研究倫理特論」「社会連携看護ケア特論」「国際看護情勢特論」は、学生の関心のある課題に応じて選択することができ、より広い視野からその課題を検討することができるような内容です。
  3. 専門教育科目は、選択科目である「生涯発達看護学特講」と「広域実践看護学特講」で編成します。「生涯発達看護学特講」では、主として生涯発達の視点での対象および家族を理解し、様々な発達段階にある対象への看護上の課題を、「広域実践看護学特講」では、主として制度・施策と看護との関係について理解し、様々な健康状態にある対象への看護上の課題について具体的な研究過程に基づき、看護実践への活用や今後の研究の展開について教授します。

これらの科目は、看護学の様々な課題についての実際の研究事例からの学びをもとに、研究に関する多様な知識を得ることで視野を広げるとともに、看護学教育研究者としての自身の立つ位置を明確にし、今後取り組む研究におけるエビデンスや理論知を創生する意義や独自性・創造性の探求につながります。

アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)

ディプロマ・ポリシーをふまえ、次のような資質・能力を有する意欲ある人材を幅広く求めています。
  1. 経験知を理論知に進化させ、理論知を実践に活用・発展させていくことのできる論理的思考を身につけた人
  2. 看護実践の場での課題を見いだし、研究活動を継続していくことができる基礎的能力を有する人
  3. 看護実践の場での調整力や指導力を発揮し、看護実践および教育活動ができる能力を有する人
  4. 看護実践および教育での活動を通して、看護学の発展に寄与できる能力を有する人