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年度 | 2007 |
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科目名 | 心の科学 |
担当者名 | 河合 優年 |
科目目標 The Objectives |
人間の「心(こころ)」は外からは見ることができない。では、このような主観的な存在である、見えない「こころ」はどのようにすればとらえられるのであろうか。この授業では、簡単な心理テストや実験を含めながらら、主観的な「心(こころ)」の存在を取り出してみる。 |
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授業内容 The Content of the Course |
本授業では、「心」の働きについて、その基礎的な領域を対象として、身の回りの事柄を例に取りながら理解を深めてゆく。なにげない日々の活動の中に、「心」の働きが反映されている。このような事象は、言われてみればなるほどと思えるものである。自ら内省したり体験することによってそれを実感してみることは、書物で学ぶ以上の価値があるかもしれない。 |
授業計画 Class Plan |
1.心の働きとそのとらえかた(導入): 「心の働き」その歴史的な展望とその現代的な意味
2.心を理解する方法: みえない「心」をどのように理解してきたのか。その方法と最新の研究などについてのべる。 3.知覚と認知(ものをとらえる働き): 私たちは外界をどのようにとりこんでいるのか。そのしくみと働きについてのべる。 4.学習について:私たちはどのようにして新しい物事を学習してゆくのだろうか。心は生まれたときは真っ白だという考え方がある。では、その真っ白なキャンバスに誰がどのようにして様々な物を書き込むのであろうか。学習は心の仕組みをしる重要な枠組みである。これについて考える。 5.欲求と動機付け: なぜ人は行動するのか、学習理論からは説明できない現象について考えてみる。 6.遺伝と環境について: 心が学習によってつくられるとしたら、そのような学習の方法は誰が教えているのだろうか。赤ちゃんの世界から見えてくる心の形成過程について考えてみる。 7.フラストレーションと葛藤: 思うことはすべてできるわけではない。人はさまざまなフラストレーションを感じている。心の悩みを引き起こす一つの要因である、フラストレーションと葛藤について述べる。 8.感情:心の働きの重要な側面が感情である。感情の表出と理解について考えてみる。 9.性格について: 人はみんな違うから楽しい。みんな同じ顔、同じ行動特徴を持っているとするとずいぶん奇妙な世界になりそうである。みんな違う、それでよい。簡単な性格検査をしながら、そのことについて考えてみる。 10.他者の存在とわたし: 一人では気にならないことも、他の人がいたりすると結構気になったりする。スポーツなどでのあがりも、この一つであろう。他者と自己をつなぐという、人間の心の働きの大きな側面について考える。 11.心の働きとその不調について: 心の働きはいつも順調というわけではない。何らかの変調を来した時に、人はどのような行動をするのだろうか。またそこからの復帰は可能なのだろうか。ここでは、臨床心理学的な側面について述べてみる。 12.脳科学とこころ:こころは私たちの意識という主観的な世界の中に存在するが、それらを作り出している機構として脳の存在は無視できない。脳科学はどこまで心の働きを解明してきたのかについて述べる。 13.まとめと討論: 心についてのこれまでの知見をまとめ、人間の不思議さについて考えてみる。 |
評価方法 Evaluation Method |
・レポート[作品含む](50点) ・平常点等(50点) ・本授業におけるレポートは、毎回の授業の最後に10分間の作成時間を設けて完成・提出するものとする。 |
教科書 Textbook |
参考資料を授業の中で配布する。 |
指定図書 Reserved Books |
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参考書 Reference Books |
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留意事項 Special Class Information |
本授業は毎回の振り返りレポート作成と出席を総合して評価します。授業の中で簡単な心理テストや実験を実施します。参考資料などはそのつど配付します。 |
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