ユニシア―ド大会日本代表選考会

武庫川女子の快進撃に見る「女子新体操界の地殻変動」

椎名桂子様のヤフー記事より引用させて頂きました…

4月に行われるユニバーシアード予選は、とても予想が難しい。

昨年の全日本選手権では初の団体優勝を成し遂げた武庫川女子大学が、そのまますんなりとこのユニバーシアード予選を勝ち抜くとは、正直予想していなかった。

なにしろ、武庫川女子の団体登録メンバー6人のうち、昨年の全日本優勝メンバーに入っていたのは、川田弥佑(4年)、塚原青(2年)の2人だけだったのだから。普通に考えたら、「優勝メンバーの4年生が抜けて大幅に戦力ダウン」のはずだったのだ。

それが、今回のユニバーシアード予選で武庫川女子は圧巻の強さを見せた。



1日目の「ボール×5」では、各チームが一歩も譲らぬ名演技を見せる中、最後に登場し、「もしかして、ここが一番では?」と思わせるに足る演技を見せた。落下もなければ、移動もほぼ見られなかった。

演技のメリハリが素晴らしく、高難度の交換、連係がふんだんに組み込まれている中でも、表現も忘れない。

そんな演技で、20.450。東女の21.000には及ばなかったが2位につけ、2日目に十分逆転の可能性を残した。

そして、2日目。

団体競技は波乱の幕開けとなった。

「ボール×5」では素晴らしい演技を見せた中京大学、国士舘大学が、バタバタとミスの連鎖で自滅。

少し重苦しい空気の中で、武庫川女子の出番となった。
しかし、今回の武庫川女子は、そんな空気をはねのけて見せた。

中盤の連係で、背中ではね返したフープがやや短く、落下があった。が、それもダメージの少ない落とし方で、得点には響くが、印象は大きく損ねることのないミスだった。クラブのキャッチがやや待ったようなところや、減点になるかどうかのわずかな移動などもあったようにも感じたが、それらもすべてうまく対処し、演技をまとめあげた。

いや、「まとめた」という消極的なものではなく、彼女たちの演技は十分に攻めていた。とくにそれが顕著に表れていたのがステップだ。

現在のルールでは、ダンスステップコンビネーションは必須要素となってはいるが、なにしろ手具操作をどんどん詰め込むことが必要となっているので、ステップが埋もれてしまいがちな傾向にある。

ところが、武庫川女子のステップは、今どきの演技構成にしてはかなり贅沢に時間を使い、「ここぞ!」とばかりに表現を見せつける。

一目見ただけで、選手たちが「ここを見せたい!」と思って演じていることがわかる。そんな魅力的なステップが強く印象に残る、そんな演技だったのだ。

ミスの分の減点は免れないだろうが、いい演技だった。

「ボール×5」との2種目を高いレベルで揃え、武庫川女子の底知れぬ力を証明して見せる演技だった。

点数表示にかなり時間がかかったが、19.750という得点が出た。勝敗を分かれ目となるD得点は14.700。


 

 

2018全日本選手権団体総合優勝                                                            引用写真:清水綾子様



関西インカレ
                     

 Aチーム(川田弥祐  岸本美鈴 塚原青 圓山芽生 山脇陽菜) Bチーム(白井比登実 柴尾実那 池上優菜 藤原実央 毛利玲奈 片岡夕七)

                     

           太田のどか            山口琴可             岡島みなみ