書道史A・B 菅野  勝
授業目標:  書道は漢字という文字を元に発展し、それに仮名が加わった。
 そうした文字の発展が、やがて美的表現へと進展してきた。
 漢字と仮名、その発展と、美的表現の歴史を追究する。
科目内容:  書道は、漢字と「かな」を書くことで、中国と日本を中心に発展してきた。
 その中、漢字は、中国において各種の書体の変遷を見、さらに多様な書風の名跡を世に残した。そして日本に伝来するや、独自の展開をし、更に「かな」を生み出し、時代による多彩な美の展開を見た。
 それらは貴重な文化遺産であるばかりでなく、学問的・芸術的資料である。
 そうした書道の歴史を究明し、その時代と人と作品の諸相を追究していく。
授業計画: 前期 1 中国及び日本の時代区分
   2 中国の文字の発生と甲骨文
   3 金文と篆書
   4 前漢と後漢の書と資料
   5 三国・西晋から東晋・南朝の書
   6 王羲之と王献之
   7 北朝の碑と造像記
   8 隋と太宋の書
   9 初唐の三大家とその書
   10 中唐・晩唐の書
   11 五代・宋代の書とその展開
   12 明・清の書から現代中国の書へ
後期 1 日本の書道史概観
   2 漢字の伝来と大和時代前後の書
   3 奈良時代とその書
   4 平安時代の書の概観
   5 三筆の書
   6 三跡の書
   7 かなの発生と展開
   8 室町時代から江戸初期の書
   9 江戸時代の書の諸相
   10 明治から昭和戦前の書
   11 戦後の書の諸相
   12 書体と書風。時代と人と書の考察
評価方法: 定期考査・鑑賞レポート等によって評価する。
留意事項: 通年履修が望ましい。