薬剤学関連科目で習った事柄の中で特に重要と考えられる項目について、実習を行うことによりさらに理解を深めることを目的とする。

　医薬品の生体内および生体外での動態をモデル実験を行って理解する。また、局方の各種製剤を調製し、それらの製剤について規定されている試験法を行い、より有効な、より安全な製剤について理解を深める。

１　実習講義
　　実習内容、実習方法、データの解析方法など、実習に関する導入講義を行う。
２　臨床薬物速度論基礎実習
　　１−コンパートメントモデル（急速静注、点滴静注、経口投与、繰り返し静注）、２−コン
　　パートメントモデル（急速静注）について流水力学系モデルを用いて実習を行う。得られた
　　データを用いて計算機による手計算で各パラメータを算出する。
３　コンピュータを用いて実習データーの解析
　　実習２で得られたデータをコンピューターを用いて各パラメータを求め、手計算結果と比較
　　する。
４　顆粒の製造と製剤試験
　　押し出し造粒機を用いて顆粒を製造する。顆粒の粒度分布や粉体の流動性、充てん性ならびに
　　水分測定を行い、顆粒や粉体特性について理解を深める。
５　錠剤の製造と製剤試験
　　直接圧縮法により錠剤を製造し、出来上がった錠剤について錠剤試験（重量偏差、硬度、摩損
　　度、崩壊試験など）を行う。また、市販の錠剤を用いて溶出試験を行う。
６　薬物安定性試験
　　種々温度およびpHにおけるアスピリンの分解を測定し、分解速度定数を算出、安定化を図るた
　　めの方法を考察する。　
７　溶解速度の測定・複合体形成
　　サルファ剤を用いて種々pHの溶液に対する溶解速度を測定する。また、ベンゾカインとカフェ
　　インとの複合体形成を溶解度法により測定する。
８　界面活性剤の性質の測定
　　界面活性剤の臨界ミセル濃度（c.m.c)やKraft点の測定を行う。
９　液剤の調製
　　注射剤の浸透圧の測定や等張化を行う。また、局方の液剤の調製を行う。
10　半固形製剤の調製
　　局方に収載されている半固形製剤（軟膏剤）を調製し、製剤試験を行う。
　　

・レポート[作品含む](30点)
・平常点等(70点)　配点内訳：実習態度１０点、実習テスト60点

高橋幸一/医療薬学実習IVプリント/薬剤学研究室編