シラバス参照

年度 2009
科目名 生と死の現在
担当者名 佐藤 幸治


科目目標
The Objectives
現代社会における科学技術の進展は多くの領域でさまざまな問題を生みだしている。臨床医療の現場においても生命に関する倫理が問われることは多い。それは人間の概念そのものをも変えかねない情勢だ。このような状況下の生命倫理の諸問題を考える。
授業内容
The Content of the Course
生命倫理の諸問題のなかで誕生と死の問題に限定したい。老化や医療の問題も若干は触れていくが、授業の中心は、生殖革命といわれる医療技術の現状、人工妊娠中絶、自殺や安楽死の是非の検討、さらに脳死と臓器移植の関連性とその判断などを検証する。
授業計画
Class Plan
1 人間と生命の由来 − 人間とは何か、生命とは何か、宇宙における生命と人間の位置
2 性と死の由来 − 有性生殖と性と死の相関関係について
3 ヒトゲノム − 現在どこまで解明されているのか
4 X染色体とY染色体 − 細胞の基礎(体細胞・生殖細胞)
5 性差(男女の相違点)・性比(男女の人口比)、ネオテニー(幼態成熟としての人間)、人間の誕生(胎内の人間)
6 生殖革命 − 人工授精・体外授精・代理母
7 人工妊娠中絶 − 現代におけるその変容
8 死の起源 − ネクローシスとアポトーシス、人間はなぜ死ななければならないのか(生物は必ず死ぬわけではない)、今日における人間の死因
9 老化と病気 − 老化とは何か、老化現象について、人間と病原体(黴菌・ウイルス・タンパク質)の戦い
10 痛みの問題 − SOLとQOL、パーソン論、インフォームド・コンセント
11 自殺と安楽死 − 自殺の是非、森鴎外『高瀬舟』、安楽死の定義と種類
12 癌をめぐる諸問題 − 告知と「知る権利・知らない権利・知られない権利」、検診・手術・抗癌剤(モルヒネ)
13 心臓死から脳死へ − 世界の葬法(土葬・火葬・水葬・野葬・林葬)、宗教が語る死後の世界
14 脳死と臓器移植 − その現実と問題点、脳死の六条件、諸外国の事情、ドナー(供給)とレシピエント(需要)
15 生命倫理の諸問題
評価方法
Evaluation Method
・レポート[作品含む](100点)

教科書
Textbook
佐藤幸治/『生と死の現在』/晃洋書房
指定図書
Reserved Books

参考書
Reference Books

留意事項
Special Class Information


シラバス参照