有機合成化学 大石 義孝
授業目標  基礎的有機反応を電子論的に理解するとともに、それらを用いて目的とする化合物(医薬品)を合成するには、どのように進めてゆけばよいか(strategy)を考える。
科目内容  薬学での有機化学の位置づけは医薬品合成に必須の知識であるとともに、薬学部で講義される各分野の学問域を学ぶための基礎となっている。第1、第2年次で学んだ有機化学の中で、多岐にわたる多くの反応をみてきた。医薬品はこれらの反応を最適の順序で組み合わせ、さらに卓越した反応を盛り込みつつ創り出されている。局方品など重要度の高い医薬品がどの様に合成されているかについて基礎的な反応を重視して解説する。
 一方、医薬品の基本構造や特性のある官能基を検出する試験である局方確認試験を総括的に解説し、各医薬品の持つ基本構造と確認試験についても関連づけて解説する。
 また最近の医薬品合成には有機合成化学の最新、高度な学問成果が駆使されており、そこで合成された医薬品は有機化学の集大成から誕生した華とも言えるものがある。その2〜3の例もトピックス的に平易に紹介する。
授業計画 1 医薬品合成化学に関する問題
2 中枢神経系に作用する医薬品の合成
3 自律神経系に作用する医薬品の合成
4 オータコイド関連医薬品の合成
5 循環器系に作用する医薬品の合成
6 呼吸器系に作用する医薬品の合成
7 消化器系に関する医薬品の合成
評価方法 期末試験において60点以上を合格とする。
教 科 書 大石義孝、太田俊作、野手學『薬品製造学』(第6版)さんえい出版
参 考 書 山田俊一監修『薬学生のための有機合成化学』廣川書店
古賀憲司、古賀俊隆編『薬品製造学』南江堂

 close