教育経営学 〈小コース〉 | 前原 健三 |
授業目標 | 教育経営学の視点より、@教育に関する社会的、制度的又は経営的事項に関する講義を通して、主にA初等教育〔小学校及び幼稚園教育〕の実践的基礎理論を学修すること。 |
科目内容 | 今日、学校教育をめぐっては、様々な病理的現象が指摘され、これらに対する対症療法的処置も施されつつあるが、根本的解決への見通しは立っていない。このことから、学校とりわけ教師への外在的批判が加速され、その変革を求められている。しかし、学校という教育空間に現象する児童・生徒と教師の病理現象は、それ自体にのみ起因するのではなく、むしろこれらを包囲している教育的環境の問題に強く起因するものと考えられる。本講義は、かかる観点より、児童・生徒と教師の共生空間としての〈学級〉にスポットをあてつつ、「望ましい学級経営の在り方」について、受講者の皆さんとともに、発表■討論を通して考察することを企図している。 |
授業計画 |
1 はじめに――本講義の目的と計画―― 2 問題提起――学級崩壊について考える―― 3 今、なぜどの子にも居場所がある学級づくりなのか (1) 居場所を探す子どもたち (2) 学級に居場所をつくる 4 子どもにとって、学級の居場所とは何か (1) いろいろな学級の居場所 (2) 集団次元からみた居場所 (3) 心理的次元からみた居場所 5 どの子にも居場所がある学級づくりと教師の構え (1) 学級の中の教師 (2) 課題達成面でのリーダーシップ (3) 人間関係管理面でのリーダーシップ 6 どの子にも居場所がある学級づくりの経営計画作成 ――1年を見通した学級経営と居場所づくり―― 7 どの子にも居場所がある学級づくりの手立て (1) 学級目標づくりの進め方・生かし方 (2) 学級組織づくりの進め方・生かし方 (3) 学級のモラル(集団規範)づくりの進め方・生かし方 (4) 学級行事づくりの進め方・生かし方 (5) 家庭との連携づくりの進め方・生かし方 8 どの子にも居場所がある学級づくりと授業改善 (1) 全員参加の授業づくりの進め方 (2) 個が尊重される授業づくりの進め方 (3) 認め合い・高め合いのある授業づくりの進め方 9 どの子にも居場所がある学級づくりの評価 (1) こころのつながりは、毎日の積み重ねから (2) よりよい学級づくりに向けて――学級づくりのチェックリスト―― 10 おわりに――わたしたちの学級経営論の創造―― (1) 授業を踏まえて、あなた自身の学級経営論を思い描いてみましょう。 (2) 「教育経営学」の授業のなかに、あなたの〈居場所〉はありましたか。 |
評価方法 |
1.平素の出席・学習状況(発言・発表・質問活動等) 2.レポートの提出状況などにより、総合的に評価する。 |
教 科 書 | 高旗正人編『どの子にも居場所がある学級づくり』明治図書 |
参 考 書 |
片岡徳雄編『個を生かす集団づくり』黎明書房 梶原康史著『教育経営と指導の断章』兵庫県青少年問題研究会 |
留意事項 | 本科目は、四年次後期に開講される「教職に関する科目」である。上記の授業計画を遂行するなかで、これまで履修してきた教職課程の学修過程を振り返るとともに、今後の進路や展望等について受講者の皆さんとともに考えたい。受講者の積極的発言や活発なディスカッションを期待する。 |