| 生活行動論 | 松野 精 |
| 授業目標 | 日常生活において意識せずに実現している生活行動を客観的・多面的にとらえなおし、その意味を考えると同時に、それがどのような構造をとおして社会とつながっているかをさぐることを通じて、自分の生活行動を客観的にとらえ、合理的な生活行動を導くための思考力をやしなう。 |
| 科目内容 | さまざまな生活行動を衣・食・住をはじめとする主な種別ごとに、その社会的・文化的意味をほりさげて考える。具体的・鋭角的に対象に切り込むため、原則として各行動種ごとに現代的な問題にかかわる特定の、一見特異なテーマを設け、学生の参加によって、できるだけ固定観念にゆらぎを与え、生活行動についての自分なりの考えを再編成するための契機となることをめざす。 |
| 授業計画 |
1 生活行動を考えるための道具箱:行動学、生態学、生活学、社会学、心理学、文化人類学などの方法的特徴を明らかにし、「生活行動」を考えるための「道具箱」を点検する。 2 To be,or not to be,that is the question:なぜ人は生きるのか、歴史的な思想家の生死観と彼らが唱えた生活上の行動規範を手がかりに、生死観と生活行動との関わりについて考える。 3 ダイエットとグルメ:ダイエットやグルメを糸口に、「食」についての古今東西の考え方と行動を参照しながら、わたしたち現代日本人の食行動の現在を考える。 4 茶髪とピアス:いつも世代間の意識の違いを浮き彫りにする身体の「装い」行動の分析を通じて、身体と「衣」の結びつきと社会的な意味について考える。 5 「うさぎ小屋」の生態学:現代日本人はかつて「うさぎ小屋」と呼ばれた住居の中でどんなモノと家庭景観に囲まれ、たとえばLDKでどんな振る舞いをしているか、資料を手がかりに考える。 6 仕事が楽しくなるとき:どんな仕事につきたいか、どんな仕事なら楽しいか、学生諸君に問いかけ、歴史的な労働観を顧みながら、現代日本の「仕事」の実像をふまえて、その将来を考える。 7 カイヨワ先生の知らなかったアソビ:遊び理論の古典・カイヨワの『遊びと人間』を読んで、そこに書いてない新しい遊びと分類軸を編み出すチャレンジを通じて現代の遊びと余暇を考える。 8 不易と流行:家庭の年中行事の現在と過去10年間の変容をたどって、伝統的な生活文化の継承に関わる行動の不易と流行を考える。 9 つきあい上手:ご近所づきあいからフォーマルな社交まで、つきあい上手の条件はなにか。時と場に応じたそのスキルの分析を通じて現代日本の社交の場とその特徴を考える。 10 お洒落なプレゼント:お歳暮やお中元のような慣習的な贈答が減る一方、新しい形の贈答習慣が広がっている。現代ではどんな贈答がお洒落なのか、それがお洒落な所以を分析する。 11 なにが善でなにが悪か:善悪の価値基準が揺らいでいると言われて久しい現在、若い世代は生活行動の指針をどこに求めているのだろうか。生活行動の規範の変化と現在を考える。 12 自然から遠く離れて:わたしたちの生活行動はどの程度自然から離れてきたか。自然との距離、という視点から生活行動を洗い直し、私たちが得たものと失ったものを考える。 |
| 評価方法 | 第2回から第11回までの10回の講義の際、毎回提出させるアンケートまたはミニレポートによって採点する。(10点×10回=100点) |
| 参 考 書 | 総務省統計局『社会生活基本調査』、ロジェ・カイヨワ著『遊びと人間』 |