2 知的障害の原因と疾病
◇生物学的要因と疾病例
1)感染 :(妊娠中)先天性風疹、トキソプラズマ症、梅毒
(出生後)脳炎、髄膜炎、
2)中毒 :(妊娠中)妊娠中毒(出生後)一酸化炭素中毒
3)外傷 :異常分娩に伴う仮死等による酸素欠乏や、機械的損傷、脳障害
4)代謝障害:フェニールケトン尿症:頭髪や皮膚の色素が少なく、筋肉硬直が見られる
クレチン病:乳児期前半の甲状腺ホルモン投与で知的障害を予防できる
5)新生物 :結節性硬化症、脳腫瘍
6)形態異常:小頭症、水頭症
7)染色体異常: ダウン症候群 [ビデオ9.1]
原因:染色体異常、通常21番目の常染色体数が3個(トリソミー)
で、正常より1個多いため全部で47個ある。
出現率:約 0.1 %
症状:特有な容貌(目尻の上がった細い目、厚い舌、短く低い鼻)
末端の発育不良、皮膚や筋肉の強度な弛緩
合併症: 心臓病 が多い
8)原因不明: 自閉症 (第5章「心の理論」参照 メRAINMANモ )
出現率:約 0.02〜0.05 %、 男児 に多い
診断:通常は生後 3 歳頃までに診断
症状:@ 対人関係の障害
「呼んでもふりむかない」「視線が合わない」
「他児に関心を示さない」など
A 意思伝達の障害
言語発達の遅れ、おうむ返し、独り言(気に入ったCMや歌など)
B 執着的・常同的な行動
こだわり(家具の配置や日常行動の順序など)、自己刺激行動
無理にやめさせるとパニックを起こすことも。
○およそ 70〜80 %に知的障害が見られる。
→見られない場合を 高機能自閉症 と呼ぶ
(アスペルガー症候群:(狭義には)意思伝達能力もある場合)
◇自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群をあわせて自閉症スペクトラムと呼ぶ
★サブメッセージ9.2:発達障害と診断されてもできることはある
子どもの可能性を信じよう
メインメッセージをもう一度
無知が差別を生み出す。発達障害を正しく理解しよう
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