精神医学は脳やこころの疾病ないし障害を広く扱う。これらの病態はストレスに囲まれた私達の生活と隣り合わせに存在し、誰にでも起こり得ることを知る。 心理・福祉上の困難を抱えた当事者の気持ちを理解し、地域の一員として生きる彼らを取り巻く、社会的な課題につき認識を深める。

　精神医学�Tでは精神医療の歴史を導入部とし、中枢および末梢神経の生理と解剖を概説した後、医学の中における精神医学の位置づけ、正常と異常、疾病性と事例性の主題へ焦点をあてる。加えて、精神医学に特有の診断法にふれ、統合失調症を代表とする具体的な精神障害の病態像を取り上げる。これらが自分とつながった、皆に相通ずる問題であることをともに確かめる時間としたい。

　 全15回の講義・演習を以下の計画に沿ってすすめていく。

１ 精神医学、精神医療の歴史
　　　1) 古代より近代
　　　2) 現代の精神医学（広汎化と分科の時代）

２ 脳および神経の生理・解剖
　　　3) 神経系の構成 / 中枢神経系の解剖と機能
　　　4) 末梢神経系

３ 精神医学の概念
　　　5) 精神医学の特徴と諸分野 / 精神障害の概念
　　　6) 精神障害の成因と分類

４ 診断法
　　　7) 診断の手順と方法
　　　8) 精神症状と状態像
　　　9) 心理検査、身体的検査

５ 代表的な精神障害
　　 10) 症状性を含む器質性精神障害
　　 11) 精神作用物質使用による精神および行動の障害
　　 12) 統合失調症、統合失調型障害および妄想性障害
　　 13) 気分障害
　　 14) 神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害

６ 課題演習
　　 15) 課題演習

・試験期間中に試験を実施(90点)
・レポート[作品含む](10点)

日本精神保健福祉士養成校協会・編/新・精神保健福祉士養成講座 第1巻 精神医学/中央法規

中井久夫、山口直彦・著/看護のための精神医学 第2版/医学書院

精神保健福祉士国家試験受験資格を取得しようとする学生は本科目を履修すること。