被服気候学 |
授業目標: | 被服は文化・社会的表現のための機能と、対自然的な快適さに適応するための機能を併せもつ。被服は体温調節の補助として有効な手段であり、被服の快適性は人間と関わってはじめて発揮・評価される性能であるので、「人間−被服−環境」の系において、被服気候の見地からみた快適さを追求することを目的とする。 |
科目内容: | 人間にとって「住居」と「被服」は二重のシェルターであり、外界環境や室内環境に気候があるように、被服内にも微気候がある。ここでは、まず人体の体温調節機構を知り、次に、気温・気湿・気流・輻射などの外界環境の温熱条件の理解を深める。さらに、そこに介在する被服を取り上げ、被服気候から評価される着心地のよい快適な衣服のための被服材料、デザイン、合理的で快適な着装のあり方などについて考えていく。 |
授業計画: | 1 被服の快適性と被服気候の位置づけ <第1週> 2 被服気候に関係する人体生理 <第2、3週> (1) 体温と皮膚温、産熱と放熱 (2) 人の体温調節機構 (3) 皮膚の働きと皮膚感覚 3 人と温熱環境 <第4、5週> (1) 温熱環境条件 (2) 日本の気候の特徴、および暑さ・寒さをす指標 4 被服材料の熱、水分、空気のトランスポート <第6、7、8週> (1) 被服材料の温熱特性 (2) 被服材料の水分特性 5 被服による気候調節 <第9、10、11週> (1) 着衣の熱抵抗の表し方 (2) 着衣形態・被服重量・被覆形態と被服気候 (3) 着衣の汚れ・着衣による圧迫と被服気候 (4) 最近の機能性素材と被服気候 6 被服気候からみた快適な被服への提言 <第12週> |
評価方法: | レポート点(20点)と試験期間中の筆記試験(80点)の合計(100点)で評価する。 |
教科書: | 大野静枝、他『被服衛生・機構学』朝倉書店 |
参考書: | 黒島晨汎『環境生理学』理工学社、中島利誠編『被服材料学』光生館 |
留意事項: | 1年次受講の「被服繊維学」や「被服材料学」で学習した繊維や被服材料の物性を復習しておくこと。テキスタイルアドバイザーの資格必修科目である。 |