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年度 2008
科目名 卒業研究TA
担当者名 松原 良治


科目目標
The Objectives
 3年次より所属するコースとは関係なしに、各学生が自分の興味・関心のある分野を選び、ゼミ形式で研究を進める。この科目の内容は担当者により異なるが、どのゼミにおいても最終的には研究のまとめとして論文を提出する。3・4年次を通して同じ担当者が指導する。
授業内容
The Content of the Course
『英語学概論』(西光義弘他著 くろしお出版)を基本図書として、英語学、言語学の諸分野に関する基本的な知識を習得し、ことばの諸相について考える。また現代英語の様々な言語現象に注目し、その歴史的プロセスを考えることによって「英語やことば一般」への理解を深め、4年次の卒業論文のテーマの絞り込みを目指す。
授業計画
Class Plan
 開講当初の5回は担当教員による英語学(言語学)に関する講義を通して、英語の研究方法、
共時的・通時的などの研究の姿勢(態度)、英語学の各分野、関連分野などを概観する。
この後学生諸君が、各自の担当箇所(分野)を輪番で発表し、ゼミ全体で質疑応答の後、担当
教員によるより専門的で詳細な説明や解説を受ける形で授業を進めて行く。

1. 序論 言葉の仕組みとその研究
   (1)言語研究の歴史と言語理論 (ア)共時的言語研究(イ)通時的言語研究 
   (2)言語獲得について

2. 英語の歴史 (1)英語の史的発展の背景:英語以前・英語の史的変遷(2)古英語期
   (3)中英語期(4)近代英語期(5)現代英語(6)世界の英語

3. 音声学:英語と言語音 (1)音声の長音と表記、強弱、イントネーションについて 
   (2)音響音声学

4. 英語の音韻体系(1)弁別素性 (2)音素と異音 (3)音節 (4)音声変化とその規則

【参考】(以下は「卒業研究IB」にて継続する)
5. 形態論:語の成り立ち (1)意味の最小単位 (2)語形成と語彙目録 (3)形態素の種
   類と特徴(4)単語内部構造 (5)単語内部情報伝達の仕組み (6)様々な語形成の過程
6. 統語論:英語の構造 (1)学校文法(2)伝統文法(3)記述文法(4)変形生成文法 
   (5)機能文法
7. 意味論・語用論(1)各種意味論の概説(2)認知意味論のアプローチ(メタファー理論)
   (3)文脈における言語の使用(4)ポライトネスと謝罪
8. 日英対照言語学:普遍文法と日英語の比較(1)自然言語の中の英語 (2)言語の普遍性と
   普遍文法 (3)普遍文法から見た日本語と英語
9. 英語コミュニケーション論:意味伝達の仕組み (1)意味伝達 (2)言語の意味とは?
   (3)英語における丁寧語表現 (4)コミュニケーション・ストラテジー
10.社会の中の英語:英語の多様性 (1)様々な英語 (2)地域的変種 (3)社会的変種
11.言語獲得と外国語学習:言葉の獲得と学習の仕組み
評価方法
Evaluation Method
・レポート[作品含む](50点)
・平常点等(50点) 配点内訳:口頭発表40点、出席等授業への参加・貢献(10点)

教科書
Textbook
西光義弘他/日英対照による英語学概論(増補版)/くろしお出版
指定図書
Reserved Books

参考書
Reference Books

留意事項
Special Class Information
言語学・英語学の基礎的な知識を習得し、偏在している「ことば」の様々な現象に注意することが新しい発見につながる。ゼミ生諸君の「ことば」に対する鋭敏な感受性を培う努力に期待する。

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