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年度 | 2007 |
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科目名 | 臨床心理査定特論U |
担当者名 | 齊藤 文夫 |
科目目標 The Objectives |
心理臨床の実務で用いられるさまざまな心理検査を実習的に学ぶ。臨床場面における人格査定のあり方を学ぶとともに、査定で得られた所見を吟味・取捨選択した上で、査定結果を文書にまとめる能力を身につけることを目標とする。 |
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授業内容 The Content of the Course |
いくつかの心理検査を実際に体験しながら、さまざまな心理査定法の長短や有用性や限界を体験的に学ぶ。心理検査を実施するに当たっての実務者の倫理、心がまえ、礼儀作法を学ぶ。心理検査の所見を整理・吟味しつつ、それらを総合し、レポートにまとめることを学ぶ。 |
授業計画 Class Plan |
人の心は、知・情・意の3側面から成り立つといわれる。「知」(知能や学力)の側面を測定しようとするものが知能検査(学力検査も含まれよう)であり、「情・意」(性格や行動傾向)の側面を測定しようとするものが、性格(人格)検査である。運転適性検査や職業適性検査、子どもを対象とした発達検査なども、心理検査に含められよう。心理査定とは、これらの心理検査を活用しつつ、面接所見、行動観察、各種の関連資料や医学的諸検査などを総合した上で、なるべく的確に「その人」を理解し、個別的な処遇・指導・支援方針を策定するとともに、予後を判定しようとするものである。
1 心理査定の基礎事項(1):「人を知る」(個人差を理解すること)のむつかしさ/科学以前の 方法(星占い、人相、手相、骨相、筆跡、勘)/ 心理査定法の誕生(キャッテルのメンタル・テスト、ビネとシモンの知能検査)/ 「人を知る」ためのさまざまな方法 2 心理査定の基礎事項(2):心理テストの特質・効用・限界、テストの信頼性・妥当性・実用性 /心理テストの種類/テスト・バッテリー/被検者との信頼関係/実務者の倫理など 3 行動観察法:意図的・非意図的な観察/参与的観察/実験的観察/観察の手法と評価 4 知能検査法:ウェックスラー法(できれば、一部の実習も含める) 5 発達検査法:K式発達検査法(できれば、一部の実習も含める) 6 作業検査法:内田クレペリン精神作業検査など(できれば実習も含める) 7 性格検査法(1):さまざまな人格目録法(TEG、YGなど) 8 性格検査法(2):さまざまな投影法(TAT、バウム・テスト、風景構成法、SCTなど) 9 性格検査法(3):家族画の事例研究(非行少年の家族画) 10 性格検査法(4):風景構成法の事例研究(急性精神分裂病患者の治療過程など) 11 性格検査法(5):バウムテストの事例研究(さまざまな事例) 12 性格検査法(6):TATの事例研究(連続放火少年の事例など) 13 性格検査法(7):TATの事例研究(殺人犯人の事例など) 14 性格検査法(8):SCT(文章完成法)の事例研究(非行少年の事例など) 15 臨床心理学的レポートの書き方 以上の授業計画は、受講生の理解度、興味関心、時間的制約などに応じて、ある程度変更される ことがありえる。 |
評価方法 Evaluation Method |
・平常点等(100点) ・授業への積極的参加度(50点)及び特定課題のレポート(50点)を総合して評価する。 |
教科書 Textbook |
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指定図書 Reserved Books |
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参考書 Reference Books |
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留意事項 Special Class Information |
教科書や参考書等は特に指定しないが、参考文献は数多くある。自分でさまざまな文献を渉猟することが勉強になる。 |
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