染色加工学実験 |
授業目標: | 主たる繊維素材;もめん、羊毛、化合繊を、それぞれに常用される染料によって染色して、それぞれの染着挙動を観察と染着率測定を行い、それらの基本的な染色特性を理解する。また得られた染色布の染色堅牢度を測定するなどの実験実習を通して、「染色加工学」の講義内容の理解を深める。 |
科目内容: | 「染色」の実技と理論の基礎を系統的に知る実験講座である。 実際に染料を溶き、いろいろな繊維材料を自分で染め、染料が繊維に染まり着く過程を観察、測定することによって染色現象を実感する。また染め上がった染色物の「色」をみて、染色の進む様子を観察したり、堅牢度試験などにより、染色物の評価や取り扱い方を実習する。 |
授業計画: | 1 染色加工実験に入るまえに −実験室に入る心構え、安全について− 2 どの染料でどの繊維を染めることができるのか? 直接染料/酸性染料/塩基性染料/分散染料による木綿/羊毛/レーヨン/アセテート/ ナイロン/アクリル/ポリエステルの染色 (試料整理票提出) 繊維鑑別染料との関連性を知る。 〈以上 第2週まで〉 3 染まり具合(度合)を表すこと。測ってみること。 (1) 染色試料整理票を作成して、視感判定により等級づけする方法。〈第3週まで〉 (2) 測色により染色布の色濃度をK/S値で表し、色相を色度上に表す。〈第6週まで〉 (3) 容量分析法を復習し、吸光度測定法を実習する。 〈第8週〉 (4) 吸光度測定により、染着率を求めて染色速度曲線を描く。〈第8週〉 4 どのようにして染めるのか? なぜ染まる(染色機構)のか? (1) もめん(セルロース繊維)を直接染料で染める。(その際に添加塩の効果を調べる) 〈第3週〉 (2) もめんを反応染料で染める。(その際に塩とアルカリ濃度の効果を調べる)〈第4週〉 (3) 羊毛(蛋白質繊維)酸性染料で染める。(その際に酸濃度/添加塩の効果を調べる) 〈第9週〉(レポート−2提出) (4) 分散染料によって化合繊を染める。(アセテイト、ナイロン、アクリル、ポリエステルの 染色における染色温度の効果を調べる) 染色温度70〜120℃での各繊維への染着率を吸光度測定によって求める。 〈第10〜12週〉(レポート−3提出) 5 染色品の色落ち、色あせの度合を調べる。(染色堅牢度試験) 直接染料で黒色に染めた木綿布、反応染料で染めた木綿布の染色堅牢度試験を行う。その際 堅牢度改善のためにフィックス剤処理を試み、その効果をあわせて調べる。 〈第5〜7週〉(4(1)(2)もめん染色とあわせてレポート−1提出) |
評価方法: | 主としてレポート3通により評点(50点)を付ける。試料整理票などの提出物、出席点も加算する。(50点)(出席を重視し、グループ実験もあるので協調性を評価する)欠席は5点、遅刻早退は3点を基礎点より減ずる。 時限重視;時限切れのレポートは減点加算するので、著しい遅れは無効に等しい。 |
教科書: | 甫天正靖『LABORATORY COURSE in DYEING』(MWU) |
参考書: | D.G.Duff, R.S.Sinclair『GILES's Laboratory Course in Dyeing』(Soc.Dyers&Col.) |
留意事項: | 講義「染色加工学」と合わせ、同一学期に開設する一貫授業とする。両方の授業を履修することを必要とする。特別学期に特設された「染色の化学」において、建染染料、アゾイック染料、反応染料/木綿の染色実験はTAコース生は必ず受講しているものとして、ここでは染色実験を行わない。 |