教育社会学 安東 由則
授業目標:  教育社会学におけるこれまでの研究成果の検討を通じて、教育社会学の考え方、捉え方の習得を図り、常識や憶測に囚われないモノの見方、考え方を身に付けることを目標とする。
科目内容:  果たして私たちは学校や教育についてどれほど知っているだろう。例えば、何のために私たちは毎日学校に行き、授業を受けなければならないのだろうか。学歴とは一体何であり、どうしてそれを競うのか。学校は平等だとされるが、性差や社会階層からみて本当に平等なのだろうか。平等でないとすればなぜそうなのか。
 このように、当たり前だと思い込んでいること、普段意識せず何気なく過ごしている事柄について、社会学の立場から考えていきたい。そうして、皆さんが学校や教育に対して持っている「当たり前」を考え直してみる機会にするとともに、今後の学校教育のあり方を考えていきたい。
授業計画: 1 はじめに:教育社会学とは何か
2 学校教育の発達と拡大
    機能主義理論、ネオ・マルクス主義理論、ネオ・ウェーバー学派の理論
3 教育と平等:教育は平等を促進しているのか(2回)
 (1) 社会階層による学力格差
 (2) 性差による教育機会の差異
4 学歴主義と学歴社会
5 問われている学校教育(3回)
 (1) 脱学校論の主張
 (2) 様々な問題の出現(不登校、いじめ、退学、非行)
 (3) 管理主義
6 今日の教師たち
    教師の置かれた現状、逆風の中の教師
7 現代家族と子どもの教育
    家族は変化したか、消費社会の中の家族
8 現代社会と子ども
9 今日の教育改革
    何が求められているのか、いかなる変革がなされているのか
10 まとめ
評価方法: 評価はレポートを基本とし、出席状況も加味する。
教科書: 新堀通也・加野芳正『教育社会学』玉川大学出版部 1987。
参考書: 苅谷剛彦『大衆教育社会のゆくえ』中公新書 1995、藤田英典『教育改革』岩波新書 1997、本田和子『変貌する子ども世界』中公新書 1999、その他授業で順次紹介する。