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年度 2005
科目名 精神医学の世界
担当者名 ・小笠原 將之・車谷 隆宏・保坂 直昭

科目目標
The Objectives
 身体医学とは異なり、いささかイメージしにくいと思われる精神医学の領域に接してみることを
目的とする。臨床に則した内容の講義を、精神医療の現場で日々診療に携わっている精神科医師3
名が分担して行なう。
授業内容
The Content of the Course
精神医学的な人間理解の方法や治療の仕組みを概説した上で、「精神病・神経症・人格障害」「摂
食障害」「非行における精神的諸問題」「ストレス関連障害と社会精神医学」の各テーマについて
の臨床的・実際的な講義を行ない、精神医学の生きた世界に触れることを目指す。
授業計画
Class Plan
1 精神医学入門(2時間 担当:小笠原)
 乳児期からの人間の精神的発達過程を交えながら、精神医学的な人間理解について概説し、「こ
ころを病む」という事態がどのようにして人間に起ってくるのかを考察する。
2 精神療法(2時間 担当:小笠原)
 精神医学的治療には、精神療法・薬物療法・社会資源活用などの方法がある。ここでは、精神療
法的接近とはどのようなものか、また何故にそれが治療的に機能するのかを考察する。
3 精神病・神経症・人格障害(3時間 担当:小笠原)
 精神医療の対象となる具体的な疾病として、精神病(統合失調症・躁うつ病)・神経症、および
近年増加傾向にある人格障害に関して、各々の特徴や治療について概説する。
4 摂食障害(1時間 担当:小笠原)
 摂食障害とは、1960年代以降に主に若年女性の間で増加している。拒食・過食などの食行動の異
常を呈する疾患である。ここでは、摂食障害の特徴と、その背後の心理的・文化的要因などについ
て概説する。
5 非行における精神的諸問題(2時間 担当:車谷)
 少年非行には、家族機能の障害、虐待に伴なう病理、種々の発達障害や人格障害、薬物依存など
様々な問題が絡み合って存在している。これらに関して精神医療の観点から概説する。
6 ストレス関連障害と社会精神医学(2時間 担当:保坂)
 現代はストレス社会と言われ、不況や家族関係を含めた人間関係の悪化に伴い、ストレスに関連
した精神障害が増加傾向にある。また自殺者や精神障害に関連した犯罪も増加し、社会問題となっ
ている。ストレスに関連した精神障害と現代社会の関係について概説し、その社会・文化的な背景
について考察する。

※各テーマの講義順序・日程等については、初回講義時に改めて説明する。
評価方法
Evaluation Method
・皆出席の場合、平常点30点をレポートの評価点に加算する。レポートの評価点と平常点の合計が100点を超える場合の成績は100点とする。

教科書
Textbook

指定図書
Reserved Books

参考書
Reference Books
臨床精神医学/西村健・志水彰・武田雅俊/南山堂
心が身体を裏切る時/キャスリン.J.ゼルベ著 藤本淳三・井上洋一・水田一郎監訳/星和書店
留意事項
Special Class Information

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