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年度 2009
科目名 病院薬局管理学
担当者名 東海林 徹


科目目標
The Objectives
 静脈栄養および経腸栄養に関する知識を習得し、薬剤管理指導業務をさらに発展させ、加えて
NSTにおいて薬剤師として知っておくべき知識を身につける。
授業内容
The Content of the Course
 1.輸液製剤の特徴を知る。2.輸液投与時細胞内外の水の移動を学習。3.静脈栄養の処方設計のための基礎としてカロリー、三大栄養素の組み立て方を学習。4.輸液をベースとした配合変化の知識を身につける。5.immunonutritionを理解。6.輸液フィルターの異物除去機序と有用性について習得。7.薬剤と栄養素との相互作用を学習。8.NSTを通してチーム医療を学習。
授業計画
Class Plan
1. 輸液製剤の特徴:輸液製剤には等張液としての細胞外液補充液、低張液としての維持輸液、
  末梢性栄養輸液、高カロリー輸液、アミノ酸輸液および脂肪乳輸液がある。これら製剤の
  特徴を示すと共に亜硫酸塩や酸などの添加剤についても講義する。
2. 輸液投与時の細胞内外の水の移動:体内の水は体重の60%を示し、細胞内と細胞外に分布
  している。さらに細胞外液は、組織間質液と血漿とに分けられる。細胞外液補充液投与時
  には、細胞外液にのみ水が負荷されるが、維持輸液投与時には細胞内にも水が負荷される
  ことになる。脱水時にどちらを選択するかが重要になる。
3. カロリー、三大栄養素の組み立て方:投与カロリーはハリスベネディクトの計算式を用いて
  求める。アミノ酸はN/NPCで求め、糖質としてグルコースを選択し、4〜5mg/kg/minの投与
  速度になるように計算する。最後には脂肪は投与カロリーの20%程度を目安として、グル
  コースで補えなかった分を含めた量とする。水は体重当たり30mlとして、脱水状態を加味
  して加減する。
4. 配合変化:臨床上で問題が生じた注射剤の配合変化を解説して、回避方法を提示する。
5. Immunonutrition:免疫は栄養の低下と共に破綻するが、栄養を静脈からのみの補給では、
  小腸機能の低下に伴う腸免疫の低下により感染が引き起こされる。栄養療法を運用することで
  感染の機会が減少することが知られており、このような栄養療法をimmunonutritionと称し
  ている。ここでは、immunonutritionの重要性について講義する。
6. 輸液フィルターの有用性:輸液フィルターの細菌および異物除去のメカニズムについて
  講義する。さらに静脈栄養療法時における輸液フィルターの有用性について解説する。
7. 薬剤と栄養素との相互作用:薬剤も栄養素も小腸から吸収される。したがって同時に摂取
  した場合には、相互作用がおこる。ここでは、そのメカニズムについて講義する。
8. NST:チーム医療としてのNSTに参画するための知識をまとめとして講義する。
評価方法
Evaluation Method
・レポート[作品含む](100点)

教科書
Textbook
プリントを配布する。
指定図書
Reserved Books

参考書
Reference Books
東海林徹他編集/薬局臨時増刊「Q and Aで学ぶ栄養療法と薬学管理」/南山堂
留意事項
Special Class Information


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