攻撃性の心理 |
授業目標: | 人間の根源的な欲動である攻撃性を多面的に把握し、攻撃性の視点から現代社会の精神諸現象を理解する。 |
科目内容: | 人間の心の中には、愛する心と同時に憎む心も存在する。またものをつくりあげたい気持ちと、同時にすべてのものを破壊してみたいという気持ちも、また同時に存在する。それは人間のもつ自然な当然の心理であり、生きていくうえにおいて大切なエネルギーとなる。 この講座では一般社会ではマイナスとイメージ、あるいは恥じるべき心として捉えられている攻撃的な気持ちを、攻撃性=人間性といった観点に立ち、性格テストなども用い分析していく。 |
授業計画: | 1 攻撃性の定義と心の力動的把握 攻撃性には、暴力や争いなどの行動として現れる攻撃性や、敵意や憎しみ、妬みなど情緒として現れる攻撃性などがある。あるいは人と競い自分の能力を高めていく力や、独立心なども攻撃的な要素を秘めている。こういった心の諸現象を定義しながら力動的に把握する。 2 攻撃性の歴史的変化の概観 原始時代から現代にいたる、人間の攻撃性についての考え方を概観する。特にフロイトの生と死の欲動からそれ以後の展開について。 3 攻撃性表出の諸要因への検討 攻撃性の表出には、個々様々であるが、その形成の主要因を生育歴に求め事例を通じて考察する。 4 心の諸現象の分析 児童虐待や非行、家庭内暴力などの問題や、サディズムなどの性格についての分析を行う。 |
評価方法: | 期末試験(100点満点)により評価 |
教科書: | 岡田督『心理学−理論とその応用』ナカニシヤ出版 |