教育方法の研究 | 出野 務 |
授業目標 | 教授・学習過程に関して、その原理や一般的理論をふまえながら、問題解決型の授業構成や指導のあり方の基本を理解させる。さらに、学校教育で必要な指導技術の基礎的な理解を図る。 |
科目内容 | 教育方法とは、教育の目標を達成し、教育の目的である人間形成を図るための道を意味する。この科目では、学校の教育活動を「方法」という視点からとらえる。「方法」と言った場合、教育内容や教材内容、教育評価、さらに生活指導や学級経営などの問題を含むが、この科目では、教授・学習指導の領域を中心として、教育課程とその構造、教授・学習活動のタイプ、学習指導や子どもの認識や発達についての基本原理から具体的な問題解決型の授業のあり方とその指導法を取り上げ、さらに指導技術としての視聴覚機器などの教育メディアの利用についても取り上げながら、教育方法を考えていく。 |
授業計画 |
1 §1.教育方法をめぐる課題 (1) 教育をどうとらえるかという視点からの課題 (2) 「生きる力」をどう育成するかという課題 (3) 知識注入型の授業から問題解決型の授業へ (4) 授業の成立と学習形態からの課題(一斉学習、小集団学習、個別学習) 2 §2.教育課程のあり方と類型 (1) 顕在的カリキュラムおよび潜在的カリキュラム (2) 児童中心カリキュラム (3) 学問中心カリキュラム 3 (4) 教材中心カリキュラム (5) 人間中心カリキュラム (6) その他のカリキュラム (7) 教育内容の選択、組織化の視点、日本の小学校学習指導要領(および幼稚園教育要領)の構造、総合的学習の時間の位置づけ 4 §3.学習指導の原理 (1) 子どもの発達と学習に関する古典的原理 5 (2) 教授・学習の基礎理論(経験主義、成熟観、認知説、構成主義の学習理論) 6 (3) 幼稚園から小学校高学年まで、子どもの発達にそった教育方法の基本的視点 7 §4.教授理論のあゆみとその類型 (1) 教授・学習過程の類型(無教示学習、講義法、系統学習、プログラム学習、問題解決学習、発見学習、完全習得学習、範例学習、民間教育団体の提唱する学習形態) 8 (2) 問題解決型の教授・学習過程 9 (3) 授業モデルを基にした問題解決型の授業のあり方の考察 10 §5.教授・学習過程の設計 (1) 教材の選択、教材の意味、教材の意義のとらえ方 (2) 指導計画の作成(学習指導案の作成の手順) (3) 指導技術(発問、説明、板書など) 11 §6.教育メディアと情報 (1) 教科書などの印刷メディアの利用 (2) 視聴覚機器の教育利用 (3) コンピュータの教育利用 12 §7.教育評価の課題と方法 (1) 現代の評価観と子どもの成長 (2) 授業の評価と授業技術の改善 |
評価方法 | 基本的には学期末試験(100点満点)による。 |
教 科 書 | 柴田義松『教育の方法』学文社 |
参 考 書 | 授業の進行にあわせて、適宜紹介する。 |
留意事項 | 教育が人間形成であるという視点から教育方法をとらえるため、内容には教育原理や教育心理学、教育史、教科教育で取り上げられる事項が含まれている。特に小学校の“授業”の抱える問題や課題をこの科目で意識化して他の専門教育科目につなげて欲しい。質問などがあれば、deno@mwu.mukogawa-u.ac.jpまで。 |