学院長メッセージ

Message

学院長メッセージ

社会は今、女性の活躍を求めています。
その期待に応えるため、しっかりとした「力」を備えた学生を育てることが大学の責務です。
その「力」とは、「考える力」です。

学院創立の原点に立ち返って

武庫川学院の校祖・公江喜市郎先生は1939年、武庫川女子大学の前身となる武庫川高等女学校を創設しました。終戦間もなく学院は、大学・短大を順次開学し、自立した、社会に役立つ女性の育成を目指し、教育・研究の充実と教育環境の整備に努めてきました。

イギリスの人間形成に重きを置いた私学教育が本学創立の原点に

公江先生は、イギリスの私学のエリート教育に感銘を受けて理想の私学の創設を目指しました。視察で訪れたイギリスにおいて、イートン校などのパブリックスクールとオックスフォード、ケンブリッジ両大学を訪問しました。これらはイギリスでも、屈指のエリート教育をしていた学校です。公江先生は、イギリスの教育の柱は「豊富な知識や教養の伝授だけではなく、人間性を磨く場でもあった」と話しています。

公江先生は、女性の育成を建学の理想である「立学の精神」に込め、「高い知性、善美な情操、高雅な徳性を兼ね具(そな)えた有為な女性を育成するにある」と教育理念を掲げました。

本学は、「幅広い教養と豊かな人間性を育む全人教育を実践し、人・家庭・社会に貢献できる女性の育成を目指す」とする教育目標のもと、「主体性・論理性・実行力」を培う教育を推進し、優れた人材を社会に送り出してきました。

教育の本質は、知識や教養の伝授だけでなく、個を確立し自立させること

人間性を磨くうえで一番大切なことは何でしょうか。

いろいろなご意見があると思いますが、私は「個を確立すること。個人が自立すること」だと思います。それこそが根本的な教育課題であり、それを教育の場で支援していくことが、人間形成にとって非常に大切なことであると考えています。

今、社会で女性の一層の活躍が期待されています。それは、男性と対等に協働して活躍できる女性が求められているのだと思います。大学は、しっかりとした個を形成し力を備えた学生を育てなければなりません。その「力」の源は、深く「考える力」です。「考える力」は個人の価値観の形成と、個の形成や自立にとって不可欠です。考える力をどんどん鍛えて、社会で主体的に貢献できるように育てなければならないと思っています。

創立100周年を見据えて、教育の質の一層の向上に取り組みます

今日まで学院は、学生の皆さんの自立を促すため「規律を縮小し、自由闊達な校風」を目標に変化し続けています。

今年創立80周年を迎え、さらに100周年を見据えて、本学が発展していくためには、教育の質の向上が一層求められます。そのためには、学生一人ひとりに、深く物事を考える力を養わせ、一人ひとりの優れた個人・個を形成させ、そしてそれぞれの専門性を発揮させる教育に、教職員が一丸となって取り組んでいかねばならないと考えています。

学院長 大河原 量学院長 大河原 量