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年度 | 2009 |
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科目名 | 犯罪心理学特論 |
担当者名 | 齊藤 文夫 |
科目目標 The Objectives |
犯罪・非行を理解するための諸理論を概観する。犯罪非行臨床の現場における実務者の仕事や関連する諸法令を学ぶ。非行少年や犯罪者の人格査定法を学ぶともに、さまざまな矯正処遇法を知る。併せて、犯罪非行臨床に関わる今日的な話題のいくつかについて学ぶ。 |
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授業内容 The Content of the Course |
犯罪非行臨床の実務においては、特定の犯罪理論に依拠するというよりは、多次元的な観点から一人ひとりの犯罪者や非行少年の問題性を理解し、個別的な理解に基づく矯正処遇を模索する。さまざまな犯罪理論を概観した後、犯罪非行臨床の実務や関連する諸法令を、事例研究や視聴覚教材も活用しつつ講義する。さらに、今日的な関連トピックスをいくつか取り上げる。 |
授業計画 Class Plan |
犯罪や非行を理解するための諸学説には、心理学的なもののほか、生物学的・精神医学的・文化的・社会学的なものなど、さまざまなものがある。これらの諸説はそれぞれに有用なものではあるが、現実の個々の犯罪者や非行少年の逸脱行動は、いずれかひとつの理論で説明できるといったものではない。犯罪非行臨床においては、これら諸理論を援用しつつ、多角的・多面的な視点から一人ひとりの犯罪者や非行少年を理解しようとする。そうした立場を「多次元的理解」という。多次元的理解の観点から、一人ひとりにもっともふさわしい処遇を見出そうとする点で、犯罪非行臨床は、福祉や医療におけるケースワークとも似ている。
本特論においては、次のような授業計画で、全15回の講義を進めていく予定である。 1 反社会的逸脱行動を理解するための基礎(4回) (1) 犯罪とは何か (2) 近代以前の罪と罰/フランス革命と近代刑法の誕生 (3) 古典学派と実証学派 (4) 犯罪人類学・犯罪生物学・犯罪精神医学 (5) 犯罪心理学/力動的心理学/行動主義的学習論 (6) 犯罪社会学 2 犯罪者や非行少年の個別的理解(5回) (1) 犯罪非行臨床における心理アセスメントの進め方 (2) 心理検査から見た犯罪者や非行少年の人格特性 −いくつかの事例研究− 3 矯正処遇における心理臨床的な援助・矯正技法(2回) (1) ロールレタリング (2) 内観療法 4 犯罪や少年非行に関わる心理臨床実務と関連する諸法令(1回) 警察/裁判所/矯正施設(少年鑑別所、少年院、刑務所)/保護観察所 5 少年非行と少年法(1回) 6 触法精神障害者をめぐる諸問題(1回) 7 犯罪非行臨床の実務者に求められる「リーガル・マインド」と倫理(1回) 以上の授業計画は、学生の理解度や興味関心、あるいは時間的制約によりある程度変更されることがある。 |
評価方法 Evaluation Method |
・平常点等(100点) 配点内訳:授業への積極的参加度(50点)及び授業時間中に実施する小テスト(50点)で評価する。 |
教科書 Textbook |
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指定図書 Reserved Books |
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参考書 Reference Books |
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留意事項 Special Class Information |
教科書や参考書等は特に指定しない。自分でさまざまな文献を渉猟することが勉強になる。 |
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