色彩情報論 | 甫天 正靖 |
授業目標 | 「色」について、科学的な要素に視点をおいて学ぶ。「色」を正確に表し、伝えるためのさまざまな方法とそれらの特徴を身につけ、色情報を処理する素養を身につける。 |
科目内容 |
「色彩」はファッション分野での流行色にとどまらず、現在ではあらゆる企業活動の分野において重大な役割を担っている。すなわち、企業の命運を決める商品開発、販売促進やCIなどの研究・製造・販売の各段階における企業活動は勿論、街づくりにみられる公共空間のデザインや都市計画の分野においても、「色彩」の効果的な使用に強い関心が寄せられ、色彩のもつ心理的効果の活用が重要視されるようになってきている。 色情報を取り扱う場合、五感の中でも最も定量化が進んだ「色」では、数十万色が測定により仕分けられる一方で、視覚言語(色名)では大まかに20〜30色程度を言い分けるにすぎない。際限なく多彩な「色」が溢れるなかで、「色」を正確に表し、伝えるために色情報を処理する素養を身につけることはきわめて意義深く、有益であろう。 |
授業計画 |
1 「色」とはなにか? 情報処理に関わる「色」とは? 2 光と色 (1) 光とは (2) 光の性質 (3) 光の色 (4) 分光分布(スペクトル) (5) 光の3原色と色材の3原色 (6) 物体の色(光の反射と吸収) ア 物体色と反射率スペクトルとの関係 イ 色材(顔料と染料) (7) 演色性 (8) 発光の種類 < 〜第3週 > 3 色覚のメカニズム −色を視る− (1) 眼の構造(眼、網膜、視細胞) (2) 色についての心理的機構 (3) 色覚の理論 < 〜第5週 > 4 色を混ぜる −混光と混色− (1) 光の加法混色 (2) 色材の減法混色 (3) 混色における反射率スペクトル < 〜第7週 > 5 色を表し、伝える −表色− (1) 色を表し方 (2) 色のなまえ (3) カラーオーダーシステム、表色系 ア マンセル表色系 イ PCCS ウ CCIC エ NCS オ オストワルト表色系 カ XYZ表色系 キ L*a*b*表色系 < 〜第9週 > 6 色を測る −色の測定と色差− (1) 均等色度図 (2) その他の表色系 (3) 測色(色の物理測定方法) (4) 色差 (5) カラーマッチング (6) メタメリズム < 〜第11週 > 7 色とイメージ、配色と色彩の調和 −色彩の心理的効果− 8 色彩の心理的評価 < 〜第12週 > |
評価方法 | 定期試験のみにより評点をつける。(100点) |
教 科 書 |
講義資料;色彩情報論テキスト『色彩学』(CD-ROMテキスト付き)を頒布する。 別に、副本(カラー版) 大井義雄・川崎秀昭 カラーコーディネート入門 『色彩』(日本色研)を購入して下さい。 |
留意事項 |
本講を受講した成果を商工会議所/カラーコーディネーター検定を受験して資格取得しておくことを奨励する。これを機に同検定1級を狙う者は共通教育科目「色彩学U」(カラーコーディネーション)を受講することは有効であろう。 造形・芸術系の「色彩学」と異なり、物理学・生理学等の科学を主体にした授業内容である。2年次前期に開講される「色彩情報演習A」において本講に関係する色彩計測/色情報処理実験を通じて、一層見識が深められることが期待される。 |