栄養生理学 | 鹿住 敏 |
授業目標 | 解剖生理学でも生理学的な面について触れるが、特に栄養学を理解するために必要な生理学を集中的に講義する。 |
科目内容 | 生体の構造と機能についての最も基本的な問題は解剖生理学で学ぶのであるが、時間の制約もあり、食物摂取に対する生体の反応について十分な探究はできない。しかし、これこそ栄養士として深い理解が要求されるものであり、独立の教科として学ぶ必要がある。 |
授業計画 |
1 血糖値の調節機構:摂食時と空腹時における血糖値の調節について、特に内分泌系との関係を検討し、長期におよぶ絶食状態についても考え、ケトン体の生理的意義を学ぶ。こうして始めて糖尿病についても深い理解が得られる。 2 食欲の調節:食物摂取がいかに調節されているのか、その研究の歴史にも触れながら学ぶ。肥満の発症機構についても考える。 3 膜消化:主に炭水化物とタンパク質の消化吸収機構について詳細に学ぶ。 4 消化管ホルモンによる調節:消化管は従来考えられてきたよりも、はるかに複雑であり、自律神経系とともに、多種類の消化管ホルモンによる調節を受けている。 5 エネルギー代謝の調節機構:生体代謝のなかでも最も基本的なエネルギー代謝の精妙な調節について学ぶ。ここでも肥満との関係は重要である。 6 脂質の消化吸収機構と血漿リポタンパク代謝:脂質の消化吸収はその疎水性のため、きわめて複雑である。また吸収後の脂質の代謝も複雑であり、動脈硬化の発症機構についても考える。 7 インスリンの作用障害(インスリン抵抗性) インスリンは血糖低下作用以外にも多くの生物学的作用を有し、この障害(インスリン抵抗性)が多くの疾病と関連する。 |
評価方法 | 試験期間中に筆記試験(100点満点)を行う。 |
教 科 書 | 中野昭一編『図説 からだの仕組みと働き』医歯薬出版 |
留意事項 | 教科書にない部分は、プリントを使っての講義。 |