この大学院は主として有職の社会人、たとえば学校の現職教員などを受け入れる共学の夜間大学院としてもユニークなものです。今日の教育はいじめ、不登校、学級崩壊など、多くの困難な問題をかかえていますが、そうした問題の研究と対応に当たる専門家の養成を、この大学院はねらっています。 この臨床教育学研究科は、教育研究所を基礎として設けられた経緯があり、教育研究所と臨床教育学研究科とは表裏一体の関係にあります。そのため研究所は研究科に直接関係のあるテーマ、たとえば臨床教育学の学問的性格や夜間大学院などの研究に取り組み、研究科とタイアップして各種の事業を実施してきました。しかしそれだけでなく研究所は独自のテーマ、例えば大学の生涯教育機能、大学生の私語、大学評価など大学教育に関するテーマを取り上げて研究し、その成果を「研究レポート」などを通して発表しています。現在はさらに中高一貫教育、学力問題、インターネット利用教育、女子大学の長所など、新しいテーマに取り組みつつあります。 研究所は固有の建物、事務室、図書室、実験室、カウンセリングルームなどを備え、多くの優れたスタッフをそろえています。それらを広く学院全体に開放して貢献するだけでなく、さらに広く地域社会やわが国の教育全体にも貢献したいと願っています。 |