おとぎ話とお伽草子 黒柳 敦子
授業目標:  おとぎ話とお伽草子の違いを理解し、お伽草子を読解する。特に作品に描かれた女性達について中世という時代背景などを考え合わせた上で、中世の女性像を考える。
科目内容:  昔懐かしいおとぎ話。子どものお話だと思っていたおとぎ話は果たして子どものためのお話なのか。14世紀から17世紀、室町時代を中心に数百の短編物語が出現した。いわゆる「お伽草子」である。お伽草子からおとぎ話への歴史をひもとく。そしてお伽草子作品の読解にあたっては、そこに描かれている女性達に着目し、当時の女性像について考察をする。
授業計画: 1 お伽草子とは何か
   お伽草子の製作者、享受層について
2 おとぎ話とは何か
   巖谷小波について
3 『文正さうし』
   塩焼の文正の二人の娘、蓮華御前と蓮御前の結婚
4 『小町草紙』
   色好み、小野小町の老後
5 『唐糸さうし』
   源頼朝の暗殺を狙い捕えられた木曽義仲方の女房、唐糸と母を助けようとする娘万寿
6 『木幡狐』
   人間に恋をした狐の姫きしゆ御前
7 『猿源氏草紙』
   鰯売りに見初められた遊女、蛍火
8 『梵天国』
   夫の苦難を助ける梵天王の姫
9 『一寸法師』
   一寸法師の計略にはまった宰相の姫
10 『さいき』
   男が都で出会った女と国元の妻
11 『浦島太郎』
   女房が浦島太郎と結婚した理由
12 『横笛草紙』
   恋しい滝口に会うことかなわず身を投げた横笛
評価方法: 主として定期試験により評価するが、他に課題の提出状況、出席状況、受講態度、なども考慮する。
教科書: 市古貞次校注『御伽草子』上下巻 岩波文庫
参考書: 大島建彦校注・訳『日本古典文学全集 御伽草子』小学館 その他授業中に指示する。
留意事項: 私語厳禁。