二十世紀音楽の展望U |
授業目標: | 二十世紀以降に創作された音楽を総体的に採り上げ、時代を辿って紹介し考察する。現在の情報過多の時代にあって、創作音楽に対する蒙を啓き、指針を示し、日々変化し進展しつつある現代音楽の世界への見聞を広める。 |
科目内容: | 音楽の歴史を追う形で、作曲家を中心に据え、体系的に解説、鑑賞しながら進めていく。又必要に応じて、時代や社会、政治そして思想的状況、更に作曲家の生涯、作品の文学的内容や作曲の技法、と様々に視点を変えつつ多角的に論じる。 当講座「二十世紀音楽の展望U」では、第二次世界大戦後を対象範囲とする。 |
授業計画: | 1 戦後世界概観−− 第二次世界大戦とは何だったのか、そして戦後とはいかなる時代か。更に全世界史から観た二十世紀後半の時代とは。 2 現代音楽の諸相(1)−−ヨーロッパの前衛音楽 音楽の前衛とは何か。 3 現代音楽の諸相(2)−−アメリカの実験音楽 ジョン・ケージの偶然性による音楽。音楽における偶然とは何か。 4 現代音楽の諸相(3)−−テクノロジー(科学技術)を使った音楽 電子音楽、テープ音楽について。 5 現代音楽の諸相(4)−−前衛音楽の展開 クラスター音楽から直観音楽まで。クセナキス、リゲティ、ベリオ等。 6 現代音楽の諸相(5)−−実験音楽の展開 多彩なるアメリカ音楽。パーチ、ナンカロウからミニマル・ミュージックまで。 7 保守的な作曲家−−前衛、実験に与しない前世紀的な、或いは大衆的な作曲家について 8 ポピュラー音楽の発展(1)−−演歌からワールド・ミュージックまで、その定義と意味。 9 ポピュラー音楽の発展(2)−−多彩なるジャズ音楽。 マイルス、ジャレット、コリアからサン・ラ、デレク・ベイリーまで。 10 ポピュラー音楽の発展(3)−−ロック音楽の台頭 その形態と意味。ビートルズ、ストーンズからレッド・ツェッペリンまで。 11 環境音楽−−「環境音楽」を考える。 音楽の価値変化の一事例として。 12 日本の現代音楽−−松平頼則、武満徹、近藤譲、等。 13 音楽文化の行く末−−現在から未来へ 現代音楽の現在。伝統と創造。芸術と大衆。 |
評価方法: | 音楽聴取を含む二回の小テストと自由研究としてのレポート |
教科書: | 適宜プリント配布 |
参考書: | 適宜紹介 |
留意事項: | 主たる講義対象は「現代音楽」と呼ばれる、一般には殆ど知られていない音楽である。未知のもの、未聞のものへの強い興味を有し、新しい経験を欲する学生の受講を望む。尚、第二次大戦以前の音楽は「二十世紀音楽の展望T」で取り上げる。 |