和服設計実習 上田 一恵
授業目標:  平面構成衣服の代表である和服は一部式衣形態で袈裟式衣(垂領式衣)と称され南方型または温帯型・熱帯型と言われている。女物単衣長着のゆかたを通じ、長方形の布の柄合わせ、縫合方法、たたみ方、しまい方より着装を引き立たせる折り目など衣文化の深さを実感する。
科目内容:  一反の反物を数種の長方形に分断し、それらの布で身体を包むのに適するように縫合し長着(きもの)を作成する。布の扱い方から寸法設定の方法、柄あわせ、裁断の注意点、印つけの方法、手縫いによる基礎縫い、きせのかけ方、すべての布を継ぎ合わすと元の一反の反物に近いものに戻すことができるよう縫代と縫い込みを切り捨てないで処理をする。仕上げの方法、たたみ方、しまい方より「折り目正しく」着装することの大切さを理解し、帯の材質、柄、色の調和なども検討する。
授業計画:  大柄で最も柄合せの難しい「女物浴衣地」一反を用いて、柄合せの大切さと裁断、縫製を実習し、和服の構成的特徴を学んでほしい。
1 平面構成衣服について
  反物地の検反、検尺、地直しについて
2 構成布と寸法について
  寸法設定、柄合わせ
3 見積もり、裁断
4 しるしつけ、背縫い
5 袖つくり
6 肩当て、衽の襟下くけ
7 衽つけ、襟の準備
8 襟つけ
9 脇ぬい
10 裾くけ、いしきあて
11 袖つけ、仕上げ
12 整理、保管、着装について
評価方法: 平常点20点、提出物(両袖、両おくみ)20点、仕上げ提出およびレポート60点とで評価する。
教科書: 今松禮子他『大学課程 被服構成』建帛社
留意事項: 女物ゆかた地一反、裁縫用具一式が必要。