臨床生理学 |
授業目標 | 生体内で起こっている現象(生命現象)を、物理的あるいは電気生理学的手法によって解釈するという考え方を理解することを第一の目標とする。特に臨床の場では、病態の診断に多大な力を発揮していることも具体的事例を挙げながら理解を深める。 |
科目内容 |
1 脳波検査・筋電図検査(担当;武田) 2 呼吸機能検査・血液ガスと酸塩基平衡(担当;中村) 3 心電図検査・心音図心機図・心臓および腹部超音波検査(担当;人位) |
授業計画 |
1 脳波(武田) (1) 脳波の歴史 (2) 脳の構造と機能 (3) 脳波の基礎的要素 (4) 正常脳波 (5) 年数による脳波の変化 (6) 睡眠脳波 (7) 異常脳波 (8) 異常脳波の賦活法 (9) 脳波の導出法 (10) 誘発電位 以上の事を、自験例(臨床にて経験した症例)などを参照に具体的に説明を加える。 2 筋電図(武田) (1) 筋電図とは (2) 導出法 (3) 正常筋電図 (4) 異常筋電図 (5) 誘発筋電図 (6) 筋電図の臨床的意義 以上の事を、具体的に、臨床的見地より説明する。 3 呼吸器系の検査(中村) (1) 呼吸生理の基礎 ア 形態との関連(呼吸器系の解倍) イ 呼吸の調節(呼吸中枢について) (2) 換気機能検査 ア 肺気量分画 イ スパイロメトリー ウ 最大呼気速度曲線 エ 残気量 (3) 換気力学 ア 肺コンプライアンス イ 気道抵抗と呼吸抵抗 (4) 肺内ガス分布 (5) 肺拡散能力 (6) 血液ガスと酸塩基平衡 以上の項目につき教科書にもとづき説明する。 4 心電図(人位) 生体臓器の活動を電気的現象として認識する電気生理学的検査のなかで、もっとも頻繁に実施されるのが心電図検査である。心筋の細胞のレベルでの電気活動から1個の臓器レベルの電気活動への統合、心臓の解剖学的特性と基本波形の関連、標準的導出法、多彩な病態における心電図の変化、負荷心電図など講義の内容は極めて広範にわたるため、一部内容は概説に止める。 5 心音図・心機図(人位) 心臓の活動を総合的に把握するために確立された検査法である。心電図、心音図、大動脈脈波、頸静脈脈波を同時記録し心臓の周期活動と各指標の関連について理解を深める。 6 心臓および腹部超音波検査(人位) 超音波検査の応用は、心臓のみならず腹部臓器をはじめ生体のあらゆる部位の病変の把握に拡大された。ここではおもに超音波検査の基本的原理から解説を試み、超音波検査によって得られた画像が何を意味するのかを考えて行く。 |
評価方法 |
定期試験は原則として多肢選択方式の筆記試験とする。(マークシート方式)100点満点。 再試験については一部通常筆記試験問題を採用するが原則定期試験に順ずる。100点満点。 |
教 科 書 | 椎名晋一他『新編臨床検査講座 17臨床生理学』医歯薬出版 |
参 考 書 | 大久保昭行『健康の地図帳』講談社(1997) |
留意事項 | 講義には医学専門用語が多用される。できれば別記参考書などで人体解剖学用語や生理学の基礎知識を習得されたい。 |