言語学A・B 佐藤 勝之
授業目標  「日本語学概論」等で学習した言語研究の基礎を踏まえて、この講義では、より言語普遍的なアプローチからことばの諸相を考えるとともに、身につけた方法を用いて自ら具体的な言語分析が出来るようになることを目指す。
科目内容  下記のテキストを用いながら、形態論・統語論・意味論・語用論等、言語学の基本的な枠組みと方法を習得する。なお、音声学・音韻論に関しては専門の授業が用意されているので、適宜参照するにとどめる。
授業計画 言語学A(前期)
1・2 言語学の研究対象
   (1) ラングとパロール
   (2) 言語記号
   (3) 系列性と統合性
   (4) 通時的と共時的
3・4 日本語と言語学
   (1) 国語学と日本語学
   (2) 日本語学と言語学
5〜8 形態論
   (1) 形態素の認定
   (2) 形態素の種類
   (3) 異形態の交替
   (4) 形態的操作
   (5) 言語の類型
   (6) 文法的カテゴリー
9〜12 統語論
   (1) 文の分析
    ア 統語的構造
    イ 内心構造と外心構造
    ウ 直接構成素分析
    エ 生成文法
   (2) 単文の構造
   (3) 複文の構造
言語学B(後期)
1〜6 意味論
   (1) 語の意味
    ア 内容形式
    イ 意味成分
    ウ 指示作用
   (2) 文の意味
    ア 文の含意
    イ 述語と項
    ウ 意味関数
    エ 静止と移動
7〜12 語用論
   (1) 直示
    ア 人称直示
    イ 空間と時間の直示
    ウ 談話の直示
   (2) 推意
    ア 協調の原則
    イ 推意の方法
    ウ 比喩
   (3) 前提
    ア 前提の認定
    イ 論理的含意
   (4) 発話行為
    ア 遂行動詞
    イ 適切条件
    ウ 間接発話行為
   (5) 会話の規則
    ア 選択性の規則
    イ 丁寧さの原則
評価方法 各期末に筆記試験を課し、これを評価とする(100%)。ただし、練習問題の解答の提出等を評価に加える場合がある。
教 科 書 小泉保『日本語教師のための言語学入門』大修館書店 1993年

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