生物有機化学 十一 元晴
授業目標:  生体内反応を化学反応として理解する。
科目内容:  生物学と有機化学との接点に跨った学際領域が、生物を目指した天然物化学や生体機能を手本にした有機化学等を含めて急速に発展してきた。生命という抽象的な色合いの濃い概念を扱ってきた生物学と物質としての分子を扱う有機化学を結ぶ生物有機化学は、常に生命を念頭にして、生き物の諸現象を有機化学的に解明するために重要な分野である。本講義では、生体での化学反応において重要な働きをする多くの活性物質の基本化合物であるヘテロ(複素)環化合物の基礎的性質を理解し、更にこれまでに有機化学で学んだ事柄と生体内反応との関連について講述し、化合物の生体内での反応、生体との相互作用などを有機反応論で解説したい。
授業計画: 1 ヘテロ環(複素環)化合物の化学
 (1) π過剰ヘテロ芳香環化合物の反応  (2) π欠如ヘテロ芳香環化合物の反応
 (3) 1,2−及び1,3−アゾール  (4) ヘテロ環化合物の合成
2 生物有機化学
 (1) 酸化・還元反応  (2) 炭素−炭素結合の生成・開裂  (3) 加水分解反応
 (4) 生体内反応の立体化学  (5) 酵素反応の反応機構
評価方法:  試験期間中に筆記試験(100点満点)を実施する。
教科書: プリント
参考書: 樹林千尋、秋葉光雄『ライフサイエンスの有機化学』三共出版
留意事項: 生化学T、Uで使用したテキストの構造式、反応式を参照すること。