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年度 | 2005 |
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科目名 | 人とサルの間 |
担当者名 | 平崎 鋭矢 |
科目目標 The Objectives |
人間とは何か、というおそらく答の見つからない問に少しでも答えようとするなら、ひとつの方法
は、ヒトに最も近い動物である霊長類との比較研究を行うことだろう。この講義では、我々と他の 霊長類の共通点・相違点を論じることによって、ヒトについての理解を深めることを目標とする。 |
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授業内容 The Content of the Course |
本講義では、まずサル(霊長類)の生物学的特徴、生態、環境への適応、行動パターン等について
解説し、サルとヒトで異なる点および共通する点を明らかにする。次にヒトがどのような過程を経 てサルの仲間とは異なる身体的特徴や生態を獲得してきたのかについて論じ、それらを通して生物 としてのヒトについての理解を深める。 |
授業計画 Class Plan |
1 霊長類の分類と哺乳類の中での位置付け:生物の分類の基本的な考え方を概説した上で、哺乳
類の中におけるサルとヒト(霊長類)の位置づけを論じる。 2 様々なサルの紹介:霊長類には200種近い仲間がいる。その中にはとてもサルには見えないも のも含まれる。ヒデオ等を用いて代表的な霊長類を紹介し、霊長類グループの全体像を掴む。 3 霊長類の生物学的特徴と行動: (1)霊長類が他の哺乳類とどのような点で異なるのか、ビデオ等を用いて紹介する。 (2)霊長類の生物学的特徴の中でも、特に生殖活動について取り上げる。哺乳類の中でも特殊だ と言われるヒトを含む霊長類の生殖、出産を概観する。 4 ヒトとサルの違い: (1)移動運動(ロコモーション):霊長類は樹上に適応することで大きく進化した。我々の体に も樹上適応のなごりが数多く見られる。一方で、我々ヒトは特異的な直立二足歩行を発達させた。 ヒトとサルのロコモーションを比較し、その特徴を考える。 (2)社会構造:霊長類の社会、ヒトの社会、特に家族というものについて考える。 (3)脳神経:ヒトが持つ大きく複雑な脳の進化的背景を探る。 (4)言語:言語を持つのはヒトだけなのか。類人猿に言語を教える試みについて、ビデオ等を用 いて紹介する。 (5)文化:ヒト以外の霊長類が行う文化的行動について概説する。 5 霊長類とヒトの進化:我々ヒトが属する霊長類は約6500万年前に北米に現れたと言われてい る。その出現からヒトに至る進化を追う。 6 ヒトとサルを分けたもの:何故ヒトだけが他の霊長類から分かれ、ヒト独自の進化を遂げたの か。この問に対する答はもちろんまだ見つかっていない。講義では提唱されているいくつかの説を 紹介する。 7 チンパンジーとボノボについて:霊長類の中でも、これらの2種は最もヒトに近いといわれて いる。チンパンジーとボノボに関する研究成果いついてビデオ等を用いて紹介する。 |
評価方法 Evaluation Method |
・試験期間中に筆記試験を実施(70点) ・平常点(30点) |
教科書 Textbook |
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指定図書 Reserved Books |
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参考書 Reference Books |
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留意事項 Special Class Information |
特に無し。 |
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