シラバス参照 |
年度 | 2007 |
---|---|
科目名 | 文化人類学 |
担当者名 | 三浦 太郎 |
科目目標 The Objectives |
文化人類学は人間社会を先入観なく観察し、その仕組みを考える経験科学である。方法論や研究
領域は多様であるが、この授業では、なるべくなじみのある問題を例にとり、文化人類学の「もの の考え方」を体験していただきたいと考えている。 |
---|---|
授業内容 The Content of the Course |
文化人類学からみた美しさとみにくさの検討。こうした美意識という問題は、複雑であり、安易
な結論づけは困難である。しかし、何が美しく、何がみにくいかは、ある意味で、人間がその文化 におけるものの考え方の最も特色をなす点でもあろう。ここでは、特に女性という存在に対象をし ぼって検討を試みる。 |
授業計画 Class Plan |
1:文化の中における女性(2回)男性と女性は染色体のレベルでは、必ずしも大きな違いがある
とは言えない。しかし、社会生活においては、女性と男性の生き方には、本来の生物学的次元を越 えた相違が発生しているのが現状である。ここでは、あらためて現代社会における女性像を再検討 し、女性性が文化的に作り上げられている状況を理解したい。 2:ヒロインの文化的条件(2回)女性として美しき存在、つまりヒロインを考え、何がその人物 をヒロインとなしえたかについて考えてみる。特にその文化、その時代の社会的価値観念について は、充分に考慮に入れた上で、検討をすすめていく。 3:悪女の文化的条件(2回)女性としてみにくき存在、つまりいわゆる悪女について、同様の手 法で考察をすすめていく。 4:美しさとみにくさの相克(7回)ここでは何人かの実例をあげ、さまざまな文化における美し さとみにくさが、表裏一体のものであることを考えてみたい。トピックとしては映画を使用する予 定。用いる映画は最終的には受講生と相談の上決めたいが、いまのところ、スペイン文化に関する 「女王ファナ」、イタリアのシチリア島に関する「マレーナ」などを中心に選んでいく予定である。ある社会におけるヒロインは、ふとしたことで悪女にもなりうる、そういう文化における価値観の微妙さやあいまいさについて、考えてみたい。目先の流動的な価値観にふりまわされることなく、冷静で沈着な文化的洞察力を得るヒントを感じていただくことを目的とする。 |
評価方法 Evaluation Method |
・試験期間中に試験を実施(100点) |
教科書 Textbook |
|
指定図書 Reserved Books |
|
参考書 Reference Books |
|
留意事項 Special Class Information |
私語は厳禁します。筆記試験はそれぞれの個性のあらわれた答案を高く評価します。試験時の持ち
込みは自由です。いろいろくふうして、自分らしい楽しい答案を出して下さい。 |
シラバス参照 |