基礎化学実験B 升井 洋至
授業目標:  食物栄養学科においては、2年次以上でさらに食品学実験、生化学実験、調理学実験等をはじめとする多くの実験科目を履修する。そのため、基礎化学実験Bでは、基礎化学実験Aで習得した基礎的項目を再確認しながら、さらに簡単な機器の取り扱いを含めた実験の基礎的事項の理解を目指す。
科目内容:  定量分析について、中和滴定、酸化還元滴定、沈澱滴定から理解し、器具の科学的扱い方の基本を習得する。また、研究機器として汎用機器であるpHメーター、遠心分離機、分光光度計の取り扱い方についても、実験により理解、習得する。
授業計画: 1 基礎化学実験について
2 定量分析
 (1) 中和滴定
 基礎化学実験Aでの中和滴定を再確認しながら、「当量」について理解する。
 (2) 酸化・還元滴定
 野菜等に含まれるシュウ酸の定量は酸化・還元滴定により求めることができる。また、環境汚染の測定法として、河川水の化学的酸素要機ハの測定があるが、これらの実験を通じて、酸化・還元滴定について理解する。
 (3) 沈澱滴定
 Mohr法による食塩の定量を通じて、沈澱滴定について理解する。
 (4) その他
3 機器取り扱い法
 (1) pHメーター
 緩衝液について理解するとともに、緩衝液の調製を通じて、pH試験紙及びpHメーターの使用法を理解する。
 (2) 分光光度計・遠心分離機
 溶液の色と吸収スペクトル、Lambert-Beerの法則について
 Folin-Denis法によるサツマイモ中のフェノール性化合物を定量し、分光光度計・遠心分離機の使用法について理解する。
評価方法: 出席点、実験ごとに提出するリポート内容、実験への取り組み方等による総合判定により、合計100点とする。
教科書: 化学同人編集部『新版実験を安全に行うために』化学同人、配布プリント
参考書: R.A.デイら『定量分析化学』培風館、大学一般化学教育研究会編『21世紀の大学の基礎化学実験』学術図書出版 等
留意事項: 高校で化学を履修していない学生は、特に基礎化学実験Aの内容を復習し、積極的に質問すること。