児童文学の世界 平井知香子
授業目標:  児童文学の歴史を概観した後、資料収集、研究方法を学ぶ。最近の絵本の流行についても、実際の作品にふれながらその傾向、意義などを考える。最終的には、さまざまな児童文学作品を通じて学びとったものを創作(または研究)に生かす。
科目内容:  児童文学の豊かな世界を鑑賞する。子どもは昔おとなとともに語り伝えの文芸を楽しんでいた。児童の文学が領域を広げたのは18世紀から19世紀にかけてであり、その呼称が定着したのは20世紀になってからである。児童文学は今日、テレビ、コンピューターなどのメディアの発達に伴い、急激な変容を迫られている。児童文学の発展を辿り、子どもの未来にかかわる問題を<教育>と<遊び>の二点において考察したい。
授業計画: 1 児童文学研究の方法、資料・文献の紹介
 児童文学は子どもを対象とした文学のことであり、本質的には一般の文学となんらかかわりがない。しかし児童文学の成立は近年になってからのことで、その研究は今日盛んになったとはいえ十全ではない。いかなる資料を使い、どのような研究が可能なのであろうか?
2 児童文学の成立
 子どもは書物が普及するまでは、民話などの語り伝えの文芸を楽しんでいた。書物の出現により、児童文学は急速な発達を見せる。今日、テレビ・ゲーム・映画・漫画などの影響から児童文学は新たな変容をせまられている。児童文学の成立事情とその発展について考察する。
3 児童文学の流れ
 (1) 動物寓話→動物物語、動物文学の流れへ
   イソップ『寓話集』、『狐物語』、ラ・フォンテーヌ『寓話集』
 (2) 妖精物語→ファンタジーの流れへ
   シャルル・ペロー、ボーモン夫人、ジョルジュ・サンド、ルイス・キャロル、サン=テグジュペリなどの作品
 (3) 冒険的物語→冒険、探険小説への流れへ
   デフォー『ロビンソン・クルーソー』、スウィフト『ガリバー旅行記』
 (4) 創作童話
4 ファンタジーとリアリズムについて
  ありえないことをあるかもしれないと思わせるにはリアリズムの手法が必要であると言われる。
  その手法を具体例をあげて検証する。
5 日本の児童文学
 (1) 明治期  (2) 大正期  (3) 昭和期から現在
6 児童文学の未来
 時代が大きく変動してゆく中、児童文学は一体何処へ行くのだろうか?児童文学の未来とその可能性を考察する。
評価方法: 平常点(10点)とレポート(3回、60点)と授業中に実施する小テスト(1回、30点)とで評価する。
教科書: プリント配布