シラバス参照

年度 2005
科目名 日本の敬語
担当者名 佐竹 秀雄

科目目標
The Objectives
 敬語に関して、日本語学的観点からその意義と実態を学ぶとともに、社会生活の中で実際に活用しうる表現力を養うことを目指す。
授業内容
The Content of the Course
 現代語の敬語を、広く待遇表現として取り上げる。身の回りにおけるさまざまな待遇的表現を取り上げ、その言語行動の意味を考察し、敬語表現とのかかわりを考える。また、日本語で敬意を表すさまざまな表現を、学生自身が自らの体験の中で見出し、それを通して敬語を考えるという方法で授業を進める。
授業計画
Class Plan
1 講義内容、授業方針を説明、確認するとともに、敬語について、学生自身がこれまでにもっていた知識を洗い出す。
2 前時間に取り出した、敬語についての過去の知識を整理する。それによって、自分たちの敬語の知識がいかに断片的なものであるかを認識してもらう。
3 敬語の分類。特に、尊敬語、謙譲語、丁寧語の一般的な三分類の意味を講義し、それに加わるべき新たな概念を説明する。
4 前時間の理解度を確認するための復習テスト、および、敬語の構成法についての基本パターンを講義する。
5 敬語と待遇表現との関係について講義するとともに、敬語表現を取り巻く待遇表現にどのようなものがあるかを考える。
6 敬語表現における敬意の程度を認識するとともに、敬意の高い表現とはどのようなものかを、それぞれの体験を通して考察する。
7 学生各自が身の回りの人物に対してどのような呼称を使っているかを内省する。その結果を発表しあうことを通して、呼称の複雑さを認識する。
8 日本語の呼称システムとしてまとめられてきた理論を説明する。それと、自分たちの呼称の実態とを比較して検証する。
9 敬語の誤用とされている問題について、それに対してどのように考えるかを議論する。テーマは他人への呼びかけのありよう。「あなた」「わたし/わたくし」「○○課長」など。
10 前回の続き。テーマは謙譲語・尊敬語の問題。「あげる」「申される」「「うかがってください」「ご案内してください」など。
11 前回の続き。テーマは敬語のバランスと過剰敬語。「○○の人/○○の方」「お召し上がりになられる」など。
12 学生各自が、受講前にもっていた敬語の知識と、現在の敬語に対する知識や考えを比較して、それらの知識が体系的で、かつ実践で応用できるものになったかどうかを自己評価する。
評価方法
Evaluation Method
・レポート(70点)
・平常点(30点)
・レポートは、期末レポート2000字(400字詰め5枚)以上。平常点は、授業中、敬語について考察するので、それへの参加態度と復習テストの評価による。

教科書
Textbook
プリントを配布する。
指定図書
Reserved Books

参考書
Reference Books

留意事項
Special Class Information
ことばに興味をもっていることが第一の受講条件である。授業中に積極的な発言を求めるので、そのつもりで受講されたい。

シラバス参照