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年度 2007
科目名 マーケティング戦略論
担当者名 赤岡 仁之


科目目標
The Objectives
 企業のマーケティング戦略の方向性を競争という視点から捉えていく。
授業内容
The Content of the Course
 複雑化、多様化の様相を呈しながら熾烈さを増してきた競争の側面から、企業戦略のあり方を考察する。ビール業界におけるキリンビールとアサヒビールとのドライ戦争などは我々の記憶に新しいところであるが、どのような方法で企業は戦略を構築し、他のライバル企業に戦いを挑んでいるかを解明する。できるだけ身近な事例を中心にして、企業の競争戦略を紹介していく。
授業計画
Class Plan
1.企業競争の概念
 高度成長期の終焉により、市場の全体的パイの拡大が困難になったため、企業は限られた市場需要を奪い合う競争に直面した。そのため、潜在的な需要を開拓していく間接的な競争から、直接、競争者をたたいてその取り分を奪う形の直接的な市場競争意識が企業行動の中核として生まれてきた。戦後から今日までの企業競争のあり方がどのように変化してきたかを考察する。
(1)マーケティングと競争 (2)近年における競争の変化
2.経営資源をベースとした競争戦略
 今日的な競争関係は、企業の保有している経営資源の量や質で四つのタイプに分類できる。すなわち、リーダー企業、チャレンジャー企業、フォロワー企業、ニッチャー企業であり、例えばファストフード市場におけるリーダー企業はマクドナルド、チャレンジャー企業はモスバーガーである。いくつかの業界を取り上げながら、各競争地位の最適な行動について考察する。 
(1)競争地位別戦略の概念と登場背景 (2)リーダー・チャレンジャーの戦略定石 (3)フォロワー・ニッチャーの戦略定石 (4)ケース研究@ファストフード市場(マクドナルドvsモスバーガー)
3.産業組織論をベースとした競争戦略
 競争を激化させる五つの構造要因から業界の中心的な構造特徴を見つけ出すことによって、業界の平均と比較した自社の長所と短所を発見し、戦略を策定していこうとするM.E.ポーターの諸説を中心に、産業組織論と競争の接点を考察する。
(1)産業組織論とは (2)ポーターの競争戦略
4.規格をめぐる競争
 古くは、家庭用VTR市場におけるVHS対ベータマックスの競争にみられるように、今日、標準化をめぐる競争に関心が高まっている。このような標準化はディファクト・スタンダードと呼ばれ、製品ライフサイクルの段階や市場における企業の競争地位を考慮しながら、競争と協調のバランスをいかに構築していくかという重要な問題を含んでいる。
(1)ディファクト・スタンダード (2)ケース研究Aファミコン市場(任天堂vsソニー)
(3)今日的規格競争の意義
5.清涼飲料水市場における競争
(1)日本の清涼飲料水市場の歴史とその特徴 (2)自動販売機をめぐる競争(ケース研究B缶コーヒー市場)(3)情報産業化していく清涼飲料水市場
評価方法
Evaluation Method
・平常点等(100点)
・授業中に実施する数回の小テスト(80点)と出席点(20点)の合計(100点)で評価する。

教科書
Textbook
プリント配布
指定図書
Reserved Books

参考書
Reference Books
和田充夫・恩蔵直人・三浦俊彦著/マーケティング競争/有斐閣
嶋口充輝・石井淳/現代マーケティング/有斐閣
ポーター/競争の戦略/ダイヤモンド社
留意事項
Special Class Information


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